マイヤーリンクの心中事件② | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

ラノベ「双頭の鷲―ハプスブルク家物語―」

マイヤーリンクの心中事件②

 

 

ルドルフもまた、生まれてすぐに母親から引き離され、大公妃ゾフィーの元で育てられた。

 

待望の男の子だ。


「ルドルフをハプスブルク家の将来を担う立派な支配者に育てなくては!」

そう意気込むゾフィーにとって、シシィは有害な人物にしか見えない。

その為、シシィとルドルフは必要最小限の範囲でしか会う事が許されなかった。

 

シシィもこれ迄の経験から、ルドルフの事は国家にくれた子供とみなし、ルドルフの事を顧みる事はなかった。

 

「よーし、この子を大佐に任命しよう!」

フランツ・ヨーゼフは生まれたばかりのルドルフを抱上げ、嬉しそうに肩書を与えた。

 

「まぁ、フランツィーったら、気が早いわね」


「いいんだよ、母上。どうせいつかは大佐になるんだから。パパの様な立派な軍人になるんだよぉ~」

 

馬鹿2人っつーか、なんちゅうか・・・・しかし、これがルドルフの不幸の始まりだった。

 

つづく