旅は非日常を楽しむ良いと言う点でリフレッシュをする事が出来ますが、反面、日常を変えると言うことは身体面でストレスがかかります。
よく枕が変わると眠れないと言いますが、私もホテルのベッドに馴染むまで2,3日程かかります
その為、私の旅は1都市滞在型で、魅力的とは思いますが1週間かそこらで、数か国を周る旅は殆どしません。
さて、18世紀の王様やお姫様達は旅行をする時も、日常をそのまま旅先に持ち込んでいました。
ヴェルサイユの宮廷でも、ショワジーやフォンテンブロー等季節ごとに小旅行を楽しみましたが、小間使いや料理人の他、道化や俳優達等も含め、宮廷を丸ごと移動していたので、旅費も馬鹿にならなかったとか
TVや、ましてやドラマの配信サービスなんて無い時代とは言え、娯楽そのもの迄旅先に運んだのですから驚きです。
勿論、日常使用している食器や洗面道具も持って行きますので、荷物もその荷物を積み込む馬車の数も膨大になり、まさに大行列となったんです。
人は刺激を求める反面、日常のリズムを崩す事はストレスが掛かります。
また、王侯貴族ともなれば毒殺を案じて、日常使っている自分専用のイニシャル入りの銀器を使うと言う習慣を外す事が出来なかったのでしょうね。
旅先でも日常を持ち込むという贅沢は、王侯貴族にだけ許されていたお楽しみにだったんですね。
革命政府の監視の目が日々厳しくなり、いつ暴徒に襲われるか分からなくなったパリを脱出しようとしたルイ16世とマリー・アントワネットの旅支度が、亡命者のそれとは想像もつかない程大がかりなものだったと言われていますが、王侯貴族の生活習慣を考えれば、王妃達が持ちだそうとした品々は、現代人の私達から見れば非常識な程の大荷物でも、王妃達にしてみれば、着の身着のままに近い不十分なモノだったのでしょう。
日常を崩したくないと言う拘りが一番強かったのが規律に煩かったルイ14世です。
王様は戦争に行く時も、宮廷をそのまま戦場迄持ち込んだそうで、宮廷に仕える女性達も選抜で遠征に連れていったのだそうですよ
この選抜メンバーに選ばれる事が寵姫である証だったので、ルイのハートを射止めようとする貴族の奥方達は、遠征リストに自分の名前が載る様に競い合ったのだそうです。
中には、モンテスパン夫人の様に黒魔術を使って迄、その栄誉を手にする事を願ったんです
勿論、女性達は戦線から少し離れた安全な所にテントを張り、王様は時々最前線から戻って来ては宮廷のお楽しみを味わった様ですが、王様は女性達のペースに合わせようとしなかったので女性達にとって旅程はかなりの強行軍だったそうです。
それでも王様に王様に愛されたいが為に、ぐっと耐えたと言いますから、私には真似出来ません。
旅先にまで贅を凝らした普段使っている食器を持ち込み、寝心地の良いファブリックを持って来させる。
退屈をしない様に、お抱えの道化師や俳優を連れて行き、旅先でも宮廷で行っていた様に余興を楽しんだのですが、当時の王侯貴族は心から暮しを楽しんでいたんですね
ナポレオンの時代になると洗面具や食器一式と簡素になります。
彼が軍人だった事を思うと、移動が楽で荷物にならないものと合理的になっていったのでしょう。
今でも、陸軍士官学校に隣接している軍事博物館に行くと、ナポレオンが遠征に持て行った旅支度が陳列されています。
ルイ・ヴィトン等ヨーロッパの老舗のバッグメーカーでは顧客の注文に合わせて旅行鞄等を作成しています
昔のコレクションを見ると、帽子を入れるケースや、食器を入れるケース等のコレクションがありますが、これらは、旅先でもお洒落をしたい、お気に入りの食器を使って日常を楽しみながら旅の楽しみも同時に味わいたいと言う、上流社会の人々の希望を叶える為に作られていたのでしょう。
↑ルイヴィトンの旅行鞄(写真はお借りしました)
その根底には、王様がいた時代の、王侯貴族達の暮らしを楽しむ精神=生きる事を楽しむと言う精神が受け継がれているのかも知れません。
お姫様とはどこまでも優雅なんです
・・・・・to be continued
サロン・ド・イグレッグでは食を通して、誰もがプリンセス気分を味わいながら、堂々とエレガントにお食事を楽しめるお手伝いをしたいと思います。
また、頑張り屋さんの現代女性の為に、女性である事を慈しみ生涯女性として輝き続けられる様、サポートさせて頂きたいと思います。
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