ベネズエラの音楽の奇蹟①-ベネズエラ大使夫人にお会いしました- | Salon.de.Yからの贈りもの〜大事な事は全てお姫様達が教えてくれた。毎日を豊かに生きるコツ

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元ワイン講師であり歴史家。テーブルデコレーションを習いに行った筈が、フランス貴族に伝わる伝統の作法を習う事になったのを機に、お姫様目線で歴史を考察し、現代女性の生きるヒントを綴ったブログ。また宝石や精神性を高め人生の波に乗る生き方を提唱しています。

今日は、ラ・プリュ・ヴェル・ヴィ「大使夫人をお迎えして」最後の授業。

ベネズエラ大使夫人 マダム エリカ・コロンさんにお目にかかって来ました。





ベネズエラと言えば美人大国。


大使夫人も小柄ながら、とても美しい方です。

しかし、美貌以上の素晴しいのが、飾らないお人柄とソプラノ歌手としてのキャリア。

私達の知らない、ベネズエラの魅力沢山伝えて下さいました。





ベネズエラと言えばカカオの国。赤道直下の暑い国と思いきや、赤道付近の地域は暑いですが、北半球にかかる首都は、温暖でありながら軽井沢の様に涼しいかと思えば、美しいビーチが続くリゾート地域は海洋性気候と、表情は様々だそう。波



山岳地域にあるギアナ高地にあるエンジェル・フォール(エンジェルの滝)は978mの落差がある為、滝が落ちる途中でミストになってしまう為、滝つぼが無いんだそうです。

その為、船で下から滝を見上げる事も出来るし、遊覧飛行で上から虹のかかった滝を見る事も出来るそうで、自然の面白さを感じました。





また、湖のある地域は1時間に200回以上も落雷が起こる地域があり、稲妻が湖に落ちるだけで音はしないのだそう。落雷が1年間に100日以上もあるので、さぞかし危険かと思いきや、落雷のある時は魚が豊富に取れるとの事。雷

この落雷のお蔭でオゾンが発生し、オゾン層を埋めて行く効果があるとの事。

地球の強さ、宇宙の完璧さを痛感しました。





さて、今回の大使夫人のお話で、感動的だったのは、エル・システマと言う音楽を通じたプロジェクトについて。





ベネズエラは石油の産出量が多く、今まではその富を一部のトップの人達が独占していたのですが、現在は収入の60%を教育や社会福祉に還元しているのだそうです。





そして、近隣からの移民で、貧困層が増えスラム化してしまった時期に、ホテ・アントニオ・アブレウ博士によって、ユースのオーケストラが誕生したんです。





貧困の家庭に生まれると、十分な教育が受けられない。大人になっても、このままスラムから抜けられない現実に、幼くして希望を捨ててしまう。

この様な悪循環により、コミュニティーが成り立たず、犯罪が蔓延してしまうんです。





このオーケストラに入る子供達は、楽器どころかクラシック音楽など聞いた事もない子供達。





新しく練習場にやって来ると、「何をやってみたい?」と聞くのだそうです。



そして、その子が「あれがいいかなぁ」と指さした楽器のところに連れて行く。すると、例えばその楽器がクラリネットだとすると、側にいるクラリネットを引いている子が「じゃ、この音出してみて」とどの指で押さえるか教えて、例えば「ミ」の音なら「ミ」の音を出して貰うのだそうです。




その子は「ミ」の音が吹ける様になりますよね?




すると、もう指揮者がいて「マーラーの交響曲第1番」を皆で練習し始めるのだそうです。





未だ「ミ」しか吹けない子はどうするか?





教えてくれた子が「ミの音を吹く時が来たら、ツンツンって突っつくから、ミの音を吹いてね」と言って、新人の子のツンツンと突いてあげるのだそうです。





すると、その子は、今まで楽器なんて触った事もないのに、皆と一緒に演奏している!と嬉しくなるんですね。

そして、自分にも出来る!と言う自己肯定が生まれる様になる。





嬉しくって毎日練習に来るようになると、音楽界の時にその子の両親が子供の演奏を見にくる。



それまでクラシック音楽など聞かなかった両親も、自分の子供がこんな凄い曲を弾いている、それを近所の人に話をする、と言う様に、徐々にコミュニティーが出来上がっていったそうです。






左から3番目のブルーのスールの方が大使夫人です。


・・・・・to be continued