シングル・ヴァレー・ロット ピノ・ノワール グラン・レセルバ 2012
ヴィーニャ・バルディビエソ
チリはアコンカグア地方、カサブランカ・ヴァレーのD.O。
ステンレス発酵、熟成はフレンチオーク50%で10ヶ月熟成。樹齢12年の葡萄の樹からつくるピノ・ノワール100%。
チリと言えば、唯一フィロキセラ(俗に葡萄根あぶら虫と呼ばれ、葡萄の根に寄生し葡萄の樹を枯死させてしまう。ヨーロッパではフィロキセラによってほぼ壊滅状態となる)の害を受けていない地域。
と、言うと評価は高い筈なのだけれど、どうもチリと言うと安いバルクワインの産地と言うイメージが拭えない。
しかも、日照に恵まれている新世界ワイン。フランスワインの様な陰影に富んだ、官能的なワインは望めないと言う理由で、どうも避けてしまうチリ。
我が家はワイン消費量が多いので、在庫を絶やさない為、苦肉の策で手を出した百貨店のピノ・ノワール6本セットの中の1本、さていかに。
外観は紫がかった、やや明るめのガーネット。
香りは、苺、ラズベリーなど系果実のコンフィ。
若干梅の様な、ピノ特有の香りも感じられます。
木、樹脂などバルサミック系の香り、ミネラル、インク、お花などの香り。甘草等。
香りの構成要素はシンプル。
味わいは、アタックに優しい果実味。直ぐにしっかりとした酸が追いかけてくる印象。
酸に乗っかって細かいタンニンが、舌の両脇からジワジワと押し寄せてくる感じ。
フィニッシュに酸と苦味が舌の上に乗っかる感じです。
軽いピノ・ノワールと言った印象ですが、果実の凝縮度の割に、苦味が勝っている、バランスの悪さを感じます。
苦味の印象から言うと、良く言えば、グロ・フレール・エ・スールのブルゴーニュ・ルージュ的。
但し、グロ・フレール・エ・スールはタンニンも強いが、果実味も、もう少ししっかりしている。
価格で言えば、ブルゴーニュは同品質でも千円台や2千円台では飲めない事を思えば、悪くはないのかも知れない。
が、個人的には同じ新世界ワインなら、もう少しpayしても、ニュージーランドかオーストラリアのピノ・ノワールを選びたいところ。
悪くはないけれど、安かろう悪かろうと言った印象は否めない。
個人的には、好ましいとは思わない。
つくづくピノ・ノワールは気難しい品種だと言う事を実感。
やはり、ピノ・ノワールの何本セットと言うのは、例え新世界物でも購入は考えた方が良いのか?と思う。(あと5本残っているんだけど・・・・)
※この原稿は昨年8月に書いたものです。PN5本セットは無事(?)飲み切りました。