2010.01.26(火) 下北沢 風知空知
“PUPPY'S SOVEREIGN CAFE in 風知空知”
<延原達治アコースティックライブ>
新しい仕事にも慣れはじめ、借金返済の為、休日出勤も率先し、連日残業もイヤな顔ひとつせず引き受け、そんな私が朝から「今日は残業できないから」を宣言し、業務終了の5時半のチャイムと同時に、誰にも有無を言わせず速攻退社。「彼女はこういう人だから」。最初に印象操作を植えつけておくことが肝心(笑)。繰り返された転職歴で培った、ライブのある日に仕事を断る最も有効的な手段(笑)。
そんなわけで、当初はソブリン開場に間に合わないと思ってた職場だったが、あっさり開場15分前にはハコに到着。食事も出来るこのハコで、無職期間はドリンクだけで我慢してたのも、初任給が入りしっかり夕食済ませ、スタートを待つ。
ほぼ定刻通り
「こんばんは。バンプ・オブ・チキンで~す」(←横浜に続き意味不明・笑)
で、スタート。最近、この入り方、気に入ってるようです(笑)。
「今日は、去年の最後に宣言した通り、オリジナル曲を多めにやってみたいと思います」
の言葉通り、オリジナル曲が続く。
『RAIN DROPS』。
“Freedom TOUR”終了後、次のスケジュールが発表されないまま、バンドブームと言われたモノは陰りを見せ始める中、突然聞かされた事務所独立と独立後初ツアーはライブハウスツアーの敢行。新事務所名ともなった“STAR CHILD TOUR”と銘打たれたこのツアーの、今は亡き、神戸(旧)チキンジョージにて、
「お礼です」
と言って歌われたこの曲は、当時はまだ仮題の『HONEY DON'T CRY』とセトリにも書かれており、その数年後、JOE KIDSが加入し『RAIN DROPS』として甦る事となるが、あの神戸での演奏は今でも覚えてる。「一生ついてく」を初めて誓ったライブ。
ソブリンで聞けるとは思わなかった『RETURN TO YOURSELF』(!)。20代前半でコレが書ける延原達治って、やっぱスゴイ。
横浜ライブからレパートリーに加わった『本牧ブルース』。横浜では後ろで見てて離れてたから気づかなかったけど、近くで歌われると、…なんちゅーか、…テレますな(←バカ・笑)。
『SUNSHINE』から、ギターを12弦ギターに換え、曲間も爪弾いて見せ、綺麗な音色に弾いてる本人も実に気持ち良さげ。
2日前にLOFTであった“仲野茂 生誕50周年記念ライブ”の話。
普段、プライベーツで年中ツアーやってても、終わって楽屋で「あそこが変だった」とか言い合ったりして、1年のうちでベストな演奏は1回か2回だと。でも今回オリジナル曲を、違う人と演ってみておもしろかったけど、やっぱりプライベーツのメンバーって息合ってんだな、俺達、って再確認したと。ハラちゃんって偉大だなって改めて思ったと。
「…ハラちゃん…偉大だなって…、…偉大っつーか、ハラちゃんに合わせられる俺が偉大なのかも?」
なんてオチにしてたけど、それは延ちゃんなりの照れ隠し。ん、もう、素直じゃないんだから(笑)。いろんな人と出来たのも嬉しかったし、「あ、俺達のバンドのビートはアレなんだ、やっぱり」って思えたのも嬉しかったと、素直な意見も。
「もう1曲、第一部、演らせて下さい」
で始まった『ひとりぼっち』。何故だろう、以前はこの曲を聴いても「くだらねぇ人間になってないよ私、延ちゃん」と胸をはって聴けたハズなのに、今はどこか後ろめたさを感じて、泣きそうになった。
♪おまえの事 おまえにしか わかりゃしねぇだろう
誰も私の事なんて、わかりゃしない。次に聴く時は、笑顔で聴けるといいな。
二部のオリジナルは、「アコースティックでソレやる?」の『いきちがい』(笑)。
「『元・恋人』って曲です」
で始まった『EX LOVERS』は、元・奥方のイメージ。この曲の発表当時、パーソナリティを務めてたラジオ番組で「延原さんは、ご結婚もされてて、お子さんも産まれて、今が一番幸せなハズなのに、何故この時期、失恋の歌なんですか?」と言う、リスナーからの質問に、
「いや、コレは失恋の歌ってわけじゃないんだ。幸せは幸せなんだけど、結婚して夫婦になって、子供が産まれて家族になると、どうしても恋人だった時のような関係ではなくなっちゃうからね。ソレがイヤってわけでもなくて、幸せには変わりないんだけどねー」
と、答えていたのが印象的。その後、ホントに失恋する事になる訳で(失恋と離婚の定義の違いは置いとくとして)、初・高岡ソブリンでも、『Love hurts』後、「“Love hurts”は“愛の傷”と言う意味だ」と話し、めずらしく自分の離婚話を持ち出し、
「俺の“Love hurts”」
と言って『EX LOVERS』が始まった事もあったし。
今年になって、バンドの方もギアをチェンジして、もう『El Pistolero』の香りはなくなってきてると。次の春からのツアーは“PSYCHO FLASH BACK TOUR”と言うんだそうだ。先行の岐阜・大阪のセトリを見た限り、よぎった一抹の不安、願わくば『BUZZ』以降(ィャ以前からか)、さんざんやってるメニューに「戻る」事だけはないように祈るばかり。とまぁ、盲信してない冷静なファンを装っときながら、
「いーじゃんかよ。やりたいようにやらしてくれよ」
と言い放った言葉通り、やりたいようにやってもらって、カッコ良けりゃ、ちゃっかり受け入れちゃうんやろけどね、きっと(笑)。
※ ※ ※
セットリスト
第一部
01.Waterloo sunset (THE KINKS)
02.RAIN DROPS
03.RETURN TO YOURSELF (AND MYSELF)
04.IT'S GONNA BE ALRIGHT
05.本牧ブルース (ザ・ゴールデン・カップス)
06.SUNSHINE
07.As tears go by (The Rolling Stones)
08.ガールフレンド (The Roosters)
09.Ooh lala (Faces)
10.一人ぼっちのバラード
第二部
01.You better move on (Arthur Alexander)
02.いきちがい
03.Rosie (The Roosters)
04.EX LOVERS
05.Love hurts (The Everly Brothers)
06.RAWHIDE HILL
07.Bamboo road (Willy Deville)
08.クレイジー・クール・キャット (SHEENA & THE ROKKETS)
09.I'm Talking About You (Chuck Berry)
10.I'm a king bee (Slim Harpo)
11.Mona (Bo Diddley)
12.Midnight rambler (The Rolling Stones)
13.IT'S YOU DARLIN'
14.TIME WAITS FOR NO ONE
15.君が君に (ひまわり)
E.C.
01.スーツケース・ブルース (SONHOUSE)