気温の高い日が続いている為、この時期に咲くはずの花が終り、既に紫陽花が咲き始めていたり・・・・・。
連日初夏の気温が続き、週末は雨が予想されているだけあって、金曜日は蒸し暑さが感じられる中、東京の小さなオーストリア、銀座ハプスブルグさんにお邪魔して来ました。
まず、キチンからのご挨拶であるアミューズは、キュウリのスープと若鮎のフリット。
このキュウリのスープはレストランの定番メニュー。
サーヴィスの方が「きっちんからのご挨拶は・・・・」と全部言い終わらない内に、「きゃぁ~、キュウリのスープ美味しいですよねぇ」と絶叫する女。
私はこのキュウリのスープを初めて飲んだ時の感動は、今でも忘れられない位!!
正直に言うと、ここのスープは殆ど「おぉぉぉ・・・・」と半端ない感動もので、どれも忘れ難くさせるモノばかりなんだけど。
でも、このキュウリのスープは毎年の様に飲んでいますが、何度も飲んでも飽き足らないんです。
キュウリの青い香りとディルの爽やかな香りが初夏から夏にかけて堪りません。
キュウリのスープと言ってもどんな味かピンと来ない方もいらっしゃるかも知れませんが、キュウリを使った冷製ポタージュ。
ビシソワーズのキュウリ・バージョンと言ったところ。
今回のアミューズでは小さなスープですが、きちんとコースの中に組み込まれたスープの時は、浮身が毎年変わります。
その為、毎年違う表情を見せるスープです
蒸し暑く、身体の熱が体内にこもる、この日のアミューズにはピッタリ。
鮎のフリットは、小さな若い鮎が元気に泳いでいる様な盛り付け
鮎の下にあるじゃが芋のシャキっとした食感と鮎の苦味がマッチして、盛り付けも含めて、つい先日まで鯉のぼりが泳いでいた皐月の宵に相応しい一品です。
そして、前菜までお供をしてくれたワインが、テメントさんのグラスニッツベグル2012。
このグラスニッツベルグはミスター・ソーヴィニヨンの異名を取るテメントさんのフラッグシップ、ツィルエッグの弟分と言ったところ。
2012年と言うオーストリアワインとしては珍しいオールドヴィンテージを経て、焼けた石灰の様なテメント節が影を潜め、熟したリンゴを思わせる果実味が出始めて聞いたところ。
旨味を伴ったエレガントな酸味が口中に広がって、爽やかなキュウリのスープや仄かな苦味のある鮎のフリットにはピッタリなワインです。
そして、前菜は軽く火を入れた菜彩鶏とルッコラ等をつかったサラダ。
濃い目のジェノベーゼソースにカボチャの種のオイルを使ったコクのあるソースと、パプリカのムースと共に頂きました。
最初にしっかりとしたパンチのあるバジルの香りとカボチャの種のオイルのコクが口の中に広がるのですが、サラダに使われているホワイトバルサミコ酢の柔らかい甘味に「ほっ」と気持ちが緩んでしまう
クリーミーなパプリカのムースを付けて頂く鶏もまた絶品で、泣く子も黙ると言う言葉がありますが、このお料理を与えておけば私は完全に黙るね
事実、仕事の後と言う事もあり、頭の中で思考のお喋りが続いていましたが、ピタリと止まりましたから。
さて、今回はメニューを決めるのに迷ってしまっただけに、すっかりハムを頼むのを忘れていた私。
慌てて、偶々お料理を運んで下さったシェフ直々に「私もハムが欲しい・・・・」と頼む不届き者な私でした。
と言う事で、順序が逆になりましたが、やんばる豚のジューシーでやわかい肉質のバインシンケン。
じつは、初代のバインシンケンはニュージーランドの豚、二代目は梅山豚(めいしゃんとん)、そしてこのやんばる豚が三代目となるのですが、何となくやんばる豚は初代のハムに近く、みずみずしい。ホント、ハムの概念が変わります
このハムと一緒に頂くのが、卵とホースラディッシュに少しメープルシロップを加えたソース。
ホースラディッシュのピリッとしたアクセントとメープルシロップの仄かな甘味のコントラスト堪らなく美味しいんです。
ハム単体で食べても美味しいし、ソースと一緒に頂くとまた別の美味しさが・・・・このソース、アーティチョークと一緒に食べても絶対に美味しいと思う
・・・・・to be continued