私的「神保町古本まつり2021」
今年も「神保町古本まつり」は開催されなかった。ただしこの時期、独自に販促セールを行う古書店もあるようで、やはり気にはなる。(^^;
ということで、昨日30日は「神保町古本まつり2021」をごくごく私的に開催してみることにした。もっとも、既にご承知のように、私に買えるのはもっぱら100円から200円あたりの均一価格本の棚とか、早い者勝ちのワゴンセール品が主体である。
起点はいつもの神保町交差点。土曜日といえども、渋谷並みの人混みなどあるわけもなく、界隈の勤め人がいないぶん、むしろ平日の昼時よりも閑散とした感じさえする。ただ、ほうぼうの書店前では、車道寄りにしゃがみこんで、大きな紙袋やバッグなどに戦利品を詰め込む人の姿があった。
※
私の場合、交差点近くにある明倫館書店から神保町ツアーを始めることが多く、今日もそういう次第となったわけだが、この場合のデメリットは、400円以上の本に遭遇する可能性が非常に高いということにつきる。理系の本が多い店だからしかたがないのだけれど、よほど引き締めてかからないとあっという間にこの店だけで予算(3000円)オーバーとなってしまう。もっとも、今回は準「神保町古本まつり」なので、超法規的な財政出動もありえなくはないわけだが……(^^;
その店頭に置かれたワゴンや段ボール箱から読みたい本をピックアップしていくと、あっという間に2000円ちかくになってしまった。そこから、みすず書房や白揚社などの本を捨て、(^^; 残ったのが、桜井邦朋(くにとも)氏の『現代科学とヒューマニティ』(300円)と『歴史を変えた太陽の光ーー太陽研究の発展』(400円)、古い岩波新書1冊(100円)、そして新日本出版社の2冊(各300円)だった!
桜井氏は京都大学に学び、助手、助教授を経て、NASA ゴッダード宇宙飛行センター上級研究員として電波天文学、太陽物理学、米メリーランド大学教授として宇宙プラズマ物理学を研究し、帰国後に、神奈川大学工学部教授、同大学学長を務めている。専門書に加え、一般向けの啓蒙書を数多く手がけており、そのクセのあるエッセイには私も過去いくつか付き合ってきている。(^^;
『歴史を変えた太陽の光ーー太陽研究の発展』(400円)は、1992年に刊行されたもので版元はあすなろ書房。子ども向けに、自身の来し方のあれこれを織り込みながら、太陽研究の諸相をコンパクトに解説したものだ。なぜかアメバの pick 側からはアクセスできないようなので(私のやり方が悪いのか)、ここでは iPod で撮影した書影のみ掲げておく。
『太陽よ、汝は動かず』は大学時代に読んで以来のご対面! ノスタルジアで買い直したものだ。
残る2冊、『自然科学の古典をたずねて』の上下巻は東京工業大学附属図書館からの除籍本。自然科学の古典100冊を紹介するガイドブックで、東工大の学生には不要なレベルのものらしいが、私にはじゅうぶん役立ちそうなので拾っておく。
※
いつも活気のある澤口書店の前を通りかかり、ふたつの店舗をすこし覗いてみたけれど、意外に(私にとって)収穫はなく、自身の財布にはラッキーなことだった! (^^;
今日の収穫は、生島治郎が訳したという、ノーマン・メイラーの『ザ・ファイト』、大原三八雄 訳編の『英訳原爆詩集・1』(2が刊行されたかは不明)、D・マッケンジーの『自伝 泥棒』の3冊(各100円)だった。
その訳者名を見てちょっとビックリ! これは手に入れておきたいなと思うと、その隣に、ワケありで以前から気になっていた『グーテンベルクの謎』(500円)もあり、予算枠のことを考えるとう~んと唸ってしまう。
まあ、唸ってばかりいてもしかたないので、交差点までとって返し、銀行からもう2000円を引き出した! ヤレヤレ。(^^;
※
ここでは、ハヤカワのポケミスのなかから、ジョイス・ポーターの『案外まともな犯罪』1冊を拾う(300円の半額で150円)。私にとって彼女は引き続き要注目作家なのだ! (^^;