年齢に負けるな!年の差愛を成立させるには② | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

前回はディアーヌの半生に触れました。



40歳も年の差のある夫と友愛に満ちた結婚生活を送り、後に立場こそ19歳年下のアンリ2世の愛人とは言え実質の王妃として過したディアーヌラブラブ

 


・・・・とすると、彼女は生涯幸運に恵まれていたかの様に聞こえますが、そんな彼女にも不遇の時代はありました。

 


ブレゼ伯亡き後宮廷に戻ったディアーヌ。

そこでは国王の寵姫アンヌ・ド・デタンプが幅を効かせていましたプンプン

 


ディアーヌは乗馬で鍛えた狩りの名手でもあり、彼女の芸術に対する審美眼は鋭かった為、同じく狩猟と芸術を愛する国王フランソワのお供として大そう気に入られていたのです。


 

それを面白く思わなかった寵姫エタンプ夫人はディアーヌを逆恨みしムキーアンリが国王として戴冠する迄の長きに亘り、執拗にディアーヌを中傷し続け、宮廷を二分する程の騒ぎとなっていったのですゲッソリ

 


とは言え、ディアーヌは、年増扱いするエタンプ夫人のグサリとする悪口にも微笑んで受け流していたそう照れ

ここで表向きにやり返していたら、後ろ楯のいないディアーヌは地位や財産を剥奪される可能性がありますから、耐えるしかなかったのでしょうショボーン


 

寵姫vsディアーヌの対決は、2人の王子への愛情にまで及びました。

 


国王には外向的でチャーミングな兄フランソワと、王妃似の内気なアンリと言う2人の王子がいました。


国王は陰気なアンリを嫌い兄を可愛がると、当然エタンプ夫人も王太子側に付きました。

 


王妃の友人で王子の教育係だったディアーヌは、父から忌み嫌われた次男アンリを常に優しい愛情で見守ってきたのですおねがい

 

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果たして、数年後、王太子である兄がテニスの後に生水を飲んで急死し、やがて国王が崩御すると言う番狂わせを誰が予想出来たでしょう!!ドクロ


 

エタンプ夫人は、かつてのディアーヌの様に後ろ楯を失くしたばかりか、なんと、国王の側で見聞きした軍事情報を、神聖ローマ帝国兼スペイン王カール5世に流していたスパイとして逮捕されるのです!!

 


根は陽気ですが決して思慮深くも、聡明でもないエタンプ夫人の事ですから、王様の脇で聞いた事を、事の重大さも考えず取巻き達との軽いお喋りとして話していたのでしょう。

 


父フランソワの後国王となったアンリは、長年最愛の人が誹謗中傷に傷付けられていた事は承知していましたからハッ、エタンプ夫人の領地・財産を没収した挙句、反逆罪で死刑を宣告したのです。



アンリは愛する人を苦しめるエタンプ夫人に仕返しをした訳です。

 


しかし、死刑に反対したディアーヌびっくり

彼女の判断は賢明でした。


 

もしここで死刑にしたら、縁戚子孫から恨まれ、宮廷からも寵姫に勝ち思い上った女の烙印を押され、ディアーヌやアンリを恨む輩は出てくる事でしょう。

そう判断したディアーヌは、アンリが取り上げた、かつて前王が寵姫に贈った宝石や城を譲り受けるだけで、必要以上の処罰を与える事はしませんでした。


それによって、アンリの治世になった時、報復を企てる者からアンリを守ろうとしたのです。 


誹謗中傷や理不尽な嫌がらせを受ければ、その傷は忘れないものです。

しかし、それをやり返せば倍になって我が身に返って来るものです。


 

ディアーヌは10数年に亘って寵姫から苛めに耐えました。

それも、自分よりずっと年下の女性からの嫌がらせですから、どれ程腹に据えた事か、女性なら想像出来ますね。


 

他にも、ディアーヌは、前王存命中に対立した者達でも、国家の役に立つ者は役職を与える等、決して報復に出る事はしませんでした。


 

ディアーヌが報復を避け、貧しい物には施しさえ行ったのは、アンリの治世を安定させる為だった事は言うまでもありません

 


アンヌ・ボージュの宮廷と亡き夫からエリート教育を受け、身の処し方を学び、自らの目で宮廷の浮き沈みを見て来たディアーヌは、若く未成熟な恋人アンリを安全に導き、才能を開花させる為に個人的な感情を抑え、冷静に立ち回ったと言えるでしょうハート

 


アンリはカトリーヌ・メディチと言う妃を持ちますが、妃は世継ぎを残す為の道具に過ぎず、当時は、女性もそう言うものだと割り切っていたところがありました。

 


ただ、カトリーヌにとって不幸だったのは、結婚式で夫を見た時、恋をしてしまった事恋の矢

 


実は、カトリーヌはディアーヌの遠縁に当たります。

 


ディアーヌの身分ならアンリの正式な妃となる事も可能でしたが、政策上、自分より劣る女に、その座を譲らなくてはならなかった。

王妃を嫌い、王妃の寝室へ向おうとしないアンリを何とか王妃の元へ送り出し、宮廷から爪弾きにされている正妻である王妃の支えとなる苦汁を飲むえーん


 

これらは愛する者への献身であると同時に、事実上の王妃が自分である自信、アンリを中心とする宮廷での地位と一族の所有財産の確保と言う、利害関係によって成立していました。


 

ディアーヌは愛情深い女でありながら、冷静な事業家の側面も持っていたのですニヤ

 


さて、大分横道に逸れましたが、何故19歳と言う年の差がありながら生涯狂おしい程愛されたのか、その一端を見て頂けたかと思います。

 


では、次にディアーヌとアンリの関わりから、何故、ここまで愛されたのかを解いていきましょう。

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※お写真はお借りしました

 

・・・・to be continued