これに、メインのお料理に鵞鳥の煮込み料理が、オーストリアの定番の伝統料理。
さて、このブログのアップは1週間程後になりましたが、23日、24日、25日はクリスマス限定メニューとなる為、ラストチャンスとばかりに、連休前日に今年も伝統料理を頂きに行って来ました。
が・・・・
昨年に引き続き、今年もメニューチェンジが遅れている様で、「すみませーんメニューが変わっていないんです」と、申し訳なさそうにおっしゃるソムリエY氏。
私が鴨とレープクーヘンを楽しみにしているのを知っているので、あちらも先手必勝(?)です。
いや、いや気にしないで~。
だって、そのお蔭で、ずーっと食べたかった「帆立の前菜」が食べられるんだもーん。
超ラッキー!!でへへっ…。
私、本当にツイてるんですっ!
一見「あら、残念」と思える事でも、大抵、結果的には吉と出るの
伝統料理は、約10年に亘って食べ続けているので知っているお味。
前回、特別料理をご用意して頂いて、今回はもうメニューが終わっていると諦めていた念願の帆立のサラダ。
ホント、この帆立は食べたくて、食べたくて仕方が無かっただけに、奇跡的と思える位ラッキーです
やっぱり、私、絶対に守られてるっ!!
…って、以前別のサーヴィスの方に言ったら「ブッ」と思いっきり吹き出されましたけど・・・・やっぱり、私、守られていると思う!
しかも、デザートはチョコレートのお菓子が食べたいなぁと思ったら、思った通りのチョコレートのケーキ。それも濃厚なの。
もし、ショコラのデザートじゃなかったら、カカオ100%のパフェを注文しようかと思っていた位チョコレート気分だっただけに、至極ご満悦な夜
因みに、チョコレートのパフェは夏季のみだそうで、いずれにしても大満足。
まさに以心伝心ってやつ?(かなり自画自賛ですが)
さて、下の写真が、帆立を使った前菜。
ある意味予想通りであり、予想以上でした
(樽を使ったソーヴィニヨン・ブランと一緒に)
オーストリアのフライは、普通のパン粉ではなく、センメル粉と言う粒子が細かくて味の強いパン粉を使うのですが、粒子が細かいと言う事は、油を吸う面積が小さく、短時間で仕上げるため、カラっとさっぱり。胃に負担がかからないんです。
因みに、オーストリア名物ウィーナーシュニッツェルも同様なので、おススメ。
写真でわかるかな?
この見事な肉厚。中はギリギリ火が通っている程度の限りなくレアに近い状態。
レアだと甘味だけですが、このレアギリギリの状態だと、旨味がギュッと凝縮されるので、最高の状態なんですよねぇ。
今回は、フライとソテー(パプリカ等お野菜を纏った方がソテー)の2種類の味の違いを堪能させて頂きました。
私の想像では根セロリの葉や葉野菜がボンと載って、ウィーナードレッシングがかかるのかな?と予想していたのですが、レッドオニオンと根セロリにオレンジのサラダ。
このオレンジが加わる事で、優しい甘味がアクセントとなって、どこか懐かしい味。
素朴でありながら、どことなく繊細なのがオーストリア流。
味は全く現代にマッチしながら、古き良き時代を彷彿とさせる感覚が必ずどこかにあるのが、伝統を背負っているシェフならでは、と言う印象を毎回感じてしまう。
今回の前菜も、白い壁に深紅のカーペットが敷き詰められた、マホガニー製の重厚な食器棚やテーブルがしつらえられたダイニングが似合う、そんなお料理。
強いていうなら日本では、金谷ホテル等、日本の古き良き建築スタイルのダイニングの風景かな?
古き良きと表現してしまうのは、格調の高さを崩さないところが、640年と言う歴史を刻んだハプスブルク家の伝統が、今でもオーストリアのいたるところで息づいているからなんです。
化学の実験の様な奇をてらった様な料理を好まず、伝統を重んじながら新しい気風を取り入れて、時代に合わせて生きる…そんなオーストリア魂が感じられる一品でした。
そしてもう一つご紹介したいのがオニオンとマジョラムのスープ。
オーストリア版オニオングラタン風のスープです。(グラタンではないのだけれど)
実は、ちょっとこのスープは懐かしいの。
昔、ウィーンに行った時、コンサート帰りに入ったレストランで飲んだのがオニオンスー
プ。
玉ねぎがとても甘くて、大きなスープ皿と言うよりスープボールに入っているにも関わらず、飽きが来なかった事を思い出しました。
が、流石にこちらのオニオンスープは断然リッチ。
ビーフコンソメの芳醇な香りが鼻腔をくすぐるし、まさに、やめられない止まらない、と言った感じ。
飴色に炒めた玉ねぎの甘さと、濃厚なコンソメスープが寒い季節に体中に染みわたるのですが・・・・あれ、沈んでいるけど「浮き身」がいるじゃないですか?
もしかしたら違うかも知れませんが、オニオングラタンに浮いているバケット位の薄さのクヌーデルにチーズが練り込まれている様な気が・・・・チョット、このクヌーデル、一ひねりありそうです。
アミューズは、カマスと貴腐ワインビネガーのマリネ。オマールのサラダ。
意外とカマスがお魚感を主張していますが、貴腐ワインビネガーのほんのりとした甘味が舌に優しい。
日本の甘酢の様に、酸がカツーンと来ないので、次にオマールのサラダを食べても、またオマールから戻っても違和感がないのが嬉しいところ
シュタイニンガーさんの泡と一緒に。樽発酵樽熟成ですが、ほど良いトースト香。
アタックに仄かな甘味がありますが、全体のバランスは取れていて、おススメの食前酒
メインはお魚。お肉とお魚のフルコースでは食べ過ぎなので、メイン1品のショートコースに・・・・。
他所のお店でお魚を食べるとガッカリさせられるので、こちらに来たら絶対にお魚は外せません!!
お魚は鱸(確か・・・・お魚名は覚えていなくて、ゴメンナサイ)を生ハムで巻いてソテーしたもの。
お魚の後ろに横たわっているのが付け合せ。
トマトやズッキーニ等の色々なお野菜をパラチンケン(オーストリア版クレープ)で包んでいます。
トマトのおソースと共に・・・・このソースが、トマトの酸味にほど良いコクがあって美味しいの!恥ずかしいけれど、犬が舐めた様に完食
ワインはスマラクト(ヴァッハウ独自の格付け)で。
スマラクトの割に軽やかに仕上がっていました。
お待ちかねのデザート。手前はキャラメル味のパルフェ。
これに、メランジェとプチ・フール(写真無し)で、今年最後のディナー終了です。
来月の誕生日も当然こちらで迎える予定。
何となく、レープクーヘンと鴨のローストに変わっている様な気がしますが、私にとって、レープクーヘンは12月に食べる意味がある特別なお料理。
さて、次回の誕生日は何が食べられるか、今から楽しみです