M&Aや投資ファンドについての雑談 -3ページ目

M&Aや投資ファンドについての雑談

昨今、この業界は閑古鳥が鳴いておりますが、

でもそんなときこそ情報を発信し、少しでも多くのみなさんに

M&Aや投資ファンドのことを知って頂けたら、と思っています。



ネタがあったときに不定期更新する予定です。

M&Aにおいて会計士は、主に


・会計・財務デューデリジェンス


において、活躍します。


もちろん、複雑なM&Aであったり、TOBの場合などは、
スキームの設計段階から深くかかわることもあるのは
弁護士と同じです。


特に上場企業の場合には、買収後のBS、PLの「見え方」につき
非常に気にすることが多いため、
ここでは会計士の「技」の見せどころになります。


M&Aに関する会計は毎年少しずつ変わり、
数年おきに大きく変わるため、
常にM&Aに関わっている会計士にでないと、
すぐに取り残されてしまいます。


したがってこういったM&Aのアドバイスを本当にできる
会計士というのは結構貴重なものです。


得てして会計士というのは営業力がなく、
またヤマッ気がなかったりしますので、
例えば投資ファンドがやりたい(つまり儲けたい、ということですが)
ようなスキームの意図を汲んでくれなかったり、と
いうことが多いですね。


一方で、財務デューデリジェンス自体は、
要は短期間の「監査」と同じですから、
これは会計士であればいわば誰でもできることでもあります。



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大手法律事務所の弁護士さんは、本当によく働いてくれます。


もっとも、その分チャージされるので、
経済的にはクライアントにとってメリットはないのですが、
それを超越して、「ほんとにこの人がんばってくれるな」
と実感することがしばしばです。


勤務時間は一つの例ですが、
大手の渉外弁護士ですと、一週間ぐらい家に帰らないで
働き続けることもよくあるみたいで、そのために「my 布団」を
持っている人も多いとか。


だいたいよく弁護士から、
「ではこの契約書の修正版を今週中にはやっておきます。」
なんていわれると、そのメールを頂くのは日曜日の28:00ぐらい
だったりするのは日常茶飯事です。


その見返りとして、外資系投資銀行にも勝るとも劣らない
報酬を20代で手にすることができているようです。


でもよく思うのですが、
経済合理性を追求するような性格であれば、
そのまま投資銀行に就職しているような気がして、
「金を稼ぎたい」という人が弁護士になるというのが、
いまいちピンとこないというか。


ただ司法試験制度の変更に伴う弁護士の質の低下や、
昨今金融危機でのM&A案件の減少などにより、
この渉外弁護士、金融弁護士の「聖域」にも、
変化が起こることを期待しています。



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弁護士批判をするつもりは全くありませんので、
話をもとにもどして、弁護士のM&Aでの業務について。


M&Aでの弁護士業務のハイライトは、例えば買い手の弁護士であれば、


・法務デューデリジェンスの結果を踏まえて、
・契約書に当該問題点を補償できるような文言を加え、
・直接的、間接的に売り手ないし売り手の弁護士と交渉する、


ということでしょう。


ただ中規模のM&Aぐらいですと、弁護士は間に入らずに
交渉するケースも多いです。


交渉にあたって留意しなければならないのが、

「当方の弁護士の主張を立てる」
「相手方の弁護士の主張を立てる」


ということです。


弁護士にも色々いますが、なかには「まとめよう」という
気がいっさいなく、ただひたすら正論をぶつKYな弁護士も
散見します。


そのときに頭ごなしに彼を否定してしまうと、大先生のメンツを
つぶすことになってしまいますから、
うまくその正論を薄めることが重要です。


また、相手方の弁護士の主張を真っ向から否定するのも、
同様の理由で厳禁です。


繰り返しになりますが、
弁護士の主張は「正論」ですので、それをお互い真正面から
ぶつけあうと、必要以上に熱くなってしまい、
案件がブレークします。


それを把握した上で、弁護士は上手に使うことが
肝要です。



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弁護士費用に関するこぼれ話は前述のものにとどまりません。
案件終了後の請求書をみると、唖然とすることもしばしば。


・常に深夜帰宅なのでタクシー料金を請求


などは書くまでもないのですが、


・移動中は他の業務も含めてできなくなる、ということで、
 移動時間も通常のタイムチャージの半額を請求


・電話でちょっと質問したことも、事細かに
 「○月○日○時○分○秒から174秒」と記載し、請求


・資料をコピーした際のコピー代を請求


・資料をファイルした際のバインダー代を請求


・深夜の空調代を請求
 (通常はセントラル空調だが、夜7時を超えると個別空調に
  切り替わるので、とのこと)


などなど、まるでネタであるかのようです。


一般人の常識からすると、考えられないものですので、
やはり「世間知らず」といわれても仕方ない部分です。


もちろん、こんな弁護士事務所ばかりではなく、
ざっくりと、あとから振り返って、

「あの案件は、2週間前の火曜日からはじまて、だいたい一日3時間
ぐらいづつだったな」

とアバウトに積算するところもあり、むしろそちらの
法律事務所の方が多いというふうにも聞きます。

どっちがいいかは微妙ですが…


いずれにしても、M&Aのプレイヤーの中でも、
弁護士に対する待遇、気の遣いようはトップクラスです。

(本来であれば、売り手や買い手から見れば、ただの
業者であり、こっちの方がクライアントのはずなのですが)


それはそのまま日本における弁護士のステータスを



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M&Aにおいて弁護士は、主に


・各種契約書のドラフティング、修正
・法務デューデリジェンス


において、活躍します。


もちろん、複雑なM&Aであったり、TOBの場合などは、
スキームの設計段階から深くかかわることもあります。


弁護士報酬は基本的にタイムチャージで、
それなりの法律事務所に依頼すると、


・パートナークラスで時給50,000円
・中堅クラスで時給30,000~40,000円
・アソシエイトクラスで時給20,000~30,000円


ぐらいチャージされます。


ミーティングにいくと、弁護士が3~4名でてきますので、
1時間やっただけで、150,000円ぐらいのミーティングに
なってしまうので、気をつけましょう。


また、弁護士との業務委託契約の費用負担のくだりには、


「電車、飛行機、船舶などの移動では最高等級の運賃を
請求できる」


などとあり、もれなくビジネスクラス、グリーン車料金を
請求されます。


何様のつもり、とも思うのですが・・・



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楽天が31日、発行済み株式の19%強を保有するTBS株について、
すべて買い取るようTBSに請求したと発表した、と新聞報道にありました。


TBSが株主総会決議を通じて、改正放送法の認める
認定持株会社への移行を決議したため、
同決議に反対した楽天の株式を買い取る義務が生じているためです。


TBSが認定持株会社になると、特定株主が議決権の33%超の
株式を保有できなくなるため、楽天も経営統合の見込みがなくなり、
売却(買取請求)に踏み切った、ということのようです。


それにしても、楽天は08年12月期(通期連結)の決算は
経常利益が445億円であるのに対し、
TBS株式の評価損(特別損失)が主因で、
当期純利益はマイナス549億円です。


社員が楽天市場や楽天トラベルやなんやかんやで
頑張って稼いだ利益を、一人の経営者の企業規模拡大欲求により
全て消してしまう、というのは、いかがなものでしょうか。


未上場企業で100%オーナーであれば、何の問題もないのですが、
株式を公開して創業者利潤を獲得しておきながら、
自分で好きなことをやって失敗しても責任をとらない経営者
というのは、個人的には納得いきません。


経営判断の原則の範疇なのかもしれませんが、代表訴訟にでも
発展してほしいものです。


ただ一方で許せないのがTBSというか、テレビ局全般でもあります。
こうやって放送法に守られて、資本市場の原理にさらされることなく、
平均給与1,500万円をもらっている、というのも・・・

色々考えさせられる案件でした。



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売り手が投資ファンドの場合も、意思決定が早いです。


投資ファンドはとにかく経済合理性を最優先しますから、
一にも二にも高い価格を提示したところに売却します。


ただ、彼らもプロですので、入札で高い金額を提示した買い手候補でも、
デューデリジェンスで必ず価格を引き下げてくる、と思われるような
ところには、十分な情報を開示しなかったりもしますので、
買い手としてもただ単に金額を高くするだけでなく、提案内容を
しっかり作りこむことも重要です。


また、投資ファンドが価格と同じく、あるいはそれ以上に気にするのは
売主責任(補償)の内容です。


M&Aでは、(家電などと同じく)表明・保証といって、
「売却する会社はちゃんとした会社です」
ということを一定期間保証する必要があり、
その期間内に欠陥が明らかになった場合には、
一定金額を賠償することが一般的です。


問題は、

・その期間をいくらにするか
・その補償金額をいくらにするか

ということです。


ファンドとしては、例えば
「5年間、売却代金を全額返却する可能性がある」
ということであれば、
その資金はせっかく売却して資金を回収したにもかかわらず、
5年間、どきどきしながらファンド内部でプールしておかなければならず、
いつまでも出資してもらった投資家に返すことができません。


こうやって資金が寝てしまうことを、利回り至上主義とするファンドは
最もおそれます。


例えば、
・100億円の売却額で、保証は「期間が5年、金額は100億円」
・80億円の売却額で、保証は「期間が1年、金額は売却額の50%」
ということですと、


ファンドとしては後者のケースの方が望ましい、というのは
十分にあり得る話です。



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売り手が個人オーナーの場合は、とにかく意思決定が早いです。

もちろん会社法上の取締役会は存在しますが、

実質一人で意思決定することが
ほとんどですから。


ただ、これは諸刃の剣でして、
案件の最後の最後になって「やっぱり売るのが嫌になった」
といわれてしまい、

これまでの労力が水泡に帰すこともよくあります。


この点、事業会社の場合は

「何かおかしい」と思っても、みんなわかったふりして
案件を前に進めるものですが、
個人オーナーの場合は、一度嫌になると、

もう一度前向きになることはまずありませんから、

案件はそこで中止となります。


買い手が、それまでにデューデリジェンスで

数千万円かけていたとしても、オーナーの一言で、

それがパーになることもあるのです。

そういったことがないように、基本合意の段階で、

費用負担の補償などの条項を入れるのですが、

実際問題、それをタテに費用を請求するのは
難しいのが実情です。


これも迷惑な話です。



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事業会社が売り手の場合、案件の規模にもよりますが、


・秘密保持契約の締結、
・基本合意書の締結、
・デューデリジェンスの準備


などの各プロセスで担当役員の確認が必要となるため、
全体的に時間がかかることが一般的です。


ただ、実務をこなす方はサラリーマンですから、
ゆっくりながらも淡々と進むことが多いです。
(もちろん、M&Aですので難航することは当然として)


ところが最も気をつけなければならないのが社外取締役の存在です。

小~中規模案件ですと、最終的な価格の決定や譲渡契約の骨子を

決定する際にのみ、取締役会に上程することになりますが、

そのときに社外取締役は存在感をアピールすべく、
とりあえず案件に対してコメントをします。例えば、


・もうかっているのにそんなに急いで売らなくていいんじゃないの?
・私の知っている会社であればもう少し高い値段を出すかもしれない。
・入札にした方が良いんじゃないの?


などなど。


たいしてM&Aを知らない社外取締役にこんな発言をされてしまうと、
担当取締役や社長としても

(昨今のコーポレートガバナンスの厳格化から)
無視するわけにはいかず、案件の推進を尻ごみしてしまい、
白紙撤回する、ということも珍しくないのです。


全く迷惑な話です。



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会社を売却する「売り手」は、主に上場企業と個人オーナーの

2種類に大別されます。

先述したように、企業の売却ニーズというのは、
上場企業であれば、


・一部門または子会社の業績が不振である
・一部門または子会社の業績は好調だが、

 主要事業とシナジーがなく、ノンコアである。 
 当該部門または子会社を売却して、その資金を主要事業に振り向けたい。


などがあり、

個人オーナーであれば、


・自分の経営する会社の経営が不振であり、

 これ以上自分では続けれらない。
・自分の経営する会社は好調であるが、親族後継者がおらず、

 自分の次に株式を保有できる親族がいない(事業承継問題)

・自分の経営する会社は好調であるが、違うことをしたい。


などでしょうか。

ただ、会社を売却するタイミングは難しく、

また特に個人オーナーの場合には
誰に相談してよいものかわからないことが多いため、
このあたりがM&Aの潜在ニーズが顕在化されない

大きな原因になっていると思われます。


本件についてはいつかまた触れたいと思います。



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