ルロワ ブルゴーニュルージュ 2015
ワイン通の方の前でご紹介するのは少々恥ずかしいのですが、今回ご紹介のワインは、ルロワのブルゴーニュルージュです。
何故恥ずかしいかと言いますと、ワイン好きな方々はご存知かと思いますが、ルロワには赤いキャップシールのモノと白いキャップシールがありまして、赤がドメーヌ物で白がネゴシアン物になっています。
つまり、赤はドエラく高く、白はリーズナブルです。
私は10数年前、集中的にブルゴーニュを飲んでいた時期がありまして、その頃は、今より、まだまだブルゴーニュは安く買えたんです。
その頃の経験を踏まえてドメーヌ物とネゴシアン物の違いを言うと、シャンパンで言えば「普通のノンヴィンテージのシャンパンとプレステージシャンパン」位違う。
もっと分かり易く言うと、例えが悪いですが、女性に例えれば「その辺のおねーちゃんと、銀座の高級クラブのホステス」位の差があります。
やはりドメーヌ物はCruの個性がハッキリ出るんです。
マダム・ビーズ節と言うか・・・・滋味深く重厚。
当時、時々、友人が「ルロワvs D.R.C」等と言うお遊びを開催し、私も参加をさせて頂きましたが、D.R.Cが典雅ならルロワは重厚。
DRCを圧倒する様な迫力を持つのがルロワと言ったところ。
因みに私は、どちらかと言うとワイン単体で飲むなら、典雅なDRC。
食事と一緒に楽しむならルロワが良いと言ったところです。
因みにルロワは天候が悪く、ルロワの冠をしてリリースするには至らないと判断された年は、格下げをしてリリースする事があります。
例えば、村名格と1er Cruをブレンドして、ブルゴーニュルージュとして販売するなど。
価格も少し下がるので、この様な年はお買い得。ルロワの一端を垣間見るチャンスです。
さて、フランスワインの双翼を担うのがボルドーとブルゴーニュ。
ボルドーは右岸のマイナーな地域に掘り出し物のワインがある為、5千円ちょっと位でもそこそこのワインが見つかります。
が、ブルゴーニュは5千円クラスで美味しいブルゴーニュは殆ど無し。
大体「ワインって酸っぱくて好きじゃない」と言う方の多くは、美味しくないブルゴーニュを飲んでいる事が多いと思われます。
とは言え、「これぞブルゴーニュの真髄!」と言うワインは、安くても2、3万はしますので、悩ましい所です。
因みに、アペラシオンの個性がハッキリ出るのは1er Cru(1級畑)以上。
ブルゴーニュとデザートワインにハマると身上潰しますのでご注意を(笑)。
さて、前振りが長くなりましたが、このネゴシアン物のブルゴーニュルージュは、昨年9
月に5年間在籍した部門から人事異動になった際頂いたモノ。
ワインの「ワ」の字も知らない方々が、インターネットで有名な作り手を調べて「お気持ち価格」で買える良さそうなワインを探しに、高島屋に出向き買ってきて下さったモノ。
可愛いじゃないですか!!
白ラベルと言いつつ、やはりGrund Cruモノや人気のある村名格になると、そこそこします。
が、ブルゴーニュルージュやブルゴーニュブラン系は、お財布に優しい。
難しくキャラクターを探すと言うよりは、ピノ・ノワールってこんな感じなのね、とサラッとさわりを知るには手頃だと思います。
さて、香りは苺、カシスのリキュール、甘草、丁子、ミネラル、湿った土、スミレ。
還元的な香りの方が優っている印象がありますが、果実の香りと樽からの香りのバランスは良いと思います。
味わいは、アタックに優しい果実味を感じた後、直ぐにエレガントな酸が続き、ジワジワと舌の両脇から細かいがしっかりとした渋みが下の中央に向かって迫ってくる印象。
終盤にかけて酸が大人しくなり、苦味の方が勝ってくる。
ACブルゴーニュらしいチャーミングなワイン。
価格帯の割には好感が持てるが、やはり後半に向けて果実味に比べて渋みが優ってくるのがACブルゴーニュ所以なのかも知れません。
とは言え、下手なACブルゴーニュを飲むと、これだけの香りは感じないので、コストパフォーマンスは悪くないと思いますよ。
和食なら、照り焼き、生姜焼き、お醤油ベースの鍋料理、私達がイメージするちゃんこ鍋も良さそう。
牛肉でも、サッと焼いて塩などであっさり食べるなら可。
しっかしりたソースや複雑性のあるソースにはワインが負けてしまうので不可。
カジュアル価格帯のワインとは言え、料理にあわせるのは若干難しいところ。
料理が強過ぎるとワインの欠点が出てしまうし、かと言ってあっさりし過ぎても物足りない。
その辺が軽いブルゴーニュの難しいところだと思う。
似た様な価格帯なら、エスターハージ―(オーストリアワイン)のピノ・ノワールの方がおススメ。