溜池山王「ツッカベッカライ カヤヌマ」 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

630年と長きに続いたハプスブルク王朝。
ラノベ「ハプスブルク家物語」はこれから帝国解体に向かい、後継者が相次いで亡くなる等少し暗い雰囲気になります。

今回はちょっと気分転換。
私の好きなオーストリア菓子のお店の紹介です。

溜池山王にあるツッカベッカライ カヤヌマ。
こちらは言わずと知れたウィーン菓子(オーストリア菓子)の名店です。

10年前迄、お隣に併設されていたレストランK.U.K(カー・ウント・カー:現在は銀座ハプスブルク・ファイルヒェン)にお邪魔する際、時々、カヤヌマさんに寄らせて頂いていました。

ウィーンのお菓子屋さんを思わせる萱沼さんの外観が、最近とても懐かしく…「6年間よく通ったよなぁ」と思い出に浸っていたら、無性にカヤヌマさんのケーキが食べたくなってしまいました。

こうと思ったら直ぐにやらないと気が済まない私は、午後に有休を頂いて溜池山王へ。※2/15訪問・記

お目当てはラズベリージャムが入ったイースト菓子のブフテルンとカイザーショコラ。

が、しかし!
……ない。ブフテルンが無い!!

どうした事かと、お店の方に伺うと、現在、製造をお休みしているとの事。

うーむ…。

これじゃ、何の為に休み迄とって来たんだか。

ふと見ると、カイザーショコラは1つだけ残っているではあ〜りませんか。 

まぁ、カイザーショコラがあるだけでもヨシとしよう。

カヤヌマさんと言えば、クッキーの詰め合わせ「テーベッカライ」が有名で、この日もテーベッカライをお求めのお客様が、私の後から列をなしています。
とは言え、コロナ禍の影響なのか、ケーキ類が5,、6種類と以前に比べて大分少なくなってしまったのは残念です。

それとも行列迄出来るお店ですから、ケーキ類は売れちゃったのかしら?
因みに、営業時間は11時~16時です。
※以前は18時閉店。多分コロナ時間なのでしょう。

さて、今回は、死守したカイザーショコラとキリシュトルテを購入。

だが、しかーし!

箱に詰めて頂いている間、ふと見ると、地味~にヌースボイゲルが1つだけ残っているではありませんか。




見るからに「パン」と言った様相のお菓子
サイドから顔を覗かせているクリームはどう見てもチョコレートクリーム風なので「コロネの親戚っぽいよね」と素通りするも、これが何となく気になってしまう。
※ヌースボイゲルはお初なんです。

16時閉店ですからね、今度いつ来店出来るか分からない。
悔いを残さない為にも、ヌースボイゲルを追加購入したのですが、これが何とも美味しいんです!!!

食感は見た目通り、むっちりとしたイースト菓子ですが、1口齧った瞬間、なんとなくシナモンの香りがふぁ~んとする。

んっ⁉
ミルクチョコのクリームと決めつけてかじり付いたので、予想外の風味に思考が停止したものの、実は、シナモンが入ったアーモンドクリームだったんです。

これが、甘過ぎず…じんわり、優しい甘さ。

あぁ、こういう素朴だけど、ちょっと洒落ているのがウィーン菓子なんだよなぁ。

日本人の私達からみると、どこから西洋でどこから東洋のなのか余り意識はしないけど、オーストリアはヨーロッパの端にある国。
国境を一歩越えると東洋という地の利なので、スパイスが沢山入ってきたんです。
その為、スパイスやナッツ類などオリエンタルな食材を使ったお菓子が沢山あります。

フランス菓子の様に洒落た見た目ではありませんが、どこか懐かしくて、それでいて素材1つ1つが丁寧に作られている。
素材の良さを引き出すところは、お料理もお菓子も同じ作りです。
※とは言えフランス菓子の美味しさも捨てがたい‼︎

素朴と言えば、杏子のジャムが入ったウィーン風ドーナツのクラプフェンと言うお菓子もありますが、オーストリアのイースト菓子は本当に美味しい。
クラプフェンは舞踏会のおやつにも出たそうですよ。

続いて、カイザーショコラですが、ショコラ生地のスポンジにサンドされ、スポンジの周りを覆っているチョコレートガナッシュは、ミルクもシッカリと感じられるチョコレートクリーム。




フランスのチョコレートはカカオが多いビターなタイプが多く、そこがまた美味しいですが、オーストリアのチョコレートはどちらかと言うとミルクが入った大人から子供にも愛される様な、王道のチョコレート。こちらも、どことなく懐かしい味。
しかも、ミルクがホント美味しい。



上部写真がキリシュトルテ。

キリシュトルテのブランデーに漬け込んだサクランボも程よい酸味で、軽やかなバタークリームとのバランスが良い。
本当にパーツの1つ、1つが丁寧で、素材の良さを上手に組み合わせたのがオーストリアの味。

フランスの様な華やかさとはまた違いますが、やはり王朝があって、王侯貴族達から喜ばれてきた食文化の国だと感じされられるお菓子達でした。