マシャレッリ トレッビアーノ・ダブルッツォ2014 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

個人的な好みですが、私はトレッビアーノ(葡萄品種)好きです。

 

このトレッビアーノ。フランスではプロバンスやコルシカ島あたりでロールと言う名前で栽培されているのですが、温かい地方に適した品種。

つまり、温かい地方で栽培されても酸がしっかりと残る品種です。

 

昔、昔。ワインを勉強し始めた頃、私は酸っぱいモノが苦手で白ワインは余り好きではありませんでした。

かと言って赤ワインもいまひとつ・・・・。

 

じゃ、何でワインの道に進もうと思ったのよ?!と首を傾げられると思いますが、ワインに纏わるエピソードが面白かったから。

 

ワインの「ワ」の字も分からない20歳そこそこの頃、手頃なワインを購入して飲むと、身震いをしたくなる位酸っぱく感じて、結局、父が処理班になっていました。

 

その当時、2種類だけ飲めた白ワインが、ドイツワインとブルゴーニュ。


ワインの勉強を始めた時、ブルゴーニュのワインはマロラクティック発酵をさせているので、酸がまろやかな事を知ったのですが、舌ってホント正直ですね。理屈を知らなくも違いは分かるのですから。


その為、若かりし当時は、目黒の秋刀魚ではありませんが、白ワインはブルゴーニュ、と言うのが定番でした。

 

今では酸っぱいモノも大好きですが、スクールに入った当時は、ロワールやボルドーの白なんて出た日にはブルーチーンなっていました。

 

さて、ワインを通してすっかり酸が得意になってしまった私。

 

このトレッビアーノと言う品種は暖かい地方でも好感の持てる酸をしっかりと残してくれる品種です。

 

トレッビアーノは舌の両サイドからググッと旨味を感じる様なフレッシュな酸があります。


イタリアの白ワインで迷ったらトレッビアーノを選ぶ、と言うのが私の鉄則ですが、何故だろうと考えたところ、やはり果実の香りや味わいと酸のバランスが良いからだと思います。

 

残念な事に大方のイタリアのシャルドネは酸が失われてしまうので、ステンレスタンクで低温発酵させている為、日本酒で言う吟醸香と言われる第二アロマが主体になってしまうんです。


その為、華やかと言えば聞こえが良いのですが、白いお花・・・私に言わせれば、香付き消しゴムの様な香りが主体になり、その割に、酸がぼやけているモノが目立つ為、どうしてもトレッビアーノに傾いてしまうんです。

 

因みに、お花の香りはダメなのかと言うと、品種の特徴としてお花の香りを持つワインもありますし、若いワインには必ず仄かにお花の香りは残るので、一概にダメではありません。

テクニカルな場合は余り良いワインじゃないよね、って事なんです。

 

さて、イタリアはアペニン山脈の東側、アドリア海に面しているアブルッツォの格付けDOCワインがトレッビアーノ・ダブルッツォ。

 

北半球では、午前中に日が当たる東から南向きの斜面が葡萄栽培に適していると言われていますが、気候が温暖なイタリアでは葡萄が熟し過ぎてしまい、カンパーニャ州等のある西側の方が品質としては良いワインが出来ます。

 

トレッビアーノについては、温かい場所でも酸が残る事と、葡萄が熟して果実味が豊富となるので、カジュアルクラスで美味しいワインを探すには丁度良いのではないでしょうか?

 

今回の作り手さんマシャレッリはアブルッツォを代表する作り手さん。

アブルッツォの土地でカベルネソーヴィニヨンやシャルドネを栽培し、バリックタイプのワインを作り、シャトーに訪れた人々に、自分の作ったカベルネソーヴィニヨンとボルドーの5大シャトーをブラインドテイスティングさせていたとか。

イタリアの伝統的手法だけに拘らず、フランスの手法を取り入れる事によって評価をあげ、モンテプルチアーノとトレッビアーノを世界市場に送り出した人物です。

 

テクニカルデータによると、平均樹齢が38年の古木から収穫されたブドウを使用。

標高の低い海側では暖かいのですが、アペニン山脈が広がっているために冬はアブルッツォの70%が雪に包まれます。それによって、 気温の変化が大きい環境で育つブドウは、果実味のギュッと詰まった味わいが特徴との事。

 

トッビアーノの魅力をピュアに引き出すために、 醸造・熟成は全工程をステンレスタンクにて行われているとの事です。

 

抜栓した瞬間、甘い香りが広がるワイン。

 

リンゴのコンフィ、白桃、白いお花、ドライなハーブ、アーモンド、ミネラルの香り。

果実はお砂糖に漬け込んだ果実の香り

 

アタックはふくよかな印象。個人的には残糖感があるとなお良い印象(私の好みです)。

フレッシュな酸が口中に広がりますが、苦味は穏やか。


フレッシュな酸が後半まで引っ張り、舌の両サイドから旨味を伴った酸味と苦みがジワジワと舌の中心に向けて感じた後、フワッと舌の中心にコクとして乗っかる印象。

 

すっきりと辛口に仕立ててある為、サラダもホワイトバルサミコを使うより、レモンにオリーブオイルに塩と言ったスッキリとした料理向き。

 

パスタや魚介類の料理と共に。

家庭料理ならサーモンのピタカなんかにも良いですよ。

 

冷たく冷やしても香りが閉じないので、真夏に冷たく冷やして飲んでも、少し温度を上げて飲んでも楽しめるワイン。


季節を問わずオールマイティに楽しめるのが、レストランでもオンリストされる所以なのかもしれません。