今回、ルセで過ごしながら何度も思ったことがあります。

 

人とのご縁も、水の流れも、
その時だけを見ていると分からない。

 

でも、少し長い時間で眺めてみると、

「ああ、ここにつながっていたのか」

と思う瞬間があります。

 

2017年。
ツェンコヴァ先生がルセの名誉市民になられた表彰式に、私は立ち会っていました。

あの時、ルセ大学の学長から花束が贈られたことを、今でも覚えています。

 

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そして2026年。

再びルセ大学で当時の学長だった先生(現在は名誉学長)とお会いし

ルセ大学と神戸大学の共同プロジェクトとして、新しいアクアフォトミクスラボが誕生したというニュースに立ち会っています。

 

 

 

 

9年前には想像していなかった景色です。

 

人が出会い、
研究が続き、
時間が積み重なって、
ある日それがひとつの形になる。

 

今回の旅には、そんな場面がいくつもありました。

 

そして、ルセにはドナウ川があります。

 

 

↑夜明けのドナウ川

 

学会終了後に街を歩き、
大きな川の流れを眺めながら、

私はこれまでアクアフォトミクスとともに訪れてきたヨーロッパの街を思い出していました。

2017年のジュネーブ。

2019年のブダペスト。

ザルツブルク、

そして今回のルセ。

 

地図の上では、ずいぶん横に移動してきました。

でも同時に、私たちはその間の時間を、縦に積み重ねてきたのだと思います。

 

土地を横に歩き、時間を縦に過ごす。

 

その二つが交わるところに、
人とのご縁がある。

なんだか織物みたいだな、と思いました。

 

中島みゆきの歌が流れてきそうです♪(笑)

 

 

そして今回。

ドナウ川で、
もうひとつ、とても美しい「水の時間」がありました。

 

重岡社長が持っていったのは、「このの三水」。

「このの三水」をドナウの水と合わせることになったのです。

 

 

 

 

 

 

その時、ふと思い出しました。

2017年、ルガーノでも、
私たちは水を合わせていました。

あの時は、「ゆの里」の長年の体験から金・銀・銅の「金剛水」を。

そして9年後のルセでは、
アクアフォトミクスでデザインされた「このの三水」を。

 

9年前の水と、今の水。

あの時のご縁と、今のご縁。

そして、ルガーノからルセへ。

 

その間に積み重なった研究と時間。

 

ドナウの流れを見ながら、

水も、人も、ひとつの場所にとどまっているわけではないんだな、

と思いました。

 

今度はヨハンシュトラウスの「美しき青きドナウ」♪

のメロディが流れてきた~(笑)

 

流れながら、誰かと出会い、何かを受け取り、また次へ運んでいく。

 

今回のルセの旅は、学会に参加するための旅でした。

 

でも振り返ってみると、研究だけではなく、

 

人と人。
土地と土地。
過去と今。

 

それらが静かにつながっていく時間でもありました。

 

 

 

 

 

 

今回の国際アクアフォトミクス学会で、私がいちばん「えーっ!」と思った発表、

(というか、わかりやすかった話)

 

それが、冷凍のお肉の話でした。

一度冷凍したのか。
それとも、冷凍と解凍を何度か繰り返したのか。

成分だけを調べても、その違いは分かりにくい。

ところが、水の状態を見ると、その違いが見えてくる。

そんな話を聞いて、私はもう一気に前のめり(笑)。

 

「そうだよ、そうだよ! 水は分かるのよ」

と、知ったかぶり(笑)

 

もちろん、水が何かを“記憶している”と簡単に言ってしまうのは違うと思います。

でも、冷凍したり、解凍したりすることで、肉の中の組織や、水とタンパク質との関わり方が変わる。

すると、その変化が近赤外線のスペクトルにも現れる。

 

つまり、その食品がどんな状態を通ってきたのか

その“履歴”のようなものを、水の状態から読み取れる可能性があるということです。

 

これ、すごくないですか。

見た目は同じ。

成分も大きく変わらない。

でも、水の状態には違いがある。

 

水を見ることで、そのものが今どんな状態にあるのか。

場合によっては、そこに至るまでにどんな変化を受けてきたのか。

その手がかりまで見えてくる。

 

興味深いですよね♪

 

 

 

今回の学会では、そんな研究がいろいろありました。

 

たとえば、土壌の中の水。
葉っぱの中の水。
はちみつの中の水。

 

どれも、見ている対象そのものは違います。

でも、「その中にある水は今、どんな状態?」」と

という同じ問いを投げかけることができる。

 

さらにその変化を予測できる!

 

白いんげん豆を水に浸した時の変化。

豆が水を吸う。

日常では、それだけのことに見えます。

でも、その時に豆の中の水がどんなふうに変化しているのかを見ることで、

単に「水分量が増えた」というだけではない変化が見えてくる。

 

濃縮ジュースの研究もありました。

つくり方や含まれるものが違えば、水の状態にも違いが現れるわけです。

 

食品そのものを分析するのではなく、その中の水を視る。

すると、別の情報が見えてくる。

 

私たちは普段、

肉は肉。
土は土。
葉っぱは葉っぱ。
豆は豆。
ジュースはジュース。

と、それぞれ別のものとして見ています。

 

でも、アクアフォトミクスでは、

「その中の水は、どんな状態なんだろう?」

という同じ問いを投げかけることができる。

 

すると、まったく違う分野の研究が、

「水」

という一点でつながっていく。

 

農業の話をしていたと思ったら、次は食品。

食品の次は、人の身体。

さらに材料の研究まで出てくる。

テーマはバラバラに見えるのに、

真ん中には、いつも水がいる。

 

 

アクアフォトミクスは、水と光を通して、世界を見る科学。

世界・・・それは「すべて」なんですよね。

 

肉の履歴も。
植物の状態も。
土の状態も。
食品の変化も。

水そのものを知りたいのではなく、

水を通して、その向こう側にあるものを見ている。

そう考えると、アクアフォトミクスがなぜこんなにたくさんの分野に広がっているのか、少し分かる気がします。

 

そして、研究発表を聞けば聞くほど、

「じゃあ、これはどうなんだろう?」
「これも水から見たら何か分かるんじゃない?」

と、また新しい疑問が湧いてくる。

 

映画『Pale Blue Dot 君が微笑めば、』の中で理論物理学者の佐治晴夫先生もおっしゃていましたよね。

 

「見えるものは見えないものに触っている」って。

 

「わかることが増えていくと、わからないことも増えていく」わけす。

 

 

学会というところは不思議です。

 

たくさん答えを聞きに行っているはずなのに、

帰る頃には、来た時よりも問いが増えている(笑)。

 

 

写真 ↓ アクアグラムがいっぱい♪
これが読めるようになりたいですよね!!!
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国際アクアフォトミクス学会。

 

こう書くと、なんだかものすごく難しそうでしょう(笑)。

 

実際、難しいです。

英語も得意ではない。
科学者でもない。
分光器を扱えるわけでもないし、多変量解析ができるわけでもない。

 

それなのに私は、2016年からずっと、この学会を追いかけています。

 

 

 

 

今回のブルガリア・ルセでの学会でも、朝から夕方まで発表を聞きながら、

「それってどういうこと?」
「そこ、もっと知りたい!」
「その実験、アクアフォトミクスで見たらどうなるんだろう?」

と、相変わらず一人で前のめりになっていました。

 

たぶん私は、研究結果そのもの以上に、

「まだ分かっていないことが、少しだけ見え始める瞬間」

が好きなのかもしれません。

それになんだか清々しいんですよね、研究者のひたむきな姿が。

 

アクアフォトミクスは、水をただのH2Oとして見るのではなく、水の状態や水分子同士の結びつき、その変化を近赤外線の光から読み解こうとする科学です。

今回の学会でも、植物、土壌、食品、医療、材料など、さまざまな分野の研究が発表されました。

 

一見するとまったく別々のテーマなのに、

「そこにある水を見る」

という視点を持つことで、それらがつながっていきます。

 

そして今回、私がとてもワクワクした発表のひとつが、ゆの里アクアフォトミクスラボのアレックスが発表した、新しいプログラム「ApuaGrammar」の発表でした。

 

 

 

 

アクアフォトミクスでは、近赤外線で得たたくさんのデータを解析し、水の状態を読み解いていきます。

ところが、ここがなかなか難しい。

データを解析するためには専門的な知識やソフトが必要で、研究を始めたばかりの人にとっては、それ自体が大きなハードルになります。

 

アレックスが作ったApuaGrammarは、その解析をもっと分かりやすく、もっと身近にしようというプログラムです。

 

しかも無料で使える。

 

測定したデータを入れるとリアルタイムで解析でき、アクアグラムとして水の状態を見ることもできる。

そして私が「いいなあ」と思ったのは、単にボタンを押せば答えだけが出てくる、というものではないこと。

 

解析の過程がブラックボックスにならず、

「今、何をしているのか」

を学びながら使えるように考えられているのです。

 

だから研究だけでなく、教育にも使える。

 

学会の発表を聞きながら私は何度も、

「この研究にもApuaGrammarを使ったらいいのに!」

と思っていました(笑)。

 

これまでアクアフォトミクスは、専門家が高度な解析技術を使って取り組む研究という側面が大きかったと思います。

 

でも、こんなツールが広がっていけば、

「アクアフォトミクスを研究する人」

そのものが増えていくかもしれない。

 

世界中の研究者が、それぞれの分野で水を見る。

 

植物を見る人。
食品を見る人。
人間の身体を見る人。
土を見る人。

 

まったく違う研究をしている人たちが、

「水」

を共通言語にしてつながっていく。

 

考えただけで、私はちょっとワクワクしてしまいます。

 

私は研究者ではないから、数式を追いかけることはできません。

 

そのかわり、

「これは暮らしの中ではどういうこと?」
「普通の人に伝えるなら、どこが一番面白い?」

という目で発表を聞いていました。

 

そして時々、

専門家の皆さんが当たり前すぎて通り過ぎてしまうところで、
私だけが「えっ、そこすごくない?」と立ち止まっていることがあります。(笑)

 

たぶん、それが私の役割なのかもしれません。

 

科学者になることではなく、
科学の世界で起きていることを受け取って、
日々の暮らしの言葉に置き換えること。

 

「こんな研究があるんだよ」
「水って、まだこんなに分からないんだよ」

と、誰かと一緒に驚くこと。

 

アクアフォトミクスの世界に関わり始めて10年。

分かったことも増えましたが、
それ以上に「分からないこと」が増えました。

 

そして不思議なことに、

分からないことが増えるほど、私は水のことが面白くなっています。

 

科学の最前線というのは、
答えが並んでいる場所ではなく、
新しい問いが次々と生まれている場所なのかもしれません。

 

そして、その新しい問いを、
一部の専門家だけのものにしない。

 

ApuaGrammarのようなツールの登場を見ていると、
アクアフォトミクスはこれから、もっと開かれた科学になっていくのではないか。

そんな未来も感じました。

 

だから私は、また学会に行きたい(笑)

 

英語も科学もまだまだなのに、
懲りずに科学者に交じって目を輝かせながら(笑)。

 

水の向こう側に、
まだ誰も見たことのない景色が、そしてそれ、もしかしたら大昔から知ってたよ

という景色が見える気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうそう、今回の学会は、ものすごーく理解が深まった気がするのは、慣れてきたという以上に生成AIの翻訳と要約の助けがあったから。

英語だってブルガリア語だって、どんとこい♪みたいでした(笑)

本当に役に立ちました!