今一度持続可能な社会を考える | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

シュリ・クリシュナジとシュリ・プリタジ夫妻は俳優のヒュー・ジャックマンや 自己啓発書作家で元米国大統領や経営者のコーチであるアンソニー・ロビンズを始めとする、世界中のトップリーダーや大富豪のメンターとして絶大な信頼を集めていらっしゃるインドの経営者であり自己啓発家です。
 
私が参加している宝石店のセミナーの社長夫妻が3回に渡り、彼らのセミナーに参加し、そこで学んだ情報をお伝えして下さるのですが、先日、インドで行われた短期留学の様子をお聞きしました。
 
中でも印象的だったのは、シュリ・クリシュナジとプリタジのお嬢さんのロカさんの事。
 
ロカさんは現在高校生ですが、持続可能なコミュニティー作りをされており、既に1つのコミュニティーが出来上がっていらっしゃるとか。
 
その活動の元になったのはロカさんが幼い頃、知り合いの方から誕生日プレゼントを贈られた事から発します。
 
多くの大人は子供が何か貰ったら「有難うって言いなさい」とか「有難うって言ったの?」と言いませんか?
 
しかし、プリタジさんは、プレゼントを貰って大喜びしていたロカさんに「貴女はプレゼントを貰ってどんな気持ちになったの?」と聞いたのだそうです。
 
するとロカさんは「とても嬉しい。」と答えたそうですが、その答えを聞いて「では、この贈り物は貴女を幸せな気分にしてくれたのね。幸せにしてくれて、どうしたいと思った?」と言う様に、自然と心から感謝の気持ちが沸きあがる様導いていったそうです。
 
それからロカさんは外出をする際は、「この道路は誰が車が走り易くしてくれたの?」「材料は誰が運んでくれたの?」等々、周囲の人を質問攻めにしたそうですが、この様な経験を重ねる中、自分の周りにあるモノは決して当たり前ではない事、身に着けるモノや使うモノ1つを取っても様々な人の手を経ており、全て感謝が詰まっている事を学んでいったそうです。
 
皆さんもご存じの通り、インドには今でもカースト制が残っています。
 
ロカさんはこの感謝の思いを少しでも多くの人に分けてあげたいと言う気持ちから持続可能な社会を作りたいと思い、コニュニティーを作る事にしたのだそうです。
 
実際にロカさんが作ったコミュニティーは、カースト制の最下層にいる子供達も勉強が出来、インフラ整備も整って、カラフルな可愛らしい住宅も建っていて成功をしているのですが、実は、ここからが、私達が考えさせられてしまいます。
 
私達が貧しい国に手を差し伸べる時、先ず彼らに仕事を与え定期的に安定した収入を得られる様にしようと考えませんか?
 
このコミュニティーでも安全な水や電気を供給する事で、設備を調整する仕事や施設の周りを清潔にする等の仕事を彼らに与え、安定した収入を得られる様にしようとしているのですが、2,3日すると彼らは仕事に来ない日があるのだそうです。
 
「どうして来なかったの?」と聞くと「来たくなかったから」と答えるのだそうです。
そこで、「何か行きなくない事でもあったの?」と聞くと「今日は働きたくなかったから」と言う答えが返ってくるのだとか。
 
やりたくなくても仕事をするのが当り前になっている私たち感覚からすると唖然としてしまいますね(笑)。
 
でも、彼らに言わせると、貧しい事に対して不幸だともなんとも思っていないのだそうですよ。

お腹が空いたら木の実を食べたり、お洒落な服じゃなくても皆同じような恰好だし、別に良い職に就いていなくても、潤沢な収入がなくても、毎日生きるのが楽しいのだそうです。
 
好きな時に好きな事をして、働きたくなったら働く。
今、この時が幸せで、その幸せな今が、今、今、今と続いている。
これ以上の幸せって何?と言うのが彼らの観念なのだそうです。
 
この話を読んで「でもさぁ、将来心配じゃないの?」「老後破綻とかさぁ…」と思った方もいらっしゃるかと思います。
 
でも、それは経済の発展を目指して、これまで追いつけ追い越せで経済大国にのし上がった先進国の人達の概念です。
 
彼らの両親もお祖父さん・お祖母さんも皆同じように暮らしてきて、年金問題も老後の心配もなく生きて死んでいった訳ですから、将来の不安もないのでしょう。
 
お金さえあれば安心。モノがあれば幸せ。
今の生活が当り前になると欲が生まれます。
 
もっと良い生活がしたい。もっと、もっと、もっと…。
 
これが先進国の人達の生活です。
 
その結果どうでしょう?
 
普段特に気にもしませんが、私達は不安も何もない世界に住んでいるでしょうか?
私達は完全に幸せでしょうか?
 
将来病気にならない様に健康食品を買う、病気になったら困るから保険に入る、可愛くないと彼氏が出来ないから人よりいい服を買うetc・・・・私たちの経済活動は、不安をベースに経済が回っています。
 
世界的大富豪と呼ばれる人達が、こぞってプリタジ夫妻のセミナーを受けに行く。
富や権力を手にいれたのに不安だから、何か満たされないから…これが私達の思う幸せ?
 
少なくとも、ロカさんのコミュニティーの方の方が貧しくても幸か不幸かと言えば幸福度は高いでしょうね。
 
因みに、最下層の方たちは、本来ならヒンズー語も話せないのだそうですが、こちらのコミュニティーではヒンズー語だけではなく英語も勉強しているのだそうです。
 
そこで勉強の出来る子達をちゃんと学校に通わせようと勧めると「学校の勉強をして何になるの?」「自分は毎日がとても楽しくて幸せだし、親も皆こうして幸せに生活しているのに、勉強をする事で何か良い事があるの?」と聞くのだそうです。
 
ロカさんの事業を通じて、ベルエトワールさんではインドの南東部にある村にクリーンウォーターシステムの寄付をされたそうで、その村を訪れたそうです。
 
現地の方に案内され村を見学しながら、現地の子供達と触れ合った社長夫妻ですが、ご夫妻が翌日も訪れると「フレンド、フレンド」と言いながら子供達が集まって来たそうです。
 
どういう意味なのか聞いたところ「友達になっていい?」と言う意味なのだとか。
 
「もう友達だよ」と伝えて貰うと嬉しそうにニコーっと笑うのだそうですが、本当にこういった小さな事を心から幸せと思える彼らの幸せ度数は私たちと比べ物にならない様な気がします。
 
私は彼らの幸せと私達の思う幸せを比較しようとも思いませんし、どちらに優劣があるとも思いません。
 
でも、私達が思う持続可能な社会を押し付けるやり方はどうなんだろう?とも思うのです。
 
確かに命に関わる様な最低限のインフラの整備は必要ですし、それを管理する事は大事です。
 
でも、物があれば、お金があれば幸せと言う価値観はまた別です。
むしろ、彼らには、そのやり方を押し付ける事が幸せを奪う事だったりしていませんか?
 
これまで、多くの企業が後進国の人達に安定した収入を稼げる様に仕事を与えて来たと言う報告を聞く度に、社会貢献をしている様な気になっていましたが、それによって奪われるモノが確かにあると感じました。
 
彼らが伝統的に持ってきた価値観
自然やそこに住む動植物等自然環境の破壊
 
例えばアフリカのある村でPJを行い未開の地をここまで豊かにしましたとCMで放映されて、私たちは良いことをしていると思い込んでいます。
でも、貧しいことが不幸と思うのは先進国の人間の価値観で、彼らは不幸だったのかどうかは分かりません。
 
それに森林破壊によって干ばつが続き砂漠化されるなど環境破壊が進んだ事を考えると、彼らの土地を破壊し、地球を破壊することが果たして良かったのでしょうか?
 
先日、担当の美容師さんから伺ったのですが、エコバックが流行っていますし、よく何かのおまけにエコバックを頂く事がありますよね?
でも、そのエコバック1枚作るのにコンビニで貰うビニール袋何千枚、何万枚というエネルギーが消費されているのだそうですよ。
 
裏を返すと良い事ばかりとは言えませんね。
 
私の職場でもそうですが、SDGsを推進し、多くの企業ではバッヂを常に着用する様に指導されます。
 
でもロカさんが先ずは自分の周りにいる人達から幸せになって欲しい、そしてこの輪を広げていきたいと、自分が十分幸せでありその感謝の気持ちから、周りの幸せを願って活動をされているのを見ると、企業の推進するSDGsは社会的な動きや企業イメージを考慮したモノと、純粋なものだけではない、何か不純物の混ざった行為であると感じてしまうのです。
 
言うが易しではありますが、私達は社会がこういう動きだから、と何でもかんでも従うのではなく、多くの考えがある事を尊重しながら行動していくのが望ましい様な気がするのです。


※今月末クリシャナジとプリタジのセミナーに参加する事になりました。そこでの気付き等シェア出来ると嬉しいです。