今年は、急激に暑くなったり、温度が下がったり体調管理が難しいですね。
さて、この時期気になるのが食中毒
赤ワインの健康効果ばかり取り上げられていますが、食中毒対策に活躍してくれるのが白ワインです。
日本では昔から殺菌効果の高い、お酢で魚を〆る習慣があります。
他にも、柑橘類を使ったり、梅肉で頂く等、美味しいと言う理由だけではなく、菌から身体を守る工夫がされていました
生ガキに白ワインを合わせるのも、昔は鉄道が発達していなかった為、牡蠣がパリに着く頃には傷んでしまう事が多く、お洒落なパリジャン達の間で、レモンの代わりに酸の高い、シャブリのワインと一緒に楽しまれていたんです。
尤も、生牡蠣に合わせるのは、シャブリやプティシャブリと言った格下のワイン。
プルミエクリュ(1級畑)やグランクリュ(特級畑)のクラスのシャブリは、樽熟成をしている為、生牡蠣には合わないんです。
その代わり、牡蠣フライやグラタン、お魚のムニエルなどヴォリュームアップしたお料理と一緒に楽しんで下さいね。
因みに生牡蠣にシャブリを合わせていたのは、鉄道の便からシャブリ地区のワインがパリに大量に流通されていたからで、酸が高いワインなら、シャブリに限らず、ミュスカデでも、ソーヴィニヨン・ブランでも良いと言う訳です。
では、何故白ワインは抗菌作用が強いかと言いますと・・・・。
ワインには、数々の有機酸が混在していますが、代表的なのが、リンゴ酸、酒石酸、乳酸。
特に、このリンゴ酸と言うのが名前の如く、青りんごやレモンを齧った時に感じる、非常に酸っぱい酸なんです。
そして、赤ワインはMLF(マロラクティック発酵)をしていますので、乳酸が多い。
この乳酸は乳酸菌によって酸の量が大幅に減る為、殺菌効果としてはリンゴ酸や酒石酸の方が効果が高くなります。
このリンゴ酸や酒石酸を多く含んでいるのが、白ワインと言う訳なんです。
そして、面白い事に
ブルゴーニュの白ワインを飲みながら、お刺身…特に生のイカなど食べると生臭さが倍増します
そうなんです。
巷では魚は白と言われますが、魚に合わない白ワインもあるので気を付けて下さい。
そして、このブルゴーニュの白ワインは、MLFがされていて、乳酸が主体なんです。
想像してみて下さい。
お刺身にレモンをかける事(カルパッチョなど)はあっても、ヨーグルトは合わなさそうですよね?
また、心なしかイタリアの沿岸部のワインは、下の中央部に塩味を感じさせる酒石酸が多い様に感じます。
魚介類には、ほんのりと塩味がありますから、この酒石酸もお魚との相性はOK。
やはり、地の食材と地のワインは合うというのも分かります。
他にも白ワインは利尿作用に効果があったり、長期的に飲めば赤ワインより心疾患に効果があるとも言われています。
美白効果もあるとか、ないとか・・・・。
ガツンとした味を好む男性は、赤ワインを好まれる方が多く、酸のしっかりとしている白ワインは余りお好きでない方も多い様です。
どちらかと言えば、白ワインは女性の向きなワインかもしれません。
これから、暫くは冷しゃぶや冷奴、鱧や鮎などさっぱりしたお料理が欲しくなります。
ハーブの香りのする白ワインが活躍する季節。
飲んで美味しく、食中毒も予防するとなれば、飲んで損はありませんよ