グランマニエとあまおうの高貴な出会い | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

パンやお菓子類、パスタなど粉類を使った料理をオーストリアではメールシュパイゼと言いますが、ハプスブルク家の厨房にはこの粉物専用の料理部門がありました。

 

お菓子やパイ・パン等はどこの国の料理にもありますが、珍しいのがクヌーデルと言われる茹でたお団子。

クヌーデルはソースと共にメインの付け合わせにも使われますし、デザートにも使われます。

 

お団子と言っても、日本のモチモチしたお団子とは食感が異なり、どちらかと言うとイタリアンで言うと「ニョッキ」、日本なら「すいとん」の様な感じです。


パスタも1つ1つ手作りの生パスタが供される事を考えると、やはりハプスブルク家が北イタリアを統治していた事がお料理やデザートからも忍ばれます。


さて、今回デザートの説明を聞いたら、クヌーデルと言う。

申し訳ないけれど、クヌーデルと聞いた途端、テンションが下がった。

 

特に好んで食べたいと言うシロモノでもないし、どちらかと言うと同じ粉物でも、ケーキ類とかパラチンケン(=クレープ)やパンケーキと言った類の方が断然嬉しい。

 

今回も料理はどれも文句なく美味しかったが、とうとうメインのお皿も下げられデザートがパティシエさん直々に運ばれてやってきました。

 




デザートの説明を聞き、先ずはグランマニエに漬け込まれた「あまおう」を一口。

 

グランマニエはオンレジの風味のリキュールですが、これが、あまおうと中々合うんですよ。

どちらも香りが豊かですが、グランマニエの香りを纏ってとても上品な苺に。

 

苺って実はバルサミコとも合うんですが、グランマニエ、良い!

 

さて、そぼろ状になった甘い香りのする生地に包まれたクヌーデルにナイフを入れると、このクヌーデルはトロリと柔らかい。

あまおうを包んだ贅沢なクヌーデルです。

 



通常、ムチムチした感じのクヌーデルで供される事が多いのですが、お団子が中までソースの味が染み込まないのと同様に、しっかりした硬さのあるクヌーデルはどうしてもソースとの一体感に欠け、素団子を噛む瞬間が何度か訪れてしまうのですが、苺とそぼろの繋ぎ程度のクヌーデルの為、ソースも合わせてかえって全体を上手く纏めている印象に。

 

クヌーデルの概念が覆された・・・・。

 

もぉ、何といっても、あまおうとグランマニエの名コンビ(クドイようですが)ホント良くて・・・・やはり最後を飾るデザートは大事です。

 

 

この日の訪問は218日と未だ未だ寒さも厳しい週末でしたが、ほんの少しだけお皿の上には春の兆しが・・・・。

 

アミューズは、カリフラワーのスープと3種類の葱のソースを載せたマグロです。

おろしたチーズっぽく見えるのはホースラディッシュ。

 




質の良いマグロだけに山葵醤油で食べたいところですが、ソースで食べさせるのでなく、マグロに程よく塩気が浸透していて、11つの素材が完璧に出来上がっています。

その単体でも十分美味しいパーツを組み立てて1つの料理にしていくのがオーストリア料理。

この小さなお皿にもオーストリアらしさが感じられます。

 




前菜は牡蠣とホワイトアスパラガスのフリット。

アスパラガスは季節先取りでフランス産。まだ奔りなのでエグミも殆ど感じられません。

アスパラは、さっと湯がいて、衣のセモリナ粉が色付いたら油から揚げ、余熱で中まで火を通すと言う様に3段階に分けて火入れがされているだけに、ナイフを入れた時はホクっとした感じですが、食べるとしっとり柔らかい。

 

牡蠣はスパイスを混ぜた衣で、軽くスパイシー。

微かに甘味のある卵のソースに、2種類の触感の違うフライを楽しみました。

下に敷かれているのは、ブロッコリーの葉をカリッと揚げたものです。

 



コンソメスープに浮身はパン生地にグリンピースやチーズ等を混ぜたもの。

浮身がしっかりしているのでコンソメは軽めの仕上がりに。

グリーンピースの味わいか、何か懐かしい・・・日本の料理で食べた事がある何かに味が似ています。パン生地もリッチです。

 



ソルベはアプフェルシュトゥデューデルをアイスに。

なんとアプフェルシュトゥデューデルの材料が全部入っているのだとか。

林檎にシナモン、パイ生地は当たり前ですが、フィリングに入っているレーズンとパン粉もきちんと入っているとの事。

 

ねっとり感のあるジェラートの様な食感が堪りません。

林檎の酸味がちゃんと残っていて・・・・これ1パイント、そのまま欲しい。

思わず、レストランアイスクリームとして、何種類かカップ販売して欲しい!!

 

前回ワインを飲んじまっただけに、今回もメインはワインと共に。

 




メインは真鯛のソテーと下に敷いているのはザワークラウトをパプリカを使って煮込んだもの。

ディルの爽やかな香りがアクセントになっています。

 

最近、若干ベジタリアン寄りの私。

このザワークラウトだけでもOKだなぁ。

 

さて、ザワークラウトから若干甘味がありながらコクのあるソースに合わせたのが、オーストリアのカンプタールと言う所に本拠地を置くユルチッチ・ソンホーフさんのグリューナーヴェルトリナー。

 

おおっと、ボトルをみるとナント、マグナムじゃないですか!!

 




普通のボトルと比べると、大人と小人


シャンパーニュのマグナムは見るけど、ワインは結構少ない。

シャンパーニュはマグナムの方が美味しいのですが、ワインもやはりマグナムは美味しいです。

 

瓶詰めされてもゆっくりと熟成する為、味に深みが出ます。

それと、ユルチッチさんのワインは葡萄のポテンシャルも高いのか、開くとリンゴや黄色系のフルーツの香りが出るのですが、酸がしっかりしているので閉じ気味。

還元的なところから来る鰹節の様な還元香があって、少しシャンパーニュにもある香りの要素が感じられます。

 

Time Waverによると私はアルコールは余り飲まない方が良いらしい。

これまで散々色々なワインを飲んで来たし、別にアルコールは無ければ無いで過ごせますが、やはり美味しいお料理には美味しいワインがあった方が楽しい事を実感。

 

まぁ、程々に飲む程度なら良いかな。


明日はラノベを更新します。