ハプスブルク家御用達のゼクト | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。


今回は久しぶりにワインの話。

最近、めっきりお酒が分解出来ない身体になってしまい、グラス2杯程度で充分な私。
とは言え、食事にはお酒があった方が断然嬉しい爆笑

…と言う事で、季節先取りでロゼワインを注文するついでに、お願いしたのが、今回ご紹介するゼクトです。

ゼクトとはドイツ(オーストリア含む)のスパークリングワインの事。

ゼクトと一言で言っても、ドイツ国内の葡萄のみを使ったドイチャーゼクト等のクラス別の呼称があり、それぞれ呼称を名乗る為の厳しい規定があります。

オーストリアも、ブリュンデルマイヤーさんが作る様なシャンパーニュ顔負けの重厚なゼクトもあれば、イタリアで言うプロセッコの様なフルーティーで軽やかなゼクト等があります。

ただ、ひとえにスパークリングワインと言ってもシャンパーニュは別もので、中々シャンパーニュに並ぶ品質の泡モノは多くはありません。

それ故に、オーストリアの作り手さん達は、シャンパーニュには敬意を払っているのだそうですよ照れ

さて、古のハプスブルク家の酒庫はいかようだったかと言いますと、マリア・テレジアがフランスのロレーヌ地方の王子フランツ・シュテファンと結婚した事によって、ハプスブルク家の酒庫にもブルゴーニュワインが加わり、大分良くなったと言われています。

が、それでも、ハプスブルク家の酒庫はハンガリーの「トカイワイン」頼みと言ったところ。

ルイ14世に「ワインの王。王の為のワイン」とまで言わせたトカイワインは、甘いデザートワインですが、ハプスブルク家のセラーは自家の領地から作られるワインが中心で、トカイを除けばそれ程ではな無かった様です。

そして時代は下って、フランツ・ヨーゼフの時代。

皇妃エリザベートはシャンパンが大好きでした。

でも、19世紀と言う時代は、ハプスブルク家の勢力にも翳りが出てきて、帝国解体も目前だった為、戦費に非常にお金が掛かったの。

尤も、ハプスブルク家自体、広大な帝国ではあったけれど、どの時代も決して国庫が潤っていた訳ではなく、マリア・テレジアの長男ヨーゼフも節約と言って、大公や大公女達の食卓を大分切り詰めた様ですが、フランツ・ヨーゼフも節約に努めた皇帝だったんですよ。

こう言うと語弊がありますが、お二人とも皇帝と言っても軍人気質だったから、食事は切り詰めてもどこ吹く風だったのでしょうね。

ただ…

女子は何時の時代も、美味しいモノを少しずつ。
でも、色々な種類を摘むのが大好きラブラブ

その為、ヨーゼフ帝の時代、ヨーゼフの妹である大公女達からは品数が減らされる事には不満タラタラだったそうですよてへぺろ

ですので、エリザベートがダイエットマニアだったのは、フランツ・ヨーゼフにとっては不幸中の幸いだったのかも知れません。

尤も、この夫婦の結婚生活は、早々に破綻していたのでシシィがフランツ・ヨーゼフと一緒の食卓に着く事は殆ど無かったけど。

でも

エリザベートはお酒が好きで、お酒に関しては色々なエピソードが残されています。

例えば、宮廷では食事にビールを飲むのはエチケット違反だったのですが、エリザベートはそれを無視してビールを飲んでいたのだとか。

皇妃の故郷はバイエルンですので、アンチ宮廷のエリザベートにしてみれば故郷のビール🍺を飲む事は宮廷への抵抗もあったのでしょうね。

他にも、シャンパンは特別の日にしか飲めなかったのですが、何でもない日に突然シャンパンを空けて、皇帝を驚かせた事も。

「今日は記念日ではないよ」とシシィの贅沢を諌めた皇帝に、シシィは「貴方のお友達(女友達)の誕生日に乾杯」等と、当てこすりをしたと言うエピソードも残っています。

さて、今回購入したシュルンベルガーはそんなハプスブルク家御用達のゼクト。

白いボトルはシュルンベルガー ホワイト セコ。
クリムトの「接吻」の絵が描かれているシュルンベルガー キュヴェ クリムトは、何かの記念として作られた様です。

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ホワイト セコ(セッコ)は、フレッシュ&フルーティ。
ドライに仕上がっていますが、アタックにフレッシュな林檎を齧った様な香りと仄かな甘味が感じられます。

イタリアの泡、プロセッコを飲んでいる様な感じに似ています。

軽やかで、ランチから楽しめるスパークリングワイン。
女性からの支持率は絶対に高い筈ラブラブ…その位好感が持てるワインでした。

クリムトの絵のボトルは未だ飲んでいませんが、ホワイト セコに比べて、少しコクがある様ですよ。

容量は200㎖の2本セットで販売されていたので、2人でボトル1/2で十分な我が家には売ってつけ。

個人的にはリピートしたいワインです。

因みに

シャンパーニュは、750㎖のサイズの事をブティーユと言います。
そしてハーフサイズをドゥミ・ブティーユ、1/4をピッコロと呼びますが、このピッコロサイズはハッキリいってあまり美味しくない。

ワインはマグナムと呼ばれる750㎖2本分のサイズが一番美味しいと言われますが、1/4のピッコロサイズになると、トランスファー様式で作って瓶に移し替える事が多い様です。

サイズ的にも酸化しやすいですしね。

それもあって、この200㎖はどの様な味なのか、興味津々。

とは言え、蓋はフレッシュ感を保つスクリューキャップなので、フレッシュ&フルーティーな作りである事は確かと言えそうです。

最近、宝石の話等ばかりでワイン評を全然UPをしていないのでワイン記事が溜まっちゃって…。

ちょっと話題にするには面白いエチケットのスパークリングワインなので、軽くご紹介させて頂きました。

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こんな小さな箱に…。間違って配送したんじゃない?と怪しく感じた程えー

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梱包材に包まれて、この様に入っていました。
なるほど…コンパクトにもなる筈だよ。