皇帝のパンケーキ「カイザーシュマーレン」 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

皇帝のパンケーキ「カイザーシュマーレン」

 


1年4ヶ月続いたラノベ「ハプスブルク家物語」ももう直ぐ終り。

ラノベの中では、中々キャラの濃かった(?)フランツ・ヨーゼフも、次のシリーズではお亡くなりに・・・。

 

・・・と言う事で、先日レストランさんにお邪魔したところ、偶然にもデザートが皇帝のパンケーキと言う名前の「カイザーシュマーレン」です。

 



話しは逸れますが、ここ1、2年程、時々起こる事を先取りする事がありまして、この日、食後の飲み物はアインシュペナー(ウィンナーコーヒー)にしようと朝から決めていたのですが、その時、ふとおでこの裏側と脳の中心部の間あたりに、ベリーを使ったカイザーシュマーレンの図が浮かびました。

 

ぐちゃぐちゃにして食べられるデザートは、レストランならでは醍醐味。

 

今日のデザートはシュマーレンも良いなぁと思っていたところ、頭に浮かんだものと全く同じシュマーレンが運ばれて来ました。

 

ウィーン風のパンケーキはスフレの様にふわっふわ。

卵の優しい香りがする素朴なデザートです。


細かい切込みがされているので、ゴツゴツと岩の様ですが、クリームと絡み易く、それがかえって食べやすいんです。

 

公私とも苦労の絶えなかったフランツ・ヨーゼフが好きだったカイザーシュマーレン。

孤独な食卓では味気なかったかも知れませんね。

 

 

前回の「おこっぺシリーズ」のブログで牛・豚は殆ど食べないと言っておきながら、アミューズは佐助豚のゼリー寄せです。

南瓜の種のオイルとゆで卵のソースと一緒に頂きました。

 


↑ヘレンドの食器と共に


今回は、久し振り全ての食事をワインと共に。

アミューズは、ブリュンデルマイヤーさんのブリュットと共に。


シャンパーニュ方式で作られているスパークリングですが、シャンパーニュと違ってバラつきがなく、常に安定した味わい。シャンパーニュで言う「ゴッセ」の様な味わいです。

これがまた、美味い!! クゥ~喉元に染みわたる。

 

前菜は、岩魚と春野菜のサラダ。こちらを、セップモーザーさんのグリューナーヴェルトリナーと共に。

 






岩魚もさることながら、野菜が美味しい。

塩加減が良い塩梅な事もありますが、焼くと言うシンプルな料理なのに素材の旨味が引き出されているのは、さすがプロ。料理って奥が深い。

 

最初の1口をナイフで切ると、岩魚の下にはポテトサラダ風のサラダが隠れていました。

見えない所にも凝っているのがハプスブルク風なんですかね。

 


↑こんな感じ。サラダを写したくて岩魚を敢えて退かしちゃいました。


マリーアントワネットが表面はシンプル、一見シンプルなんだけど見えない所に細工があるモノが好きだったと言われていますが、お料理もこれ見よがしに飾らないけれど、隅々まで随所に丁寧なのがハプスブルク流なのでしょうね。

インスタ映え等は意識せず、こういうのが真のノーブルなんだと思う。

 

トーストにはポテトサラダを載せて。

 

ワインはしっかりとした飲みごたえのあるスパークリングの後なだけに、最初はインパクトの弱さを感じるものの、レモンやグレープフルーツの様な爽やかな柑橘系の香りがするスッキリとした味わいのワインです。

 

今回は、ホワイトアスパラの香りを楽しむ為に、スープにワインはなし。

 




玉ねぎなど香味野菜の香りがフワッと鼻先に感じた後は、ホワイトアスパラの甘味と香りがしっかりと口中に広がります。

フランス産のアスパラガスですが、ウクライナ紛争の影響で、食材を空輸するにも遠回りするしかなく鮮度の関係で手に入らない食材も出てきているとの事。

キッチンスタッフの皆さんは大変です。

 



メインディッシュ前のソルベはブラッドオレンジを使ったソルベ。

ほろ苦さもあり、春先にぴったりの一品です。

 

メインは真鯛のソテー。

ザワークラフトをパプリカで煮込んだソースに押し麦を加えたソースと共に。

前回もザワークラフトをパプリカで煮込んだソースでしたが、食材は同じですが全く味も表情も違います。

 



パプリカで煮込むと伺って、ワインを赤で合わせて頂いたのですが、2? 2kg?…どっちだったか忘れましたが、兎に角、立派な鯛をおろすところ調理が始まりました。

ワインを選ぶ時が、まさに鯛をおろしている最中でして、脂のノリに合わせてピノノワールにするかサンローランにするか迷いどころ。

 

脂の乗った最高の鯛に合わせたのはブリュンデルマイヤーさんのピノノワールでした。

このピノノワールはどちらかと言うとイタリア寄りの味わい。

これが意外と進んでしまうんです…お料理が来る前に結構飲んでしまい、料理用にもう1杯追加。

今まで私がワインが好きだとスタッフさんから聞いていたとは言え、禁酒期間に入社したサーヴィスのS君。

「ワインを飲まれているところを初めて見ましたけど、本当に召し上がるんですねぇ」と驚かれていました。

 



鯛もフワフワでジューシー。

鯛独特の臭みも無く、滅多にお目にかかれない位美味しい鯛でした。

 



最後はアインシュペナーで〆て・・・。

寒の戻りの寒い夜は、やはりアインシュペナーで決まりです。


今回は投稿が続き、いつも閲覧して下さる方々には多忙をさせてしまい、失礼しております。

ラノベの記憶が途切れない様、続けての投稿をお許しくださいませ。