晩年のヴィクトリア女王には女性らしいこんなエピソードも残されています。
19世紀、絶頂期を迎えた英国と凋落の一途を辿るハプスブルク家も当然交流がありました。
礼儀正しく、女王に敬意を払う紳士的な皇帝フランツ・ヨーゼフ。
オーストリアを訪問した時も、帝都から遠路はるばる、地方の駅まで女王を出迎えに来てくれた事があった為、ヴィクトリア女王も、この若き皇帝には、好感を持っていました。
しかし、気まぐれで、他人の事はお構いなしの皇妃エリザベートに対しては、余り良い感情を持たなかった様す。
宮廷生活のストレスや不幸な結婚生活による空虚感を埋める為、乗馬に打ち込んだシシィ。
シシィは、次第に非常に危険で高度なテクニックを要する、馬術の訓練を望むようになりました。
馬術の教師が英国人だった事もあり、シシィは馬術のレッスンの為にイギリスへ旅行に行ったのです。
外交儀礼にはくれぐれも礼を欠さない様、宮廷から厳しく言われていたシシィ。
しかし、既に当時のシシィには宮廷外交の事など、もう、どうでも良く思っていたんです。
そして、何日も前から準備されていた、皇妃の為の晩餐会を突然キャンセルすると、その数日後、何の連絡もせず、突然ヴィクトリア女王の元を訪れたのです。
流石に、シシィの非常識さには女王も怒り心頭です。
そりゃ、そうです。
何日もかけ、王室の威信をかけて準備してきた苦労が水の泡となってしまったのですから。
国賓を迎えるのですから出費だってかかります。
「私の王室スタッフが心を込めて準備したのに・・・可哀想」
・・それに、私だって忙しいのよね。
ヴィクトリア女王の心中には色々な思いが交差した事でしょう。
単なる皇妃の気まぐれで、ドタキャンになり、皆がガッカリしたり唖然としているのに、予約も無しにやって来るとは!!
友人同士のプライベートの約束じゃあるまいし、迎える方にもそれなりの準備って物があります。
王室の対面って物があるじゃありませんか!あ”ぁ~もうっ!
業務多忙であるにもかかわらず、突然会いたいと言うシシィの希望を、女王は受ける事にしました。
・・・と、ここまで読むと、「えーっ、私だったら内心イラっとしちゃうかも~!」と思った方はいませんか?
ご安心(?)下さい。
笑顔で国賓を迎えたヴィクトリア女王も、内心怒っていた様で、この時の様子を、手紙を残しています。それも、チョット辛辣な感じで。
最終回の次章では、可愛らしい女王のお怒りレターをご紹介します。
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