この人こんな面もあったのね・・・今年の伝統料理は異変が | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

12月と言えばクリスマス。

クリスマスと言えばこの料理。

それが「鴨とレープクーヘンと鬼胡桃」を使った料理です。

※訪問日は12/18です。クリスマスの3日間は特別料理となり、メニューが変わります。

 

私のブログでも、鳥インフルエンザで鴨の輸入が禁止された年以外は、毎回12月になるとご紹介していますが、今回のお料理はいつもと志向が違い、至ってシンプルに。

 

いつもは付け合わせに葉物のサラダに、鴨のジュを使ったソースをローストした鴨にかかっているのが定番。

 

13種類のスパイスを利かせたほんのり甘いスポンジケーキのレープクーヘンに鴨の脂とソースが染み込んで、これが何とも言えない美味しさになります。

 

シロップに漬け込んだ鬼胡桃をシェリーヴィネガーと混ぜ、こちらも鴨と一緒に頂くのですが、こちらもほんのりと甘く、生の胡桃とはまた違う、少し柔らかい食感と鴨の旨味が良く合い、何度食べても飽きない大好きなお料理です。

 

これを頂くと、クリスマスだなぁ・・・・と、私の中でも季節感とイベント感が溢れる一皿です。

 

が・・・・今年のこいつは違った。

 

 

↑写真で見ると、鬼胡桃の和えものがひじきの煮物の様に見えるのが残念ショボーン

 

 

見た目からしてやけにシンプル。そして食べる

 

根セロリとリンゴのサラダが、これがまた良い。

根セロリが戻し過ぎない、歯ごたえのある切り干し大根の様な食感で、和え衣にフレッシュなチーズを使っているのか、コクもあり酸味は穏やかで、しっかりとした感じ。

 

これが1口食べると、ついつい箸(フォーク)が進んでしまう。

多分、ビールのおつまみでも嬉しい筈。

 

そして、この料理の主役の鴨。

今回、鴨はローストした鴨だけで、ソースは無し。

 

・・・なんだけど、パリッとした皮目に丁度良い塩梅の塩加減。

塩加減って本当に大事ですねぇ・・・・ここ、2,3ヶ月はこの塩加減を体験したくて食べに行っていると言っても過言ではない位、オタク人間になっています。

 

そして、シンプルな味だからこそ、レープクーヘンの甘さと塩が合わさった感じがいい!

噛むほどに、じゅわっと出てくる鴨の脂の良さが良い仕事をしてくれています。

 

そして、そして…

 

いつも脇役の中でも更に脇役になる鬼胡桃ですが、今回は軽くローストしているのか、コリコリとした食感。それに(多分マリネしている?)細かく刻んだパプリカをシェリーヴィネガーで和えたモノと組み合わせたり・・・・。

 

ソースがないだけに、シェリーヴィネガーの味もちゃんと味わえる。

 

1つ、1つ構成している味が、どんな味なのかちゃんと確認出来て、その全てを混ぜて味わう事も出来る、何通りにでも楽しめる料理。

 

例えるなら、長年知っているけど、「えっ、この人こんなところもあったんだぁ」と新しい側面を見つけた様な、普段は一流ブランドのスーツで決めているけれど、初めて私服姿をみたら、シンプルなシャツ姿も格好良かったと言う様な・・・・人間に例えるとそんな感じ。

 

飲食業の皆さんにとって、今年はコロナの影響でいつも出来る事が出来ない年だったのではないかと思います。

例えば、食品のロスを極力出さない様にするだけでも、料理構成は違ってくるでしょうし・・・・。

 

でも、そんな大変な時だからこそ、引き出しの多さがモノを言う。

 

10数年のお付き合いがあれば、何度も頂いている食材もあるし、このコロナ禍で季節の食材と言う事で2度、3度と続く事もあります。

それでも、毎回見せ方が違い、前と同じと言う事が全く無い。

 

変な例えですが、火事場の馬鹿力ではありませんが、崖っぷち状態だからこそ、これまでの積み重ねと日頃の努力、チャレンジ精神が相乗効果となって、新しいモノが生み出されるのでしょうね。

 

現場にいる方々はそりゃ毎日が不安でしょう。

でも、目の前の木だけをみていると、点だけを見ていると分からないけれど、月に1度と言う離れたスパンで見ると、ちゃ~んと点と点が繋がって進化成長しているし、木は新しい森になろうとしている。

 

春に芽吹く為に、地面を良く見るともう小さな目が地面から出ている様に、もう新しい動きは始まっている様です。

試行錯誤の最中は分からなくてもね。

 

私自身新しい風が吹いている中、もう手離して良い物、卒業して良い事等幾つかあります。

新しい一歩を踏み出す為に、外食を楽しむ習慣を終りにしても良いかなぁと思っていたところですが、やはり、こんな風にお皿を通して学ぶ事があると、まだまだ暫く続きそうです。

 

さて、来年から私のブログでは新シリーズとしてライトノベル双頭の鷹・ハプスブルク家物語を始めようと思います。

 

10月の終り頃から時間を見ては書き、現在マリアテレジアの時代が終わるところで、丁度半分を終えたところでしょうか。

 

歴史の話ですとラノベと言えども興味が持てない人もいらっしゃると思います。

しかし、これを書かないと宙ぶらりんになってしまいそうな気がして、例え読んで下さる方が余りいなかったとしても掲載して行こうと思います。

 

勿論、途中で他のお話を挿入しながらの掲載になると思いますので、皆様には読み辛さを感じさせてしまうかも知れません。

その辺りはご了承願います。

 

他にも、ワインレッスンをブログ上で始めたくて、原稿も幾つか出来ているのですが、こちらはラノベが落ち着いてから。

 

 

ツァーヘルさんのホイリゲ赤はツヴァイゲルトのチャーミングな面が全面的に引き出されていて美味しいかった。
苺などフレッシュな赤系ベリーを頬張った様な味わい。
 

アミューズ。オレンジとニンジンのスープは予想を裏切る美味しさ。
 
やはりクリスマスはコンソメスープ。
 
樽を使ったソーヴィニョンブラン。メロンの様なミカンの缶詰の様な香り。カリフォルニアのソーヴィニョンっぽい。
 

葡萄のソルベ
 
メインは寒鰆。カブと千住ネギが付け合わせ。根セロリのピュレが良い仕事をしています。
 

デザートとプティフール。コーヒーはマリアテレジア。オレンジリキュールとオレンジピールが
タップリ使います。