適齢期のテレーゼは、名門中の名門のお姫様ですから、縁談も引く手あまた。
重臣オイゲン公や皇帝侍従長のバルテンシュタイン等、重臣の何名かは、後のテレーゼの不俱載天の敵となるプロイセン王フリードリヒを結婚相手として推薦していたんです。
因みにバルテンシュタインはテレーゼが女王として即位した時、自分が、かつてフリードリヒとの結婚を推薦した為、フランツとテレーゼから首にされると、ずっとビクビクしていたんだそうです。
それを知ったテレーゼは「何を馬鹿な事を!貴方には、まだまだ、やって頂かなくてはならない事が沢山あるのですよ」と、夫婦揃って、笑いながら心配を解いたそうですけど・・・・まぁ、幸せなら、過去の事は気にしないと言う事なんでしょうね。
確かに、フリードリヒと結婚していれば、領土を狙われる事はなかったけれど、「女など所詮子供を作る道具さ」と冷徹なフリードヒリの事を、テレーゼは怖気も震える程大嫌い。
父カール6世が急逝し、喪も明けない内から、豊穣なシュレージエンを占拠した事から、「悪魔」「おぞましい隣人」「化物」と決して名前で呼ばない程、憎みに憎んだテレーゼですから、もしも、フリードリヒとの縁談が纏まっていたらと思うと、テレーゼはぞっとしたでしょうね。
運命の赤い糸とか宿縁と聞くと、強い絆で固く結ばれている様な気がしますが、運命の赤い糸なんて、この様に色々な人と繋がっているものなんです。
正確に言えば、繋がる可能性があるものと言った方が良いかも知れませんね。
フランツと離れ離れになり、宮廷では別の王子との結婚話が浮上する中、この2人が結ばれたのには、どんな経緯があったのでしょうか?
・・・・・to be continued