王様達は仕事をしないで、贅沢をして遊んでばかりいた、と思っている方は意外と多いかもしれません。
しかし、それは大きな間違い!
ルイ14世だって、1日8時間は執務に費やしていたんです。
書類と格闘し、大使達と謁見し、閣議を開き、社交して、寝る間を惜しんで恋愛をする。
自分の為のお楽しみの時間なんて、僅かなものです。
国家のトップとは、周りの貴族が暇を持て余していても、仕事に追われる身だったのです。
国民の手本となるよう、常に自分を律し、人から見られ、休みなく働く。
つまり、タフでなければ務まりません。
派手で華やかなフランス宮廷に対して、真面目で秩序を重んじるオーストリア宮廷。
ここでも君主達は、朝も早くから執務をし、各国の大使達と会談をし、閣議に出席する傍ら、夜遅くまで仕事に社交に精を出す。
彼らは、まるで熱血サラリーマンの様です。
いったい、その体力はどこから来るのでしょう?
私達の周りにも超多忙な人達はいます。
お教室で教え、執筆活動をし、TV出演をする傍ら、社交(?)をこなす、私の師匠達。
しかも、疲れた顔を見せず、いつもエネルギッシュな姿は、通勤だけで疲れきっていた私には、どこにその体力が来るのか不思議でした。
そこで、私、何気なく観察し、元気の源は何か分析してみました。
一概には言えませんが、エネルギッシュな方達、特に、忙しく、眠る時間が少ない人程、しっかりと食べている人が多い様な気がします。
歴史を辿ってみれば、ルイ14世も眠らない代わりに、しっかりと食事を摂っていましたし、マリア・テレジアはオリオ・スープと呼ばれる、栄養満点で高カロリースなペイン風ごった煮を1日に何杯も飲んでいました。
当時の宮廷は、1度の食事で、フルコースが2回、第1コースと第2コースと言う様に出され、しかも、オードヴルから始まる全ての料理は数種類用意され、王様達はその中から食べたい物を選んで食べていたんです。
それこそ、お昼でも9品や10数品と品数が多く、バターもたっぷりと使い、ヘルシー志向の現代人の感覚では、カロリーの高い食事を摂っていました。
当然、出された料理の殆どは食べ残しとなります。
では、余った料理はどうなるのでしょうか?
余った料理は、王室の残り物を出す惣菜屋に払下げられ、市民達の間で、直ぐに売れたと言いますから、十分リサイクル機能は果たしていたけれど、量と言いシステムと言い、現代人の感覚からは想像が付きませんね
ルイ14世に至っては、晩年は、長生きをしたければ、食事の量を減らす様に指摘された程。
でも、その位食べないと、気力も体力も付いていかなかったのではないと思うのです。
現代人は食を疎かにする方が多いですが、疲れやすく、持続力もない人が多い様な気がします。
・・・・to be continued