今日は、ラ・プリュ・ヴェル・ヴィ「大使夫人をお迎えして」最後の授業。
ベネズエラ大使夫人 マダム エリカ・コロンさんにお目にかかって来ました。
ベネズエラと言えば美人大国。
大使夫人も小柄ながら、とても美しい方です。
しかし、美貌以上の素晴しいのが、飾らないお人柄とソプラノ歌手としてのキャリア。
私達の知らない、ベネズエラの魅力沢山伝えて下さいました。
ベネズエラと言えばカカオの国。赤道直下の暑い国と思いきや、赤道付近の地域は暑いですが、北半球にかかる首都は、温暖でありながら軽井沢の様に涼しいかと思えば、美しいビーチが続くリゾート地域は海洋性気候と、表情は様々だそう。
山岳地域にあるギアナ高地にあるエンジェル・フォール(エンジェルの滝)は978mの落差がある為、滝が落ちる途中でミストになってしまう為、滝つぼが無いんだそうです。
その為、船で下から滝を見上げる事も出来るし、遊覧飛行で上から虹のかかった滝を見る事も出来るそうで、自然の面白さを感じました。
また、湖のある地域は1時間に200回以上も落雷が起こる地域があり、稲妻が湖に落ちるだけで音はしないのだそう。落雷が1年間に100日以上もあるので、さぞかし危険かと思いきや、落雷のある時は魚が豊富に取れるとの事。
この落雷のお蔭でオゾンが発生し、オゾン層を埋めて行く効果があるとの事。
地球の強さ、宇宙の完璧さを痛感しました。
さて、今回の大使夫人のお話で、感動的だったのは、エル・システマと言う音楽を通じたプロジェクトについて。
ベネズエラは石油の産出量が多く、今まではその富を一部のトップの人達が独占していたのですが、現在は収入の60%を教育や社会福祉に還元しているのだそうです。
そして、近隣からの移民で、貧困層が増えスラム化してしまった時期に、ホテ・アントニオ・アブレウ博士によって、ユースのオーケストラが誕生したんです。
貧困の家庭に生まれると、十分な教育が受けられない。大人になっても、このままスラムから抜けられない現実に、幼くして希望を捨ててしまう。
この様な悪循環により、コミュニティーが成り立たず、犯罪が蔓延してしまうんです。
このオーケストラに入る子供達は、楽器どころかクラシック音楽など聞いた事もない子供達。
新しく練習場にやって来ると、「何をやってみたい?」と聞くのだそうです。
そして、その子が「あれがいいかなぁ」と指さした楽器のところに連れて行く。すると、例えばその楽器がクラリネットだとすると、側にいるクラリネットを引いている子が「じゃ、この音出してみて」とどの指で押さえるか教えて、例えば「ミ」の音なら「ミ」の音を出して貰うのだそうです。
その子は「ミ」の音が吹ける様になりますよね?
すると、もう指揮者がいて「マーラーの交響曲第1番」を皆で練習し始めるのだそうです。
未だ「ミ」しか吹けない子はどうするか?
教えてくれた子が「ミの音を吹く時が来たら、ツンツンって突っつくから、ミの音を吹いてね」と言って、新人の子のツンツンと突いてあげるのだそうです。
すると、その子は、今まで楽器なんて触った事もないのに、皆と一緒に演奏している!と嬉しくなるんですね。
そして、自分にも出来る!と言う自己肯定が生まれる様になる。
嬉しくって毎日練習に来るようになると、音楽界の時にその子の両親が子供の演奏を見にくる。
それまでクラシック音楽など聞かなかった両親も、自分の子供がこんな凄い曲を弾いている、それを近所の人に話をする、と言う様に、徐々にコミュニティーが出来上がっていったそうです。
左から3番目のブルーのスールの方が大使夫人です。
・・・・・to be continued