パッソドーブレ2011 | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。


パッソドーブレ
2011 マァジ


イタリアのワイナリーマァジ社がアルゼンチンで作るワイン。


ヴェネト地方の固有のブドウ品種が育ちうる環境を探して、ニューワールドのいくつもの国の調査を進めた結果、もっとも有望な土地をアルゼンチンのメンドーサ州の火山の麓にあるTUPUNGATO(トゥプンガート)渓谷に見つけることができました。 MASIはここにブドウ栽培とワイン醸造に必要な土地を購入し、「Vigneti La Arboleda(ヴィネッティ・ラ・アルボレーダ)」農園でこのプロジェクトを開始し。

女性の感性でワインをプロデュースしている作り手です。


使用品種は、マルベックを主体に、竹の棚の上で葡萄を半乾燥させアロマと味を凝縮させたコルヴィーナをブレンドして使用しています。


さて、今週のカジュアルワインのコーナーで、アルゼンチンワインは初登場。


何故、アルゼンチンワインを購入したのかと言うと・・・・本当に個人的趣味で申し訳ないのですが、IL DIVOのアルバム「AMOR & PASION」がここ数ヶ月間のお気に入りなのですが、このアルバム、今までのクラシック路線ではなく、ラテン音楽なんです。



余りラテンには興味がないのですが、「POR UNA CABEZA」と言うタンゴのリズムに妙にハマってしまいまして・・・タンゴと言えばアルゼンチン。



そうだ、アルゼンチンワインを飲もう!と言うかなり単純な理由から選んでみました。


ワイン選びって、そういうアホみたいな理由で良いんです。


ワインとの出会いって恋愛みたいなもの(?)で・・・うーん、ラテン系な言い方ですが・・・、取るに足らないキッカケから、チョット飲んでみたいと言う衝動に駆られて、「うーん、中々・・・」ともっと知りたくなる・・・知性的な恋愛を楽しむ様な、そんな楽しみがあるお酒なんです。



恋愛と違って、傷付く事もないし、傷付ける事もないし・・・そして、人間の心の淵を刺激する様な・・・アルコールの醍醐味って、そんなもので・・・お子ちゃまにはわかるまい。


さて、2年程前、アルゼンチンワインを頂いた事があり、アルゼンチンのマルベックが中々良かった事を記憶しています。


マルベックはフランスでは、ボルドーの補助品種として若干使われていますが、主に、スペインとの国境付近にある南西地方で使われている品種です。



フランスでは、黒系のベリーの中に若干赤系のベリーも感じられ、ガリークと言われる乾燥ハーブや灌木の様なスパイシーな香りの感じられるエレガントなワインですが、堂々と主役を張るにはいま一つマイナーな品種。

しかし、アルゼンチンではマルベックが主要品種として注目を浴びています。


アルゼンチンにいくと、完熟したブラックベリーの香りが主体ながら、スパイスの香りもあり、ニューワールド特有のジャミーな印象がないながらも、フランスより取っ付きやすいワインだった記憶があります。


さて、今回のワインですが、


香りはブラックベリー、ブルーベリーなど黒系の果実の香り。

カカオ、エスプレッソ、甘草の香り。若干ブラックペッパー等スパイシーな香りもあります。

果実の香りの他に特徴的なのは、茎、木、樹脂の様なバルサミック系の香です。



生肉や土(?)の様な・・・これは還元的な香り。空気に触れさせれば、少しずつ薄れて行くと思います。



ややもすれば、これらの香りをスーボワと取る人もいるかもしれませんが、枯葉系の香りや元々も香りに土っぽさがないので、熟成してもトリュフやスーボワにはならないかと思います。


味わいは、ふくよかな印象。アタックで果実味がアルコールのヴォリューム感と共に、ボンと広がる印象。酸やタンニンは共にシルキーでこなれた印象です。

特に苦味が吐出する訳でもなく、全体的に非常にバランスが良い。


旧大陸(ヨーロッパ)のワインをお手本にした様な綺麗なワイン。


と言うのも、果実味が主張しすぎる、安価なカリ・カベやチリ・カベ(カリフォルニアやチリのカベルネソーヴィニヨン)と一線を画し、気さくながらエレガントさを伴ったワインに仕上がっているのが嬉しいところ。


そして、旧大陸のワインにはどこか茎っぽさ・・・それが乾燥ハーブだったり、樹脂だったりと形相は変わりますが・・・があるのですが、その面影を残しているのが、このワイン。



フランスワインで育った人間には、このエルバッセの香りが、一つの懐かしさと言うか「これなんだよね!」と言うThis is itです(分かりにくい表現でごめんなさい)。


さて、相性料理となるとローズマリーなどハーブを使ったお肉料理のグリルやロースト等。

他には、ジャンを使った中華も可。


中華でワインを飲む時は、メルロを使うと外しません。

アルゼンチンのマルベックはメルロとはまた違いますが、このワイン¥2,400(税抜き)の価格帯なら全然OKです。


あとはウォッシュタイプのチーズも良いかな?


2千円台のカジュアル価格で楽しむなら、アルゼンチンのマルベックは面白いワインです