成功は手に負える範囲から② | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

時はナショナリズムに荒れる動乱期。



イタリアでも独立運動が盛んになり、一時はパルマでも暴動の危機が迫りました。叫び


しかし、パルマの場合は暴徒が詰めかけても、暴力で解決するのではなく、暴徒の代表30名とマリー・ルイーズが直接話し合い、鎮圧すると言う温和なもの。


彼女がパルマ市民に対して施してきた善政に恩義を感じていた市民達は、話し合いの末、彼女が亡くなる迄は大人しくハプスブルク領として甘んじる事としたのです。ニコニコ


しかも共和制が支持される時代に、市民の中には宮殿の前を通る時に「女王様万歳」と声をかける者も大勢いたのですから、彼女の統治は成功したと言えるでしょう。


時の宰相メッテルニヒですら、ウィーン市民から辞任に追い込まれた時代です。

自分をナポレオンに売渡した憎き宰相は、パルマが無傷でいるのはどの様な統治をしたのか皮肉を込めて問うたのでした。


その時彼女は、「自分は政治の事は良く知らないけれど、皆が困っていること、皆が必要な事をするのを手伝ってきただけだ」と答えました。


能力があり支配力の強い男性が、是が非でも他国や領地を支配しようと、多くの犠牲の上に、自分のやり方に固執する中、女性であるマリー・ルイーズは、自分に課せられたパルマと言う小国だけを見つめて、福祉や産業の復興など基盤を整える事によって国の安定と経済的繁栄に繋げたのです。


まさに「自分の手に追える範囲の事を一生懸命にやる」と言う事だと思いませんか?


何かを始める時、物事が上手く行かない時、早く目標や夢に近付きたいと焦る気持ちが起るのは当然です。

特にビジネスに関わる事なら「大きくしたい」とか「設けたい」と誰もが思う事です。


しかし、自分の力量を越えたり、本来あるべき姿から外れてまでニーズに応えても、自分も苦しいし、内容の伴わないものを提供するだけだと思います。


人が飛びつく様なタイトルを謳っても内容が希薄だったり、過重労働になるなど、これでは自分も周囲も疲弊してしまいます。


例えば、ブラック企業なるものは自分の手中範囲を超える事をした結果、社員を社畜として扱わざるを得なくなってしまった結果だと思うのです。


私は、「自分の目の届く範囲の事をしっかりとやる」事が、自分とクライアントさんにとって一番幸せな形ではないかと思います。


景気が上向きになったとは言え、経済が低下し、少しでも安価なものへと人が流れた結果、価格競争も行詰り、差別化する為に、今度はサーヴィスや付加価値で競争をしています。



これが物質社会の、ビジネスの現状です。


しかし、そこには誰もが手を出せるコストであっても、全てが画一的で、本物が放つ絶対的なオーラやホスピタリティで上質なサーヴィスなど個人に寄添ってくれる何かがありません。


最大公約数の人が安心出来るもの、便利でお手軽、低コストを求める人の為だけの薄っぺらいものしかないのです。


これからは、どんどん個が外に向かって出て行く時代になる事でしょう。

自分が良いと思うものを提供し、自分が良いと思う考え方をシェアしていく時代になると思います。


でも、そこに「競争」は要りません。


小さく初めて、大きく育てていく、又は、小さいままでも、本物を伝えて行く。


そんなやり方があって良いと、私は思います。