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たか坊のブログ

スクリーン印刷の資材・機械を販売している商社を経営しています。

日々の日報を兼ねた記事をUPしています。

先日ナイロンボンドの生地を書いたせいか、関連のお問い合わせを大量に頂きましたニコニコ

で、撥水生地にプリントする場合を、プラスチゾルインクの場合だけではなく、全般的な内容で纏めてみたいと思います。


まず、基本的に撥水処理された生地には「無理してプリントするのだ」という事を頭において頂きたいのです。

撥水には、その「濡れ性」の違いによって、弱撥水・撥水・強撥水・超撥水などなど有りますが、どれも

「くっつこうとする物を、はじこうとする」加工ですので、

インクをくっつけようとしても、基本「はじこう」としますガーン

と言う訳で、撥水という物は、元の素材がなんであれ撥水は撥水ガーン


「綿なんですが」とか

「ポリエステルなんですが」とか

「ダイヤモンドなんですよ。えっへん」とか言われても撥水は撥水ガーン




でも、だからと言って、撥水加工されたものには絶対にプリント(密着)できません、と身も蓋もない事を言ってはいられないですねガーン


で、撥水にプリントするためのインクを選ぶに際して重要なのは


1.濡れ性によってインクを選ばなければならない

2.1液でくっつくインクは「無い」

3.自然硬化するインクは数少ない

4.それなりにおかねはかかるガーン


という事です。



まず

1については、これまで書いた事で大体はお分かり頂けると思います。

で2についてですが、

水性バインダーや、プラスチゾルインクなどもともと水系のインクはもとより、溶剤系のインク(油系)も同様で、硬化剤を必要とします。
で、この硬化剤と言う物ですが、私的には「硬化促進剤」とか「硬化補助剤」と言った方が良いと思うのです。
なぜかと言うと、これらの硬化剤を添加しても、元のインクの乾燥条件、特に温度は変わる事は無いのです。

水性バインダーももともとは密着性を優先するならば熱硬化が本来の姿で、プラスチゾルインクはメーカーや品種によって微妙に変わりますが150度から170度を必要とします。

硬化剤を添加したからと言って、常温で良いという事は有りえません。

「ナイロンジャンパーは熱に弱いよ。縮んじゃうし」

と問われると、正直

「しょうがないですね。縮ませて下さい」と言わざるを得ないガーン

そこを、

「120度で大乗ですって。だからこのインク買って下さいね」とは私には言えないガーン


しいてお話しするならば
「放射温度計などで温度を管理して、150度なら150度で一度生地を縮ませてからプリントして下さい。二度目、三度目はほとんど縮まないです」
とお話しするしかありませんガーン

ちなみに前半の「放射温度計などで温度を管理して」という部分がポイントで、そりゃあ、180度とかになっているのを知らずに作業するからどえらく縮むのでしょう、という事でして。

で、次に3

ここで便利なのが「自然乾燥で使える、撥水生地用のインク」です。
「そんなのがあるなら早くおせーろよ」と言う声がどこからか聞こえてきそうですがガーン

これは次の4と深くかかわりが在ってですねガーン

例えば最低1~5kg単位のインクです。それも色ごとにガーン
勿論弊社では各方面に納めさせて頂いていますが、スキーウェアやマリン関係のお仕事を専門にやられている方にお届けしています。それなりの使用量がある場合の方が多いです。

と言う訳で、全然まとまってないかもガーンガーン


スタンスのホームページ
寒くなってきたのでジャンパーやブルゾンの季節です。

と、無理やり本日のお題に関連させてみますガーン



ナイロンのジャンパーと言えば撥水加工されているのが常ですが、Tシャツやポロシャツなど、綿100%やポリエステル混紡(100%も含む)などの生地と違って、撥水加工されたナイロンの生地には普通はインクが密着しません。

別の記事で書いたので詳しくはそちらをご覧頂ければと思うのですが、撥水加工された物質に何かをくっつけようとしても、その「接触角」が小さくなるのでくっつかないのです。説明をとっても簡略化しましたガーン


とにかく、水性バインダーは勿論、プラスチゾルインクも溶剤型インクも接着しづらくなります。


今回、御相談頂いたお客様は、普段、プラスチゾルインクをお使いで、弱撥水のナイロンブルゾンに印刷したのだけれど、他販売店から「ナイロンボンド」を購入して使用方法通りプリントしたそうです。

そうしたら、剥がれたそうですショック!


プラスチゾルインクは、ナイロンボンド を添加して使用することで、撥水繊維にも密着させる事ができます。
が、撥水の度合いも問題なので、超撥水など、撥水度合いが強くなれば密着しない事もあります。
しかし、お聞きしたところ、今回のブルゾンはわが社の経験上でも問題なく密着可能なものです。

実は、このお客様、以前わが社にお問い合わせ頂き、わが社からナイロンボンドをご購入になられたいとの有りがたいお申し出を頂いたお客様。

しかし、現在お使いになられているプラスチゾルインクは、わが社で取り扱っていないメーカーでした。
原理上では問題は起きないと解ってはいたのですが、念のため
「わが社で検証が取れていないので。これまでインクをお買いになっているお店から、検証の取れているものをお買い求め頂いた方が万全ですよ」とお話していたのです。


通常、この種類の商品は、プラスチゾルインクメーカーで微妙な違いは有れど用意されています。

ただ、シアノ系のものなので、空気中の水分を吸収すると劣化(硬化)が始まってしまいます。
ですので、容器を開け閉めする度に劣化が進行します。
この度合いは商品によって微妙に違うので、わが社ではユニオン社のナイロンボンドをお勧めしています。


さて、戻って、先のお客様は、購入先に「どうして剥がれるのか」を聞いたそうなのですが、お答えは次の通りだったそうです。


・ナイロンボンドを添加してプリントした後は、熱乾燥後「5日経たないと」硬化しません

如何なもんでしょうかはてなマーク

お客様は困っておられました。5日間も商品を放置しておかないなんて、仕事にならないショック!

私もそう思います。それに、そのような条件が在るのなら、事前にお客様に説明しておくべきです。


このお客様にはナイロンボンドとエクスキャリバーインクのサンプルを少量ですが送らせて頂きました。
今お使いのインクの検証が取れていないので、エクスキャリバー+ナイロンボンドでの密着を確認して頂いたうえで、お持ちのインクにも添加してお試し頂こうと思ったからです。



このブログを書き始めた頃は、結構他社さんの批判を書いたりしていましたが、最近は温厚になっていたはずなのにガーン今の私はとても、腹にすえかねています。


実名は出しません。が、


販促の為でしょうが、ネット上に色々な動画を載せている時間を、少しでも自社商品の検証などに当ててみたらいかがでしょうか?
プリントスクールを開講しておられますが、本当に大丈夫ですか?


撥水にプリントされようとしている方々。
乾燥条件・使用方法など、念入りにお聞きの上ご購入なられた方が宜しいと思います。


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今日は車の調子がおかしいので、経った今修理工場に預けてきましたガーン

で、外回りもままならないので事務所で色々作業をしております。


「シルクスクリーン印刷は水と空気以外何にでも印刷可能です」ニコニコ

まぁ、厳密に言うとそうでもないんですがガーン


では

「一度シルクスクリーン印刷すると二度と剥がれません」

は如何でしょうかはてなマーク


この問いはとても微妙ガーン

素材に対して、適したインクを使用していれば、この問いは正しい事になりますが、全く不適切なインクを使うといとも簡単に取れてしまいますガーン


接着の原理を応用すると、印刷物とインクが化学反応を起こす結合であれば、剥がれる事は無く、

もし剥がれたように見えたとしても、それは印刷物が破壊されているだけです。これを「被着剤の破壊」と言います。

適さないインクを使って剥がれた場合、これは印刷物とインクの境界面で剥がれているので「接着破壊」と言います。

もう一つ、接着はしたけどインク表面が薄膜の様にこそげ落ちてしまったようなガーン
これは「凝集破壊」

簡単な例をあげると、

紙用のインクでステンレス板に印刷しました。

剥がれますガーン


紙とステンレスが全く違う物質という事は容易に想像できますガーン

この場合、ステンレスに刷ったインクが剥がれたのは「接着破壊」


紙に、ちゃんと紙用のインクで刷ったんだけど、爪でガリガリ擦ったら取れちゃったよ・・・という場合

これは紙が壊れている「被着剤の破壊」

ちなみに「取れちゃったよ」ではなく「あんたが無理しゃり取ったんでしょビックリマーク」って事ですねガーン



さて、わが社の得意な繊維製品に使うタイプのインクはどうでしょうかガーン

繊維にも綿・ポリエステル・ナイロン・レーヨン・・・・・・色々な素材が有りますから、適したインクを使えば「接着破壊」は起きません。
勿論無理しゃり擦ったら被着物の破壊、すなわち糸がボロボロになってしまいますガーン



でも、そうしても取りたい時って有りませんはてなマーク


そうです、これが今日の本題ですガーンなが.....


はい
完全に固まったプラスチゾルインクにはこれ


たか坊のブログ-eクリーン21



そして、
完全に固まってしまった水性バインダーにはこれ


たか坊のブログ-ウルトラクリーン


印刷に失敗してしちゃったけど、新しい素材を用意するには時間が足りないよ

とか

版に小さな穴(ピンホール)が空いていて、余計な印刷ができちゃった部分があるよ

とかいう時に

インクを接着破壊させますニコニコ
ようは、綺麗に落とせます。


但し、ただしです

これを布などに含ませて擦っただけでは完全に落ちませんガーン
と言うのは、繊維製品は「編まれた」ものです。細かい糸の間に入ったインクをほじりだす事が必要になってしまいます。

そこで

これ



たか坊のブログ-染み抜きガン

この「がん」を使うと簡単に取れます。


先日もお聞きになられた方がいらっしゃられたのですが、

ホームセンターや画材商で販売されている塗料を吹き付けるタイプのものでは無理ですガーン
必ずお話しするのですが、塗料用のスプレーを買うのであれば損を覚悟で試して下さいねってことになりますガーン

決して安いものではないんですが、お仕事として長い事お使いになられるのであれば相応の価値のあるものです。

eクリーン21はこちら

ultraクリーンはこちら

スプレーガン(染み抜き用)はこちら

ガソリンスタンドに寄ると、そろそろタイヤ交換を勧められる季節になってまいりました。
でも、まだ換えません。まだまだ換えません。いくら北海道でもまだ換えませんガーン

ちなみにタイヤ交換位自分でやりますしガーン

でも、朝晩は本当に寒くなってきまhしたよ、北海道は。


本日はちょっとした御連絡事項をば。


少し前に販売開始した「水性顔料Pシリーズ

オールマイティーバインダー3種類と併用して頂ければ、パントンカラー100種類(実際はそれ以上ですが)のシルクスクリーン用水性インクが作れる顔料ですが、わたくすの説明が足りなかったせいで、御遠慮なさっていた方がガーン


この水性顔料Pシリーズは12色全部をご購入頂かなくても「Panton混合表」をダウンロードしていただけますニコニコ

ちなみに下記のいずれか1点でもご購入頂いた方、または以前に弊社からご購入頂いている方には、ダウンロードのページにへの入室パスワードをご請求頂ければ対応させて頂いています。

・オールマイティーバインダー3種のうちいずれか一つでも
・水性顔料Pシリーズのうちいずれか一つでも
・従来の水性顔料のうちいずれか一つでも

なのですニコニコ

いずれかに該当する方は下記のページの半ばにある「ダウンロードパスワードを発行する」という部分をポチっとして下さい。メーラーが開きますのでニコニコ

http://www.web-stance.com/suiseiganryou.html


ちなみについさっきまで、リンク先のメールアドレスを間違えて設定しておりましたガーン
これまで試みてエラーで戻ってきてしまっていた方がいらっしゃいましたら、大変申し訳ありませんが再度試みて下さいショック!


これまでも時々
「こんな色は水性顔料の何と何をどのくらい混ぜれば良いんですかはてなマーク
という質問を頂いた事が在るのですが、
私はシルクスクリーンの資材を販売してはおりますが、美術の教員免許は持っておりませんガーン
どちらかと言うと、学生時代は音楽や体育は得意でも絵はダメでしたガーン

それでも、師匠にあたる、地元の某大学の某先生(シルクスクリーンでは有名な)に聞いてみたら

「色作りなんて自分で努力せいビックリマーク

と、かる~くあしらわれちゃいましてガーンこんなもんで良かったら、使えないでしょうかはてなマークという事でございます。



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そろそろネクタイを締めないとだらしなく見える季節になってきたので、暫くぶりにブレザーを買ってきましたガーン

たか坊は夏場はノーネクタイで仕事をしていますガーン
そして、スラックスはインクまみれですガーン
だって、お客様を回っているとすぐにインクがついてしまうからガーン

でも、段々涼しくなってくるとネクタイを締め始めます。



ほんとに時々ある質問について

「子供用のシャツに、シルクスクリーンプリントして大丈夫ですかはてなマーク」っていうの。

どうやら、プリントをして欲しいというお母様方から、時々このような質問があるそうな。


子供の健康が何よりも一番ならば、まっさらなシャツを着せてあげましょうガーン


そりゃそうでしょうガーン

「うちの子、なんでも口に入れる癖があるんです」

なんて場合は特に、まっさらなシャツを着せてあげましょうガーン


「うちの子、卵アレルギーなんですが、プリントしたシャツ着せて大丈夫ですかはてなマーク

って、卵黄が原料のシルクスクリーンインクってのは聞いた事が無いガーン
でも、心配なら

まっさらなシャツをきせましょうガーン
お医者さんにはインクの事は解らないが、私にはアレルギーの医学的知識は有りませんガーン



としか言えないですよねガーン



とてつもなく極端な例を書きましたが、何を言いたいのかって言うと、

繊維製品に対してに限らず、シルクスクリーンプリント加工をするという事は、被印刷物に異物を接着する事です。
被印刷物単体の安全性が確認できていて、そしてインクの安全性を確認できていても、
口に入れたらいけないものはいけないガーン


こんな話をしだした訳は、そうです


「水性バインダーはプラスチゾルインクより安全だよ」とか、
「フタレートフリーのプラスチゾルインクだから大丈夫だよ」とか、

自分本位な説明をするのを時々みかけるからですなガーン


特に言われる「フタル酸エステルを使っているプラスチゾルインクは危険なのはてなマーク
転じて「フタル酸フリーのプラスチゾルインクは安全なのはてなマーク

って話ですが、


はっきり言うと、フタル酸が危険なら、人間はフタル酸が混ざった物だらけの中で暮らしている事を知って下さいとなりますなガーン
いや、私はフタル酸を作っている所のまわし者ではございませんがガーン

PVC、いわゆる塩ビという物は可塑剤があるから柔らかい。
可塑剤が無ければ色々な硬さの製品は作れない。

電源コードのビニール被膜だって、可塑剤が入っているからグネグネ曲がる。

という事を知って下さいねガーン


フタル酸はその可塑剤の一種類にすぎませんが、フタル酸エステルについてはここが参考になります。

塩ビ工業・環境協会のホームページ



ついでに、可塑剤という物には様々な物が在って、

可塑剤Wiki



フタレートフリーのインクはこのうちのどれかを使って作られています。それらの安全性を確認する必要もありでしょうガーン



ついでと言っては何ですがガーン

じゃぁ「水性バインダーは水性だから安全です」ってのも、何をもって安全と言うのかって事ですねガーン

水性バインダーが「水性」と言うのは、簡単に言うと「水で薄める事ができるから」
度々書いていますが、だからといって「水で薄めても良いか」ってのと話は違いますがガーン


水性バインダーは「親水性樹脂で顔料をコーティングした塗料」と定義されます。
ですので、本体は「樹脂」ですから、勿論口に入れちゃいけないですなガーン

ペンキ等に見られる「油性塗料」は、「疎水性樹脂で顔料をコーティングした塗料」です。



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