イタリア ピエモンテ州にあるフラテッリ・ポンテ社の作るD.O.C.Gワイン。
ピエモンテ州のロエロとモンフェッラートの間にあるサン・ダミアーノ・ダスティにある畑よりアルネイスと言う葡萄100%で作られた辛口白ワインです。
醸造はステンレス発酵、ステンレス熟成でステンレスタンクにてシュール・リーにて澱と一緒に3ヶ月熟成させた後、瓶内で6ヶ月熟成させて出荷。
イタリアの白ワインで美味しい物は少ない。いや、少ない訳でない。サルデニアやシシリア等は面白いし、トレッビアーノ等南の気候の良い地方にある土着品種等に好感が持てる品種は多い。が、無理にシャルドネを使おうとすると、個人的にはいただけない。
イタリアと言う日照量に恵まれた気候故に、酸が乏しく、それを補うようにステンレスタンクで発酵熟成するから第2アロマ・・・俗に言う吟醸香ばかりたってしまって、味わいがやけに薄っぺらくなってしまうのだ。
頑張って作りました!感は感じるのですが、酸が減酸しており、果実の香りがあまり感じられない為、のっぺりしたワインとなってしまう。
日本酒でも大吟醸などは煮物よりお刺身に合わせたくなる様に、ハーブやガーリック、乳製品を使ったイタリアンには、温かい地方でも酸のレベルを保つことが出来る様なワインの方が好ましく、イタリアはやはり土着品種が面白い!!
そんな理由がある為、私はイタリアとスペインの白ワインについては神経質になるし、余り期待を抱かない様にしている。
それだけに、ロエロ・アルネイスに対する猜疑心は強かった。
はっきり言って、私がソムリエ認定試験を受験した後にD.O.C.Gに昇格されたワイン。
飲んだことが無かったから買ったまでだ。
が、家でカジュアルに飲む分には、まぁ、合格ラインは達したかな。
外観は黄金色がかった、やや淡いイエロー。
香りは、提供温度が低い事もあり最初は閉じ気味。説明書に書かれている様に、カモミールの様な香り。つまり第2アロマが中心。他に、梅酒の様な・・・食パンの白い部分の様な、潮汁の様な、シュールリーからくる旨味系の香りが感じられます。
香りが開いてくると、グレープフルーツやレモンピールのコンフィの様な香り。
味わいはアタックはややふくよかな印象。優しい甘味を感じ、優しいがしっかりした酸が最後持続します。苦味の要素はそれ程強くなく、素直な印象。
ステンレスタンクによる発酵熟成の特徴(嫌気的要素である、俗に言うフレッシュ&フルーティー)が売りの感じの良いワイン。
お魚のマリネ等に良さそう。少しクリーミー感のある料理も良いかも。
因みに、家庭料理なら、深く考えず、ハーブの風味を付けた鰯のフライにも合いましたし、カボチャを混ぜたポテトサラダ(マヨネーズ控えめでポテト・カボチャ主体)にも良いです。
好感の持てるカジュアルワイン。但し、余り秋が深まる頃に飲むより、初夏~10月いっぱいに飲む方が季節とワインの質が合っている感じは否めない。
※日本の家庭料理を考えると、あまり冬に飲みたいと言う感じではないかも。
とは言え、機会があればリピートする価値はあります。