ポール・バラ グラン・クリュ ブリュットNV
今年最初のカジュアルワインは、年頭と言う事でシャンパーニュです。
ブジーと言えば、シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュに格付けされた村の中でも力強いピノ・ノワールを生む村です。
さて、このブジーに1800年から居を構えているのがRMポール・バラ。
RMとはレコルタン・マニピュランの略で、農家さんが作るシャンパーニュの事。
一時期、RM人気が沸騰しましたが、レベルの高いシャンパーニュを作るRMはほんの一握りと思って頂いて間違いありません。
しかも、素晴しいシャンパーニュを作るRMは価格が高騰したり、ロット数が少ない為入手が難しい。
また、リザーブワインが少ない事もあり、年によって品質にバラつきがある為、贈答にするなら、余程信用のおけるトップRMでない限りNM(ネゴシアン・マニピュラン=大手メーカー)ものをお薦めします。
これは、シャンパンの講師をした経験から断言しますと、かなり限定された一部のRM以外、フィネスがないと言うのが現状だからです。
リザーヴワインの少なさを、醸造過程で補おうとしているのか、RMは酸化し過ぎと言う印象が拭えないのが現状で、NMの持つエレガントさと力強さのバランスの良さに欠けます。
さて、ポール・バラですが、高品質志向のレコルタン・マニピュラン同士で結成したクラブ・トレゾール・ド・シャンパーニュの主要メンバーで、この組織では第二次発酵前のキュヴェが会員の試飲チェックに認められないと、保証シールを得ることができないという厳しさです。
RMの特徴として、自分の作りたい様にシャンパーニュを作れる事。
NMは会社のイメージが決まっているので、受け継がれた味わいを返る事は出来ません。
畑も小さいのでビオデナミやリュットレゾネなどに取り組みやすいのも特徴です。
ポール・バラは、畑での作業も、必要な際に必要量のみ化学薬品を用いる「センシティヴ・オーガニック」。
果汁も一番搾りのキュヴェのみを使用し、プルミエ・タイユ(二番絞り)はよそに売却しています。
まさに「畑に生きるリコルタン・マニピュラン」といったところ。
セパージュはピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
香りの第一印象はフレッシュなりんご。しかし、時間の経過と共に、徐々に熟れたリンゴのイメージに変化するものの、綺麗な果実の香りが主体。
他には、白いパン、わずかにスパイス、白いお花、ミネラルの香り。
熟成感のある香りがあるので、ピノ・ムニエのブレンドも予想しがちだが、蒸れたミカンの様な出過ぎた感がないのは、長期による熟成によるものなのか・・・いずれにしても、綺麗な熟成感を感じさせる香り。
味わいは、アタックにほのかな甘味を感じさせるも、酸とアタックの甘味、後半の苦味のバランスは良く、フレッシュ感を保ちつつ綺麗に纏まっている味わい。
食前酒として楽しむと言うより、コールドミートのオードブル等食事と合わせたいシャンパーニュ。
アフターフレーバーに、やはり熟したリンゴとイースト香がバランス良く感じられる。
鶏肉など白身のお肉、サラダ等。
ヘルシー志向の方には、豆乳を使ったクリーム系の料理でも対応可能です。
※空になった瓶の香りを取ると、取り辛かった香りを確認する事が出来ます。
このシャンパーニュは空き瓶から香りを確認すると、ベリーの香がハッキリと感じ取れ、シャンパーニュは潜在的にベリーの香りがあり、ピノ・ノワールの比率が高いドメーヌならではのシャンパーニュ。