マウント・マクラウド ピノ・ノワール 2013 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

マウント・マクラウド ピノ・ノワール 2013

カレドニア・オーストラリス・ヴィンヤード

 


ヴィクトリア州のサブ・リジョン、尤も冷涼な地域と言われる、ギプスランド南部のレーオンガサにあるワイナリー。



醸造担当のマーティン・ウィリアム氏は、カリフォルニア大学ディヴィス校にて醸造学を専攻し、フランスでは、ドメーヌ・トロ・ボー、プス・ドール、アンヌ・グロ等で経験を積んできました。

 


テクニカルデータによると

平均樹齢 16年。発酵は、上蓋開きのステンレスタンクにて2830度で7日。熟成はフレンチオークにて10ヶ月。うち新樽5%で228ℓの小樽と800ℓの大樽を使用しています。

夏の平均気温は18.7度。昼夜の寒暖差は12.8度ですから、葡萄栽培には理想的な気候です。

 


先ずテイスティングコメントに入る前に一言、言わせて頂こう。

 


果実の凝縮感、テロワールやピノノワールの特徴的な香りである、枯葉(タバコ、スパイス香り含む)やなめし皮等、官能的な要素を求めるなら、フラもンスに関して言わせて頂くと、5千円以下のピノノワールでは無理。嫌な言い方だけど、それが現状です。

単に酸っぱいだけの薄っぺらいワインになってしまう。

 


ピノノワールの片鱗は欲しいんだけど・・・でも、デュガとかボギュエやルーミエの様な凝縮した果実味のあるピノ・ノワールが飲みたいけれど、カジュアル価格で・・・と無理難題を押し付けた矢先に行きつくのが、ニュージーランドかオーストラリアです。

 


勿論、目くるめく官能的な世界は、新世界でも、それ相応にpayしないと無理ですが、並のピノ・ノワールらしくて良いんじゃない?というレベルをカジュアル価格で堪能するならオーストラリアかニュージランドです。



しかも、オーストラリアよりニュージーランドの方がタンニンの柔らかさ等より、ブルゴーニュ的。

 


因みに、カリフォルニアのピノ・ノワールは、カルトワインと呼ばれる、数万円クラスのワインではないと、ブルゴーニュに並ぶピノ・ノワールは望めません。

カジュアル価格のピノ・ノワール(カベルネソーヴィニヨンも)は別物と考えた方が良いと言えます。

 


さて、某百貨店のピノ・ノワール5本セットの中でも、ブルガリアやチリ等、個人的にはいまひとつ信用出来ない地域を先に飲み、最後にとっておいたのが、オーストラリアのピノ・ノワール。

クドイようだが、個人的にはニュージーランドの方が、より好意的だ。

 


香りは、梅ジャム、チェリーやストロベリーの様な赤系フルールの香り。ミネラル、バラ、オリエンタルスパイス(?)。

香りのトーンは弱め。

 


抜栓した瞬間の香りは凝縮感を期待しますが、上質のブルゴーニュを期待してしまうと、そこまで追付かない。

 


明るい赤系のフルーツの香りがやや閉じた印象。若干、チャツネの様なフルーツが煮詰まった感の香りがあります。

 


若々しい色調で、香りにも若々しさがあるのに、時折、劣化ではないのですが、少し落ちてしまった様な不思議な香りを感じます。保存状態が悪かったのかしら?

それを、ややドライなハーブと表現する事も可能かもしれませんが、ブルゴーニュを基準としたピノ系の香りとは一線を画します。

 


味わいは、アタックに優しい果実味。渋みは綺麗に溶け込んで、シルキーな印象。

心地良い酸が最初から最後まで綺麗に持続し、全体的にバランスよく纏まっています。

 


家庭の和食にも合わせやすく、新大陸のピノノワールの王道を行くワイン。

 


プチプラワインと言うカテゴリーで考えると、コスト的に釣りあいが取れていると言えます。