以前私の働いている有料老人ホームの研修で認知症について話し合ったことがあります。
体の自由が利かずにホームに来る方多いですが、認知症で来られる方も本当にたくさんいます。特に認知症だけど、歩いたり食べたり自分でできる人、一人に家においておけませんよね。誰かが常にそばにいないと何をするかわからない。
これってかなり家族にとっては問題です。常にそばにいるってことはまず現実的ではないですよね。もちろん気持ち的には愛する家族のために、そばにいて面倒を見てあげたいと思うかもしれないけど、今の忙しい社会でそんなことができる人は本当に少ししかいないと思います。
それと実際に介護をしてみるとよくわかると思いますが、最初は思いやりから一生懸命介護をしていても、だんだんとお互いのわがままが出てきてしまう。お互い心から愛しているはずの親と子供、でも時が経つにつれ介護に疲れ果て、お互いを罵り合うのは珍しいことではありません。
だからそういう意味でもデイサービスとか、老人ホームってのは必要になってくるんですね。こういう施設は何も介護が必要な人の物だけではないんです。その家族の心の健康のためにも必要なものなんです。家族が自分たちの時間を得ることができ、そしてその時初めて心に余裕が生まれ、現実をちゃんと見つめることができるんです。
あと、もし家族の人が認知症になってきたときどう対応したらいいのかですが、まずやってはいけないことは相手を否定することです。まず話を聞いてあげてください。もし仮に相手から罵られたりしても怒らないで下さい。怒っても意味がないんです。
私がののしられたときよくやる対処法としては、まず謝ります。そのあとで「じゃあ次から気を付けますね」と言ってあげます。これって相手にしてみれば自分の意見を受け入れてくれたことになるんですよね。これが大事なんです。相手を受け入れ、それを相手にも悟らすことが。
そこからしか本当の意味での認知症患者さんとの会話は始まらないと思っています。もちろん私たちも人間です。疲れていてそんな気持ちになれないこともあって当然。そんな時はとにかく相手の目を見てただ話を聞いてあげるだけでも全然違います。
自分だけは認知症にならない、とふつうはみんな思っています。私もです。でもこれって本当にわからないんですよね。だから一番辛いのはきっと認知症になってしまった本人なんです。