さて、今回はいよいよ最終回ですが、ディアーヌの生涯を通して、「何だ、結局、彼女も選ばれた女性じゃない」と肩を落とした方もいらしたでしょうか?
確かにディアーヌは生まれながらに美貌に恵まれ、当時のエリート教育を受けた女性です。
階級制度が物を言う時代において、ディアーヌは幸運な星の下にいた事は確かです
しかし、幾ら大貴族や王家の家に生まれ、美しくても不幸な生涯を過した女性は履いて捨てる程いた時代が続いた事をお忘れなく。
寵姫が存在し、女性も権力を持てたフランスでは、お馬鹿さんでいたら女性は子を産む機械として終わっていたのですから
普通、王妃を差し置いて、愛人でありながら国家権力を握り、王妃以上の生活をしたとなれば悪女扱いされて然るべきところ、ディアーヌは、むしろ多くの女性の羨望を集めて来たのは、彼女は自分から何も求めず、勝手に愛してきた男に愛で応えたからです。それも誠心誠意。
視点を現代社会に向けましょう。
現代は、偶々好きになった方、お付合いしている方が年齢が離れた年下の男性と言う場合も少なくはないでしょう。
が、その様な多くの場合、女性の年齢が中々よい年齢である事が多いと思います。
さて、ある程度人生経験を積んだ大人の女性が、10歳近く年の離れた彼の心を掴み続けるのは、彼に何をしてあげられるのかが大事ではないでしょうか。
若い子には負けるとか、年上で肩身が狭い等、変えられない現実に不安を募らせるのは時間の無駄と言うもの
60歳になっても30歳の外見を保ったと言われるディアーヌも、努力したからこそ、若さと美貌をキープしたのですから。
男性を愛する前に、まず、自分を愛しましょう
そして何より大切な事は、自らの経験で培った事を恋愛に活かすと言う事です。
まさか、30歳過ぎまでボサ~っと生きてきた訳ではありませんよね?
男性だって厳しい目で見ていますから、20代半ばの子と同じ様な思考なら、敢えて年上女性を選ばないと思いませんか?
人はそれなりに人生経験を踏んでいる筈です。
それなら、貴女が今迄経験した喜びも痛みも、彼の為に注いであげて下さい。
自分の為にしてくれた喜びを伝える。
仕事に疲れたり、辛そうな時は、どうしたら彼に寄添ってあげられるかetc
今迄の経験してきた事と知性を駆使して、大切な彼に寄添ってあげる心のゆとりは大切だと思います
そして、アドバイスを求められた、彼の性格や気持ちを読み取りながら、適切な方向に導く。そこまでの責任が重いなら「私はこう思うな」で良いではありませんか?
齊藤芳乃さんの著書「恋愛レッスン」によると、女性は、男性に対して「娘」「女」「母」と言う3つの顔を使い分ける事が必要なのだそうです
娘とは男性の庇護を必要とする女性の弱さ、女は女性の繊細さや優しさ、母は母性ですね。
ディアーヌの例をみると、彼女の「娘」の部分は、宮廷で庇護がいない事。アンリだけが頼りで、アンリがひたすら注いでくれる愛を受け取り、その気持ちを喜び応えた事です
女の部分は、繊細さ、美しい物を美しいと感じ喜ぶ事。
ディアーヌは芸術の庇護者として美しい物で宮廷を作り文化を築きあげました。
それはディアーヌの夢であり、アンリがそれを実現させてくれた事の喜びだったのです。
勿論、女性として貞潔であり、優さや繊細さで、気配りが出来る事。女性らしい美しさを身に着ける表現する事も大切です
そして母。母性はもう言わなくてもお分かりですね。
ディアーヌはアンリが成年になっても、母の様な愛で愛する人を包み込みました。
アンリの基盤がしっかりする様に、廷臣の配置やかつて自分と対立した者にさえも寛大な心で接し、敷設を敷きました
アンリを王者に相応しい男性に導き、支えたディアーヌ。
国王の義務である世継ぎの誕生に至っては、自ら愛する人を他の女のベッドにさえ送ると言う苦しみさえアンリと共に分かち合ったのです。
・・・・尤も、有難い事に現代社会ではその心配はありませんけれど。
20代位まではノリや「○○して欲しい」と言う様な、お子ちゃま気分でも結婚や恋愛は通用しますが、恋愛も年齢と共にバージョンアップは必要です
クドイ様ですが、それが出来るのは知性と経験なのです。
相手の方の好みもありますから、誰もが年の差恋愛が出来るかと言うとご縁にもよるでしょう。
しかし、年齢と共に失う物があれば、得るものがあると言う事は、神様はなんと公平な事か!!
皆さんの人生の中で、素敵な年下の男性に出会ったなら、自分を卑下せず、その気持ちを大切にして下さい。
そして、貴女ならではの経験で、大切にその想いを育てて下さいね。