頭が下がる | あるちゅう司法書士の思うまま

あるちゅう司法書士の思うまま

アルコール依存症のどん底を経験、現在は司法書士として第4の人生を歩む。アルコール問題のほか旅行記、鉄ネタ、たわごと…
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 街はどこを歩いてもクリスマスモードですが、今夜一斉にディスプレイがお正月仕様に変更されると一気に年の瀬の気分になるでしょう。 
 断酒会は今週が「最終例会」のところがほとんどです。

 「最終例会」といっても今年最後の例会というだけで、会によっては出席者に感謝の気持ちを込めたお菓子が用意されたりしますが、それ以外はいつもと同じように体験談に徹します。

 私の会にもこちらから参加してくださる会員も多く、私も感謝の気持ちを込めて出席したのですが、実のところはY君の奥さんの顔を見たかったのです。


 依存症本人のY君は私と入院生活を共にしました。

 毎日のように病院に足を運んでいる奥さんの姿を私も見ていました。私がAAから断酒会に移り奥さんと再会したのですが、今でも酒の止まらないY君の話をいつも涙ながらされていました。

 昨夜久しぶりに話をすると、別居を決断しすでにそうしていると教えてくれました。
 その後のY君の様子は?と尋ねてみると、病院の院内例会だけは毎週出席するようになったそうです
 
 奥さんご自身も何年とY君を目の前にして、アルコール依存症の怖さやしつこさを十分すぎるぐらい理解しているので、少しばかり院内例会に出るようになったからといって、一気に回復に向かうとは思っていません。
 
 でも、今までいくら奥さんが断酒会や家族会に出席したり、病院に相談しても関心を示さなかったY君本人が、別居をきっかけに僅かではあるがようやく重い腰をあげました。
 
 帰り際に長い握手を交わした時の奥さんの目には、少し希望が感じられるように思いました。

 「もうこんな人はどうなっても知らない」と、離れていく家族も多いなかで、病気であることを受け止め、回復を信じて断酒会や家族会に足を運ぶY君の奥さんの姿には、いつも頭が下がる思いがします…