長寿化、晩婚化で年の差カップルは大分定着しました。
とは言え、世の中は意地悪なもので、かなり年上の男性と結婚された方に財産目当てだと言われ、年下の男性とお付合いする女性に対しては羨望の眼差しが注がれるものの「ふん、どうせ捨てられるわよ」等とやっかみ発言が囁かれたり・・・・。
しかし、世間の基準などお構いなしに幸せな恋愛や結婚をされているカップルも多いものです
さて、16世紀のフランス・ルネサンスの時代に、現代に先駆けて年の差事実婚で熱烈に愛された女性がいます。
※お写真はお借りしました
15歳で40歳近くも年上の男性と結婚し、夫亡き後は約20歳年下の王太子に生涯に亘って愛されると言う、極端な年の差婚で幸せを掴んだのが、ディアーヌ・ド・ポワティエ。
しかも最初の結婚でも2度目の結婚でも、幸せを満喫したのですから、この時代の女性では、ディアーヌはかなりの幸せ者です
今回は、ディアーヌ・ド・ボアティエを通して、年の差男子の愛し方について、4回シリーズでお伝えします。
途中、他の投稿も挟みますが、最後まで楽しんで頂けると、嬉しいです。
ディアーヌはフランス南東部ドーフィネの名門貴族サン・ヴァリエ伯の長女して、この世に生を受けるのですが、生まれた時から特別な存在感があったそうです。
姉妹弟の中でも父親のお気に入りとして、フランス宮廷で一番聡明なアンヌ・ボージュの元で一流の教育を受け、王妃のお気に入りとして王妃付きの女官となるのですが、同時に、国王フランソワ1世のお気に入りでもあったのです
そんなディアーヌが最初の結婚をしたのは15歳の時。
相手は40歳年上の大貴族ルイ・ド・ブレゼ伯爵でした
このブログを読む多くの方が「ひえっ!」と思う様に、ディアーヌも最初から何もすき好んでブレゼ伯と結婚した訳ではありません。
しかし、当時は名門貴族の家に生まれれば、家の所有地や地位を固め、拡大させる事が16世紀の時代の貴婦人に期待されていた事でした。
そして、聡明なディアーヌは、アンヌ・ボージュの宮廷で見聞きした経験を元に、どう立ち回れば自分に利があるのか冷静に判断したのです
かくして、当時の年齢から言えば、祖父と孫程年の違うカップルが誕生し、ディアーヌは晴れて国王の信頼厚いノルマンディー大総督夫人となったのです。
では、この結婚はディアーヌにとって愛のない幸薄いものだったかと言うと、これが全くの逆。
聡明なディアーヌは自分がどの様な女となり、どの様に思考し行動すれば幸せな将来が得られるか、幼い頃からの教育で分かっていたのでしょう。
ディアーヌはブレゼ伯との結婚によって、先に挙げた所有地と地位を守り、拡大させただけではなく、この夫婦は尊敬と称賛を交し合っており、友情溢れる穏やかな愛情があったのです
ブレゼ伯はディアーヌに総督夫人として手解きをし、自身の経験からディアーヌに宮廷で生き抜く為の知恵を教え、宮廷での安定した地位と人脈を与えたのです。
それに対して、ディアーヌは誘惑の多い宮廷においても、貞淑に夫だけを愛しました。
夫の最晩年には、宮廷から引き下がり、アネの城に籠って病に倒れた夫を献身的に看病し、少しでも回復に向かう様、有力な医者を各地から呼び寄せて看護にあたった程
約17年間の結婚生活は、ディアーヌを成熟した女性にし、洗練された教養を与え、政治、権力、金を巡る男の世界を理解させたのです。
そして、これらの経験によって自分の知性と美しさを愛する者達の為にどう利用するかを覚えていったのでした
ディアーヌはブレゼ伯によって与えられた、これらの知性と経験を19歳年下のアンリへと注いで行く事になるのです
・・・・to be continued