美味しいのに滅多に食べられない、栗のポタージュ | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

オーストリアの食文化を語る上で欠かせないのがスープ。

 

オーストリアの宮廷料理・伝統料理を出して下さるレストラン 銀座ハプスブルクさんでも、滅多に出ない(らしい)栗のスープ。

今回は久し振りに栗のスープを頂きました。

 




小布施の栗を使ったポタージュ仕立てのスープは、栗自体の甘味が口全体に広がる少し甘味のあるスープです。

栗の味が全面に出ていますが、この栗の良さを支えているのが丁寧に取ったフォンなんですよねぇ。

いつも良い仕事をして下さいます。

 

因みに以前頂いた時は、もっと汁感がなく食べるスープっぼかった記憶があります。


そしてこのスープの醍醐味は、デザートワインと合わせると素晴しいマリアージュになる事。

 

多分、56年位前だと思いますが、初めて栗のスープを頂いた時、ソムリエールのSさんのお薦めでアイスヴァインだったかトロッケンベーレンアウスレーゼに合わせて食べたのですが、それが本当に美味しくて…今回は自らリクエストです。

 

実は私は食事に甘口ワインと言うのも有りだと思うんです。勿論、料理にもよりますけどね。


この日、ソムリエールのSさんとワイン談議をしていたところ、彼女も食中に甘口ワインを合わせるのも有りと思っていらした様で、これからクリーム系のお料理が多くなるであろう季節、クリーム系メインのお料理と甘口ワインの組合せが楽しめるかな?と思うと楽しみです。

 

こちらが、栗のポタージュと合わせたワイン。

ヤモリのエチケットが面白いでしょう?・・・・実は、今年、我が家の玄関にヤモリが3匹ファミリーで出没してくれまして…実物には「ぎゃーぎゃー」騒ぐのですが、これなら大歓迎です。

因みに、こちらはヤモリではなくトカゲですが。

 



グリューナーヴェルトリナーを使ったワインで、カリンのコンフィチュール、少しアイスティーの様な香りもあり、単体で飲んでも最高の美味しさ。

 

さて、オーストリアのワインと言えば、赤の生産量も多いですが、やはり白ワイン。

 

スッキリとした爽やかな白もあれば、ピヒラーさんの様な鋼の様な骨格を持った白ワインもある。

そして、貴腐果を使った辛口のワインもあれば、樽発酵樽熟成をさせたどっしとした白もある様に、使われている品種はそれ程多様ではありませんが、ワインのタイプはヴァラエティーなのがオーストリアワインの面白いところです。

 

今回のメインは、琵琶湖の方から届いたアマダイに卵黄だけで作ったパスタ。

クリームのソースに白トリュフを使ったスペシャル料理。

 




実は、私はそれ程トリュフが好きと言う方ではないんです。

シェフによっては「その料理にトリュフって必要?」と思いたくなる様な使い方をする方もいらっしゃるし…でも、こちらのシェフのトリュフ使いは好きなんです。

 

しかも、私は黒トリュフは「うーん・・・・」と言いながら、白トリュフは結構好き。

 

今回は、クリーム系のリッチ(トリュフだからリッチという意味ではなく、重厚感とか複雑性と言う意味でのリッチね)なお料理に、ヒルツベルガーさんのワインで、オーストリアでは珍しい2013年と言うオールドヴィンテージ。

 

フランスワインで言えば2013年は未だ未だオールドヴィンテージの域ではありませんが、早飲み文化のオーストリアでは2013年が市場にある事が少ないんです。

 



香りはカリンのシロップ漬け、蜂蜜の様なニュアンスがありますが、辛口ワインです。

 

私は、ピヒラーさんの様な飲み疲れをしてしまう様な固い酸があるワインより、ヒルツベルガーさんや、プラガーさん、クノルさんの様な貴腐香や果実の香りが豊富な作りの方が好み。

最近は、彼らのワインも値上がりしたり品薄になり、久し振りのヒルツベルガーで、思わず「おぉーっ!」と声を発してしまった位。

 

しかも2013年ですからねぇ…いい感じに熟成されていて、当然香りも味わいにも凝縮感が出ています。

 

そんなワインに相対するお料理ですが、オイルを掛けながら鱗が立つ程皮はパリパリにソテーしたアマダイ。身はしっとりとジューシー。

この、しっとり柔らかな食感が堪りません!

 

卵黄だけで作られた生パスタはリッチな味わいともっちり感が・・・・これ、前菜の後に単品で1皿でもいい位。

 

ハプスブルク家はロンバルディアやフィレンツェ、トリエステなどイタリア北部を支配していた時代があるせいか、ショートパスタからロングパスタまで色々な種類のパスタがオーストリア料理では楽しめます。

 

しかも、パスタのみを頂いたり、今回の様に付け合わせとして頂いたり…オーストリアの食文化の中にはクヌーデル(小麦粉で作ったお団子)などに代表される様に、粉物を使った文化でもあるので、生パスタは良くお料理に登場します。

 

さて、このリッチなパスタに合わせるソースもしっかりとした生クリームのソース。

 

そして…クリーム・卵と来れば白トリュフ。この黄金トリオ、悪いはずないでしょう。

 

そうすると、ワインもクイクイ進んじゃう。

勿論、今回のワインとお料理の組合せは申し分がない位最高でした。

 

が・・・このお料理にムルソー(ブルゴーニュの白ワイン)なんかも良いよねぇ。シャンカネとかペリエールとか、等と頭の中で空想テイスティングをしたりして。

 

サーヴィスさんとソムリエールさんのダブル女子に「これにムルソーなんて良くない?」と思いをシェアし一時「いいよねぇ…」と女子’Sはウットリでした。

 

と言う事で、今回のラインナップですが

 

アミューズは、奥からカリフラワーの小さいスープ。

秋刀魚にチロル産生ハムを巻いたフライと下には燻製にした茄子のマリネ。

この燻製にした茄子は反則だーっ。美味し過ぎる。

付け合わせのトマトも半分ドライで甘味が凝縮していたり、小さな付け合わせも1ひねり2ひねりが加えられています。

 

カリフラワーのスープは、しっかりカリフラワーの味がありながら優しい味わいのスープ。

この1口だけでも訪れた甲斐があります。



うずらの卵の上にあるのが茄子。



前菜は、八幡台産の鱒と蕪をベルガモットを使ったドレッシングのサラダ

 

カブが隠れています。


セロリの爽やかな香り有りでサッパリとしたサラダですが、程よく載った鱒の脂が良い感じにサラダにヴォリューム感を与えています。

 

スープとメインの間のソルベは山ブドウのソルベ。


葡萄の果皮も使われていて…グレープジュースとか葡萄を使った他の食べ物の様に後味がクドくないです。

しっかりと黒系の果実の味があって、スーッと引いて行く優しい味。

 


シェフが摘んで来た・・・ってマジ?


 

デザートは・・・秋と言えばアプフェルシュトゥデューデルでしょう。

オーストリアの代表的デザートです。

 



アツアツのアプフェルシュトゥデューデルを頂けるのはレストランならでは。

暖かいソースとバニラアイスが選べたのですが、悩みに悩んだ末、暖かいモノ×冷たいモノ。

この組み合わせは外せません。

 

プティフールとラズベリー・ローズヒップとハイビスカスのハーブティーで。

 



実は、数日前、職場で使っているPCが立上らなくなり、サポートセンターに置くったところHDが壊れているとの事。

殆どのデーターはサーバーにあるので良かったのですが、消えてしまった書類を作成し直したり、その最中にどうでも良い仕事を頼まれたり…この日の昼間は、まさに千手観音状態。

 

職場を出た時には、何となく、ちんまりと背中も縮まり、まさに灰になった様な…ジョーの様になりながらの訪問でした。

 

が、レストランの方をお話をしている内に徐々に回復。人から貰うパワーって凄いですね。


それに加えて、美味しいお料理を頂いて、帰る事にはこのままジムに行っても頑張れそう、と思える位に元気に!!

 

気力とお腹も満たされて幸せな一時でした。