移民の歌
レッド・ツェッペリンの名曲『移民の歌』を聞いたことのない人はどれくらい居るだろう。いろいろな作品のテーマソングとして使われていたから耳にしたことくらいはあるだろう。実はそんな『移民の歌』だが、偶然か狙ってかDCとマーベルの2大アメコミ巨頭に関わる歌となっている。今日はそんな『移民の歌』とアメコミの関係性について考えたい。 そもそも『移民の歌』とは。1970年にレッド・ツェッペリンによって発表された。作詞作曲はジミー・ペイジとロバート・プラント。演奏時間2分20秒。レッド・ツェッペリンを代表するヒットナンバーである。独特のイントロと忘れられないシャウトから始まるからみんな一度聞いたら忘れられないんじゃないかな。前述の通り、今までにいくつのテーマソングになったんだろう。Wikipediaによればプロレスラーのブルーザー・ブロディ、真壁刀義、東北楽天ゴールデンイーグルスの細川、NFLのミネソタ・バイキングが使用しているらしい。ひとつの曲でこれだけ使われるのはなかなか珍しい。どうしてこんなに使われるか。それは歌詞の中身が男らしいからだと僕は思う。Ahh-ah, ahh-ahWe come from the land of the ice and snowfrom the midnight sun where the hot springs blowThe hammer of the gods will drive our ships to new landsTo fight the horde singing and crying,Valhalla, I am comingリズムを無視して文法的に正しく訳すと我々は氷と雪の大地からやってきた熱泉が吹き出す白夜の大地からやってきた歌い叫ぶ大群と戦うために神々の 槌が我々を新大陸へと駆り立てる「ヴァルハラよ、今いきます」雄々しい歌だね。まさに「闘いの歌」って感じ。しかも最後に「ヴァルハラよ、今いきます」ってあるのがカッコいいよね。ヴァルハラっていうのは北欧神話である主神オーディンの館のこと。戦士たちの霊は死んだ後にここに集められるという。つまりヴァルハラに想いを寄せるということは「闘いで名誉の戦士を遂げることを厭わない」という超人的、現代の価値観からしたら異常とも言える考えということになるね。その超人的な考え方が『ソー ラグナロク』にも当てはまっている。詳しく書くとネタバレになるから書けないんだけど、話の中身と『移民の歌』は合致してる。まあ、ソー自体が北欧神話をベースとしているからテーマソングとしてはピッタリなんだよね。 一方のDCの方と『移民の歌』はどう関わりがあるか。ワンダーウーマンと関わりがある。ワンダーウーマンがDCEU(DCエクステンドユニバース)に初登場したのは2016年の『バットマンVSスーパーマン』だった。バットマンとスーパーマンという人と神の戦いという構図に出てきたもう一人の神様的な存在。構図を崩しにきたのかお前は、などと言われることなく見せ場をバシッと作って帰って行ったワンダーウーマンに話題はかっさらわれた。その時に流れていたテーマソング。このサビの部分が『移民の歌』に似ているのである。ワンダーウーマンは地球の守護者、誇り高き女戦士、ゴッドキラーとなかなかなハイスペックキャラクターなんだけど出身はアマゾン族ということで機械化文明を知らない。WW1時も弓と剣で闘う感じだ。はあー、テレビもねえ、ラジオもねえ、といった生活をおくるアマゾン族だがワンダーウーマンは「おらこんな村いやだー」と嘆かず潔く暮らしている。それでも彼女らに文明と秩序はあり、道徳と信仰を持っている。ワンダーウーマンとは「高貴な蛮族」なのである。それは古典的なキャラクターであり、たとえば『白鯨』に出てきたクィークェッグなんかもそれに該当する。全身入れ墨、ピアスだらけで言葉も通じづらいが南の島の王族出身で独自の信仰と高潔な精神をもっている。 話はもどるけど、『移民の歌』は北欧バイキングが荒々しくそして潔く荒波に飛び出し西を目指す歌である。彼らは野蛮だが文化をもつ誇り高い戦士である。そういった部分と、先程説明したワンダーウーマンの要素がリンクするのではないかと思った次第である。