ヴァス・フェリックス
ソーヴィニヨン・ブラン セミヨン 2013
西オーストラリア州にあるマーガレット・リヴァーのワイン。
地図で言うと、首都パース(オーストラリアの左下の方)より南に400km下ったところ。
西オーストラリア州は生産規模は少量ですが、高級品を生む比較的新しいエリア。
中でも、海沿いの産地マーガレット・リヴァーは、海洋性気候でボルドーとよく似ており、エレガントなワインを作っています。
このマーガレット・リヴァーで最初のビジネスとして葡萄栽培とワイナリーを設立したのが、ヴァス・フェリックス。
使用品種はソーヴィニヨン・ブラン77%、セミヨン23%
香りは、まず最初に来るのが、ライムやレモン、グレープフルーツの香り。ソーヴィニヨン・ブラン由来の香りが最初に来ます。
徐々に、パッションフルーツの香り、このパッションフルーツの香りはセミヨンから。
マーガレットの芯の様な、黄色系の花と白系の花がまざった様な香りも感じられます。
他には、カシスの芽、エストラゴンの様なハーブの香り。
香りの構成要素としては、典型的なボルドーの白ワイン(ソーヴィニヨン+セミヨン)の香り。
ただ、ボルドーの様にセミヨンとソーヴィニヨンが調和した感じと言うより、ソーヴィニヨンが最初にきて、あとからセミヨンが来るといった印象。
ボルドーより品種の個性が分かり易やすく、綺麗に纏まっています。
データーでは、シナモンやクローブ、バニラなどのスパイスの風味がある(フレンチオーク使用)と書かれていますが、これらのスパイシーな香りは、殆ど感じられません。
味わいは、アタックに優しい甘味を感じますが、直ぐに、フレッシュな酸が口中に広がります。ジワジワと収斂性のある酸味と苦味が追いかけ、最後は収斂性のある酸味が舌の上に乗っかる感じ。
この収斂性がフレンチオークの影響。酸味に上手く、苦味が溶け込んでいます。
フレンチオーク使用と言えど、多分古樽を使っている筈。
業者さんのデータで言う程、オークの影響は受けているとは思えません。どちらかと言うと、キャップシール製で見られる通り、フレッシュな印象です。
ミネラル香は穏やか。
フレッシュ感を主体としながらも、複雑性が感じられ、気軽に飲めるワインでありながら好印象なワイン。
お魚のソテー、野菜料理ならフムスの様にお野菜の軽さを伴いながらもオイルの重さをプラスした料理。
隠元など野菜をソテーしたもの等、フレッシュさを感じる軽いお料理向き。
但し、魚介類なら、単なるシーフードサラダより、ソテーなど、熱を入れてお魚の旨味を凝縮させた料理に合わせたいワイン。
全体的にバランス良く、綺麗に纏まった、文句なく美味しいカジュアルクラスのワイン。
余談ながら、ソーヴィニヨン・ブランがそうさせるのか、ソーヴィニヨン・ブラン+セミヨンがなせる技なのか不明ですが、飲んだ後に、何かさっぱりとしたモノが欲しくなるワイン。
多分酸がしっかりしている為に、酸以外のもので口中をさっぱりさせたくなるんだと思います。
ワイン自体がサッパリしているのに、サッパリとしたモノが欲しいと言うのも変な言い方ですが、例えば、稲庭うどん、青ネギの入った玉子雑炊、もしくはアイスクリームの様な物が欲しくなるワイン。
糖質が欲しくなるサッパリさ。
これ、すなわちボルドーの白の典型的なスタイルです。
ボルドーの白ワインを飲むと、懐石料理のお品書きでいう「ご飯」の部分が必須になります。
しかも、炭水化物と言っても、決してラーメンではないんです。
もう少し繊細なサッパリさ。
このワインも、完全にボルドータイプの流れを汲んでいます。
因みに、この日の我が家の対応策はハーゲンダッツのヨーグルト+蜂蜜でした。
※香りに、直接的なフレンチオークの影響はありません。味わいで、酸味に収斂性が乗っかっている部分に若干の印象が感じられる程度。
空き瓶等から香りを摂ると、若干ミネラルの香りにオークの香りが乗って来る程度。