今年は季節のかみさまの計らいで、満開の桜を愛でながらの格別な備前窯開きツアーとなりました。
この備前窯開きツアーは、毎年2回、ゆの里で行われている備前焼の体験教室にご参加された方を優先的にご案内しているツアー。
主催はゆの里さんなのですが、イマココ・ストアは募集窓口も務め、私も毎年ご一緒しています。
3月末から4月頭にかけて、毎年桜の季節に窯開きになるので、楽しみはやはり桜🌸
でも満開のタイミングに出会うことは本当に稀なんです。
今年はそういう意味でも格別なツアーでした。
そして、もう一つ、格別と言いたくなるのは.今回の窯では、備前焼作家の岡本徹正先生の日展入賞30回目を狙う作品が焼き上げられている、ということなんですね。
備前焼を「伝統工芸」という位置付けにとらわれず、それを超えて、ゆの里の温泉水を練り込んでは作った「神水備前焼」を生み出し連続入選を続けて来られた岡本先生。
30年の間.純粋にご自身の作陶の道を歩いて来られた先生ですが、昨年奥様を亡くされてからの一年は今までにない孤独と苦労との闘いの日々でもあったのではないでしょうか。
そんな一年の作品作りの仕上げがこの春の登り窯の火入れでした。
寒の戻りで雪が窯まで舞い込む夜を超え、10日あまり、24時間窯の火をたやすことなく1000度を超える温度を保ち焼き上げられた今年の登り窯。
それが開けられる瞬間に立ち会うのは、まさに出産に立ち会うようで、例年以上にドキドキ緊張しました。
というのは.岡本先生。
窯をあけて中に窯の中で自作と対面した時.ご自身が納得できない焼き上がりだった場合.躊躇なくハンマーで作品を叩き壊すのです。
そのガシャンという音のなんと無情なこと。
私は過去何度もその音を聞き、芸術の厳しさを目の当たりにして心がきゅんと小さくなったものです。
30回目の節目の出展作品の無事誕生を祈って、皆がその瞬間を見守ったのでした。
大丈夫でした!今年はその音を聞かなくて済みました。
ほっ。
ほんとうに、ほっ。
よかった、よかった!
これで今年の日展出品作品は無事この世に生み出されたわけです。
あとは審査員の先生の見抜くチカラを信じましょう。
そんな緊張の窯開きの式典には、毎年来賓としてゆの里の重岡社長がご挨拶なさいます。
式典後のほっとしたお二人の笑顔が私も嬉しい♡です。
そしてそのあとは恒例の即売会。
窯から出したてホヤホヤの作品が破格の値で並びます。
今年のご参加の皆様.このあと出された大物も含めて、結構な大人買いの方もいらして、大盛況でした。
もちろん、昨年のゆの里での体験教室で作った自分の作品もここでご対面♪
持ち帰りできました。
ちなみに私の作品はこれ。
お香を立てる香皿(のつもり)です。
裏にはちゃんと「ゆ」のしるし。
お皿や小鉢.水差しや花瓶。
いろいろ毎年自分でも作っています。
日展作家の先生の登り窯の中で炎と水を共有して焼き上げていただくなんて、ほんとうにほんとうに有り難いことなんだと思います。
今年も備前焼体験教室は開催されますし、秋には岡本先生の日展30回入選お祝いの会もすでに予定されています。
今から楽しみにしています♡
よかったらご一緒しましょうね♪
そしてこの備前窯開きツアー。今年から「重岡社長と行く」と銘打って開催しています。
一泊2日でゆの里からマイクロバスで往復するその道中や、窯開き会場で重岡社長の「ここだけの話」が聞けるのもこのツアーのもう一つの目玉です。
今回は会場にプロジェクターがないのでパソコン画面をみんなで食い入るように見てました。
岡本先生の創られる「神水備前焼」の中で水がどう変化するのか?
また備前焼と神水備前焼とはどう違うのか?
器の形によってどう変化するのか?
などをアクアフォトミクスによって検証実験がなされています。
(内容についてはここではシェアを控えますが)そのお話がとても興味深いものでした。
ところで、ツアー初日、窯開きの前日は、「月のしずく」を奉納し、和気神社に正式参拝しました。
こちら和気清麻呂を助けたという猪にちなんで、狛犬ならぬ狛猪がいらっしゃって、猪生まれの私としては、ちょっと嬉しかったです。
その後日本初の庶民のための学校、岡山の藩主池田光政公が創設した閑谷学校へ行きました。
ここはちょっと気になっていたので、思いつきで今回のコースに入れてもらったのですが、行けてよかった!
文字通り閑かな谷にある美しい学び舎でした。
講堂は国宝です。
ここでなら私ももっとお勉強に励めたかもです(笑)
今回は行く先々で満開の桜。
日本の春を満喫できた嬉しい旅になりました。
長距離を運転してくださったのはゆの里のジェネラルマネージャー松尾さん。
本当に安全運転、任せて安心なドライブでした。
松尾さん、お疲れさまでした!
さくらさく、備前焼窯開きツアーでした!
ご参加の皆様.ありがとうございました!