イギリスと言えばロイヤル・ネイヴィー。
小さな島国 英国を押しも押されぬ大英帝国に押上げたのは、英国海軍の活躍が関わっています。
さて、このロイヤル・ネイヴィーの誕生には、ワインが一役絡んでいるんです。
ワインの銘醸地ボルドー。語源は「水のほとり」と言うだけあって、ガロンヌ河とドルドーニュ河が合流し、大西洋へつながるジロンド河、この3つの河の流域がボルドー。昔はアキテーヌ領の一部でした。
さて、このアキテーヌのお姫様エレオノーレ姫が11歳年下のアンジュ公アンリ(ヘンリー)と再婚して、ボルドーがイギリス領になってしまったから、さぁ大変!昨日までフランス領で国産ワインとして普通に飲めていたのに、今やボルドーで作られるワインは帆船でイギリスに運ばれてオラが口に入らないのですから、フランス人にしては憤怒んやるかたない。
唯一、ホクホク顔なのは貿易によって莫大なお金が入るボルドーの人達だけ、と言う事で100年戦争へ突入していくのです。
クレレットと呼ばれた明るい色のワインは英国でも大変な人気を博しました。
それによって、貿易商やネゴシアンが集まるジロンド河の河口には豪奢な館が並ぶ様になりました。
ワインを担保にお金が動き、投機の対象にもなる。まさに液体の資産。リキッド・アセット(流動資産)の語源はここから発生したのです。
また、船の単位を表す「トン」。樽の単位はトノーと言われ、1隻に何樽積めるかで何トノーと船の大きさを指したそうで、それがそのまま船の重さを指す「トン」になったと言われています。
それ程、資産価値として、流通経済の要としてワインは大きな位置を占めていたんです。
そして・・・・
当時、大西洋やアドリア海、地中海など海には海賊が多数いました。海賊の被害は、相当たる額だった様です。
ワインは大事な商品・・・いわば宝の山。そのお宝を奪われたら一大事!と言う事で、ワインを積荷した船に護衛船が付くようになった・・・これが後にロイヤル・ネイヴィーに発展していくのです。
ワインは気楽に楽しむもの。・・・でも、長~い、歴史があります。
格好つけて言うなら、ワインを楽しむ事は歴史を楽しむ事なんです。