マルヴィラ ランゲ ネッビオーロ2012 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

イタリアの赤ワインは、3つのカテゴリーに分かれると思います。

1つは、バローロに代表される様に、重厚なタイプ。酸もタンニンもしっかりとあり、複雑でエレガント。熟成を経て綺麗に纏まる様なワイン。

 

2つ目は、軽やかなカジュアルなワイン。テーブルを囲んで、ワイワイとお喋りを楽しみながらゴクゴクと飲めてしまう様な・・・・キャンティの中でもカジュアルクラスの・・・一昔前によく見かけた、ボトルの下1/3の高さを藁で包んでいた安いキャンティの様なワイン。

 

そして3つ目は、果実味たっぷりなフルボディのワインです。

 

イタリアはピエモンテ州で双璧をなすと言われているのが、バローロとバルバレスコ。

尤も、バルバレスコはバローロの弟分とも言われていますが、どちらも、重厚でどっしりとした力強いワインの代表です。

 

が、実はバローロはキャンティ同様に、バラつきの多いワインなんです。

 

むしろ、キャンティは軽いカジュアルなワインと言うイメージがあるので、しっかりとした飲みごたえのあるキャンティに出会えばイメージアップに繋がりますが、バローロの場合はその逆。

 

普段、男性的と言われているだけに肩透かしをくった様な気分になってしまう。

その位、バローロはどっしりとした重厚な作りと、軽やかなタイプと作り手によって印象が変わってしまうので、選ぶときに注意が必要なワインです。

 

私が今回のワインを選んだのはハーフボトルだから、ただそれだけですので、どの様なワインなのかは飲んでからのお楽しみ。

 

さて、今回ご紹介のワインは、1950年にジュゼッペ・ダモンテ氏がロエロ地区に創立したマルヴィラのワイン。

現在は、御子息が兄弟でワイナリーを運営しており、アグリツーリズムも行っているとの事。

 

説明によると、マルヴィラという名前は、マルヴィラは北向きに拠点を置いていたため、葡萄栽培には余り良いとは言えない北向きであっても、回転すれば南向きと良い位置になるという発想から、「Mal=良くない」、「Vira=回転」と名付けられたとの事。

 

その為、エチケットには、回転を意味する水車が描かれているのだとか。

因みに、左側に書かれているのは天使と分かりますが、右側に書かれているのは悪魔だとか・・・・。何だか、グロテスクだ。

 

テクニカルデータは、ステンレスタンクで発酵した後、1824カ月間フレンチオークで熟成との事。

セパージュはネッビオーロ100%(因みに、フルボトルの2014年はネッビオーロ70%、バルベーラ30%と言う様に、セパージュに違いがありますのでヴィンテージまたはボトルサイズによって印象の違いが生じる可能性があります)

 

外観は縁にオレンジがかった、やや明るいガーネット。

 

香りは、カシス、フランボワーズなど赤系果実のコンフィ。スミレ。甘草、紅茶、タバコ。オリエンタルなスパイス、木樽からのバルサミックな香り。

 

味わいは、アタックに優しい果実味。タンニンは酸に溶け込んでシルキーな印象。

渋みが最後まで引っ張るというより、エレガントな酸がアタックの直後からこなれた渋みを伴いながら口中に広がり、アフターまでつなげていくと言った感じ。

 

全体的にバランス良く纏まっているが、美味しく飲める最後の期間と言った感じ。

これ以上、飲むのを伸ばしたら、香りに熟成感が残るだけで、ピークを過ぎた酸っぱいワインになってしまう事が予想されます。

 

酸が綺麗なのが印象的。やはり北向きの畑からくるのか?

 

ワインが若い自分ならバーベキュー等にも良いワイン。

ピークがやや過ぎている落ち着いたワインなので、ステーキより、八角等のスパイスを効かせた角煮や、フカヒレの旨味に合わせたら面白そう。

 

ジビエを使った煮込み料理にも良さそう。

料理によっては、潜在的にカカオの香りがあり、料理によってはカカオの風味が引き出されるので、もう少し(ワインに)体力があればジビエのチョコレート煮(チョコレート煮と言っても甘味はありません)等にも合わせてみたいワイン。