スペルバウンド・カリフォルニア・シャルドネ2015
7月から猛暑が続いています。
お蔭様で暑さ続きでも元気に過ごしていますが、身体は正直で、最近、無性に梅干しが食べたい。
水分はこまめに補給しますが、汗と一緒に塩分や必要なミネラルが失われているのですね。
アルコールは利尿作用がありますので、アルコールで水分補給をするのはNGですが、お楽しみとしてお酒を頂くには、有機酸を多く含むワインはオススメ。
特に白ワインは殺菌作用があるので、夏には良いですよ。
さて、今回のカジュアルワインのコーナーは、以前ご紹介した、スペルバウンド カベルネソーヴィニヨンのシャルドネ・バージョンです。
神秘的な月のラベルが印象的なワイン、スペルバウンド。
カリフォルニアワインの帝王ロバート・モンダヴィ家のマイケルの息子であるロブが「毎日気軽に飲める美味しいカリフォルニアワインを」と言うコンセプトで立ち上げたデイリーワインです。
作り手さんの紹介は以前させて頂いたので、今回はカリフォルニアワインについて、軽くお話します。
カリフォルニアはご存知の通り、日差しの眩しい温暖な地域。
それ故、葡萄は太陽の恵みを受けて十分に熟す為、とてもジューシー。
甘味の好きなアメリカ人の嗜好に良く合ったワインが自ずと出来る、自然条件に恵まれています。
その為、水不足に悩まされるため、カリフォルニアでは灌漑が必須となります。
そして、気候に恵まれた地域で問題となるのは、糖度が上がり過ぎる事。
糖度が上がると、アルコールのヴォリューム感が豊かなグラマラスなワインになります。
カリフォルニアワインのアルコール度数を見て見て下さい。
大体13.5%。または14%と言った高めの表示が書かれていまので・・・・・。
ところが、あまりボリュームのあるワインとなると、味に締まりがなくなってしまうんです。
人間で言うと、表現が下品ですが胸が大きくて、ウエストが絞まって、脚がすーっと長い。
そんな体型のグラビアモデルなら多くの男性はウェルカムでしょうけれど、ボヨ~ンとしまりのない体型・・・しかも、足首も象さんみたいだったら、観賞用にはちょっと違いますよね。
気候の良い地域は下手をすると後者になってしまうのですが、カリフォルニアは寒流の影響で冷たい海風がカリフォルニア湾に流れ込む為、夜はしっかり冷えるんです。
その為、高級ワインも作る事が出来るんですね。
さて、今回ご紹介するワインですが、セパージュはシャルドネ97.3%、その他(品種は無記名)2.7%との事。
香りは、冷蔵庫から出して温度が低い状態はピーチ。
徐々に、黄桃、カリン、その後マンゴー等トロピカルフルーツの香り。
そして、何よりも強いのが、バニラの香り。
クレームブリュレ、ココナッツ。
味わいは、アタックに甘味を感じた後、口中に丸みを伴った溌剌とした酸と同時に心地よい苦味が広がります。
それぞれの要素が、個々に広がるのではなく、バランス良くボンと広がる非常にバランスが良いワインです。
ここ1年は、グラスで2~3杯位。2人で1本のワインを2週間に亘って飲むと酒量的にも丁度良いペースですが、気付くと1本空けていた事から言っても、飲み易く、単純に美味しいワイン。
この美味しいと言うのは、ワイン単体で美味しいんです。
それも気取った美味しさではなく、1本千円台でクイクイ飲めてしまう美味しさ。
ただし・・・・です。
味わいとしては美味しいんです。
それは、気候条件に恵まれて、十分熟した葡萄から出来た美味しいさ。
ただね、バニラ香りが煩い。
例えば、南アフリカのシャルドネのジョーダンの様に、「20年位前に、こう言うシャルドネ流行ったよね」と言うワインとはチョット違う。
ジョーダンの様にナッツの香りはあるけれど、甘いヴァニラ香りは控えめと言うワインではなく、このワインは、ヴァニラ香りプンプン。
うーん、アメリカンオークを使っているんでしょうね。
正直に言えば、美味しいけれど、香りの要素を考慮すると、極々偶に飲むなら面白いワイン。
但し、洗練されているとは言い難いワインです。
とは言っても、気付いたら1本空けていたので、味は美味しいんだと思います。
さて、どんな料理に合うかと言うと、ヴァニラ香りが強くピンと来ないんです。
強いて言えば、クリーム系の料理。
または、鶏肉や薄い豚等淡白なお肉を焼き肉のタレで味付けをした様な、家庭の毎日のお惣菜と言った料理。
個人的には、甘味のあるタレが好きなアメリカ人の為のワインと言うイメージで、家にある甘辛系、ヴァニラの様な甘い系の香りと言う事で、家にある甘い系の食べ物を物色して合わせてみたところ、歌舞伎揚げや播磨屋さんの「朝日揚げ」の様な甘辛系の御煎餅に意外と合いました。(思った事は何でも実験するタイプなんです)
香りのトーンではオレオも良かったのですが、味わいの甘味が相殺していたかな?
ワイン自体は美味しいので、難しい事を考えずに、お刺身以外の家庭料理と一緒に楽しんで頂けるワインだと思います。
※久し振りに1本空けましたが、翌日アルコールが残らなかった事を思うと、このワイン凄いかも。
サロン・ド・イグレッグでは食を通して、誰もがプリンセス気分を味わいながら、堂々とエレガントにお食事を楽しめるお手伝いをしたいと思います。
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