「肩書きがなくなった自分」をどう生きるか | プロレスの素

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プロレス・格闘技についての独り言、自分の素(もと)、在りのままに感じたことを書き綴るブログです。

蝶野正洋の著書を読了しました。

 

プロレスラーの著書は自伝的なものが多いですが、この本は自己啓発に近いと思います。

 

特に、蝶野自身の言葉で、自分の考えを伝えているのが分かるので、共感しやすい。

 

近年の蝶野は、レスラーとしての活動はなく、ボランティアとか啓蒙活動のイメージが強い。

 

それも、消防や人命救急など、社会貢献活動に精を出している。

 

黒のヒールやガキ使のビンタのイメージが強いので、そのギャップに驚くばかりですが、まじめに取り組まれている。

現 役職/団体/大使

・アリストトリスト(有) 代表取締役 http://www.aristrist.com/
・一般社団法人 NWHスポーツ救命協会 代表理事 https://www.facebook.com/nwhsla/
・公益財団法人 日本消防協会 消防応援団(2016年2月就任)
・公益財団法人日本AED財団 AED大使(2017年9月就任)
・一般財団法人 日本気象協会推進『熱中症ゼロへ』 熱中症予防PR大使(2016年~2022年)
・日本寄付財団「認定アンバサダー」(2022年4月就任)
・いばらき大使(2017年7月就任)
・大洗オフィシャルアンバサダー(2023年1月就任)
・警視庁「令和5年夏の少年健全育成ポスター」(2023年7月~)
・神奈川県警察防災大使(2016年~)
・千葉県警「電話de詐欺加担防止広報大使」(2021年~2023年)
・ガールズ&パンツァー応援大使(2015年11月就任)

 

そのきっかけとなったことが触れられていたので、ピックアップします。

 俺が救命救急の啓発活動等を目的に「一般社団法人ニューワールドアワーズ(NWH)スポーツ救命協会」を設立したのは2014年7月。ちょうどプロレスラーといて第一線から退いた直後で50歳の時だ。

 

 きっかけは2005年に同期の橋本真也選手が病気で、2009年にノアの三沢光晴選手がリング上の事故で亡くなったことが大きい。

 

 選手が試合中に不測の事態に陥ったとき、救急車が到着するまでには”空白の時間”があり、そこでの対処が生命を大きく左右する。そのことを痛感した俺は知り合いのアスリートたちにも呼び掛けて2010年にAED(自動体外式除細動器)の使い方などを習う普通救命講習を受講した。

 

 この当時、AEDは全国に10万台くらい普及していたんだけど、使える人が少ないという現状があったんだよね。だから受講者を増やすことが三沢選手の死を無駄にしないことにもつながるんじゃないかと思って、啓発活動に全面的に協力させてもらうことにしたんだ。

 

 2011年に東日本大震災が発生した。

 

 この震災を機に新たに始めたのが消防団の普及・啓発活動だ。

 

 「消防団」といっても関係者が周りにいない人にはぴんとこないかもしれないけど、実は火災や震災などの有事の時にその地域に密着しているからこそきめ細かい消防活動ができる、地域防災のリーダー的存在の人たちだ。

 

 東日本大震災の翌年の調査によれば、この震災では実に254名もの消防団員が亡くなり、当時はまだ行方不明者もいた。その話を聞いたとき、なぜそんなにたくさんの消防団員が……俺は本当にショックを受けたんだ。

 

 そこから「蝶野さん、消防団の応援団をやってくれませんか」という話に繋がっていったんだよ。

ポイントは、「身近であること」「誰でも知っているような出来事」がきっかけであること。

 

同じ情報を知っていながら、動いた人と、そうでない人が大きな差になることがよく分かる。

 

自分で感じたことに、素直に行動して動く。

 

些細だけど、小さな一歩が大事だとつくづく思う。

 亡くなった猪木さんも人助けとか地球を守るということに対して本当に熱心に動いていたよね。震災時の慰問もそうだし、パラオのサンゴ礁の再生とか大みそかの炊き出し、バイオ燃料に水プラズマ……発想のダイナミズムとスケール感で猪木さんにかなう人はやっぱりいない。

 

 そんな猪木さんの社会活動に俺はいつも感銘を受け、勇気をもらってきた。そして少しでもその遺志を継いでいきたいと思い、国際支援社会活動にも取り組むことにした。

 

 具体的には「maaaru」というプロジェクトのアンバサダーとして、世界に3億人いると言われている非・不就学児、つまり何らかの理由で学校に通うことができない子供たちに対して寄付などの支援を呼びかけ、子供たちの教育環境の改善に協力していく。

 

 地域防災の普及活動では「自助」の大切さを広く伝えたいという思いが原動力だが、こちらの国際支援は「世界には十分な教育を受けられない子供たちがたくさんいる」ということを、まずはみんなに知ってもらいたいと強く思ったことが活動のきっかけとなった。

 

 これをやってみたい、あれを是非みんなに知ってほしいという自分の中から湧き出る要求に対しては素直に反応すべきだ。だって、この問いになるとそんな欲求や夢や希望なんてなかなか湧いてこなくなるんだから(笑)。

 

 その欲求が世のため人のためになることなら余計に躊躇しちゃいけない。

 

 迷わず行けよ。行けばわかるさ。

プロレスラー蝶野のルーツである猪木から、こんな面まで引き継いでいるとは。

 

改めて、猪木は偉大なレスラー、人物だったと思わされます。