1月5日 月曜日 天気 晴れ
1月2日に宮西時代の先輩であり現SNOB社長である城戸君の実家にお招きいただき
城戸君を含めSNOBの若い子達と昔話や美容業界の話で盛り上がっていると
僕の携帯電話のマナーモードの着信音が鳴った
着信音はどうやらメールのようだが誰からかと思って見てみると偶然にも
城戸君の右腕でありSNOBの番頭格である石川からではないか・・・
ー1月5日 日本海に行きませんか?
石川は僕より歳は4つ下の後輩だがSNOBのオープニングメンバーでもあり
今や全国的にも名の知れた広島を代表する美容師の一人だ
彼とは僕が独身時代のミヤニシに勤務している頃からの付き合いで
仕事関係だけではなくゴルフに釣りにと懇意にしてきた仲間の一人だ
事、磯釣りにおいては彼は僕の弟子であり昔は瀬戸内海ではチヌを狙い
四国宇和海近郊や高知の太平洋に大型尾長グレを狙って
仕事を終えてから寝ずの遠征釣行にも数えきれないくらい同行した
その後色んな事に目移りして一つの事に長く携わらない僕に対して
彼は釣りをやり続け対象魚も変化していると話では聞いていたのだが・・
「おい!日本海に釣りに行く言うても何狙うんな?」
「山口の萩の沖で船釣りでルアーを使ってヒラマサを狙います」
「ヒラマサ~?ワシはそがいな魚釣るタックルも道具も何にも持ってないで~」
「大丈夫です、道具は全部こっちで用意しますから体一つで来て下さい!」
「で、何時に何処へ行ったらええんな?」
「月曜日の夜中0時15分に広島を出ますからウチまで来て下さい・・・」
ー0時15分・・・ こりゃ寝る暇ないで しかも船酔いする老体で大丈夫か~・・・?
とは思ったのだが今まで釣りにおいては磯釣りでのチヌ・グレしか狙った事がないが
他の対象魚を狙うのも興味がないわけじゃない
しかもタックルはおろかルアーや酔い止め薬まで全て用意すると言ってくれている
せっかくの誘いだし至り尽くせりの大名釣行だ
せっかくの誘いにチャレンジしてみようと思い行く事にしたのだが・・・
日曜日に「バンクーバーの朝日」を鑑賞して夕方には家に帰り釣りに備えて寝ておこうと
5時には睡眠導入剤を服用して床に就いたのだが8時には目が覚めた
さすがにこの時間に寝る事はないので熟睡出来ない
11時半には家を出てゴル子ちゃんに乗って石川の家に向かう
彼のガレージにゴルフを停めて彼のJeepに同乗して山口を目指す
途中、宮島パーキングで同行する他の2人を乗せて4人は萩を目指す
ーう~ん、こんな時間に石川と釣り場を目指すのは何十年ぶりだろう・・・
当時30歳前後だった僕も今や50歳を超えてる、体力的に大丈夫だろうか・・・?
港に着いたのが早朝3時半頃だったろうか・・・辺りは当然まだ暗い
乗船準備を手伝うのだが見た事もないような巨大なリールに驚いた
しかもラインはクラシックギターの6弦くらい太い
ルアーに至っては25cmくらいある、いつものチヌ釣りの外道のメバル家の造兵よりデカいぞ・・・
こんなデカいルアーに食いつくヒラマサは想像以上のパワーであろうと言う事は
曲がりなりにも大型グレを釣り上げた経験のある僕には何となくだが想像がつく
「ヤマヒー君!ヒラマサのキャスティングは釣りの格闘技じゃけんね~
とにかく細仕掛けで釣るグレやチヌと違うてヒラマサは力と力の勝負じゃけん・・・」
とは言うものの、僕はルアーを使った釣りなんてやった事がない
どうも魚があんな疑似餌に喰い付くというイメージが持てないのだ
まあこれも経験だ、2015年は何か新しい事にチャレンジしようとも思ってましたからね~
港を出航して約2時間半、釣り場に着いたのが6時半頃だったか・・・
まだ日が出ないうちに釣りを始める彼等の釣り方を注意深く観察する
今回の4人の中でヒラマサのキャスティングの経験者は石川を合わせ2人
経験者の一人は年代が違うので面識はないが僕のミヤニシの後輩に当たる美容師だそうな
未経験者の一人はSNOBの若手美容師だそうでウチの息子よりまだ若い
今回は釣りというツールで人の縁があったという事ですよね
同じ店出身の後輩や若手美容師との出会い、こういうのを大事にしないとね~
細部まではよく分からないが、とにかくルアーを遠くに投げてアクションを付けながら
巻き上げて行く事くらいは見よう見真似で何とか出来る
その動作を延々と繰り返すのだが魚が喰い付くイメージがまったく湧かない
ーう~ん こりゃ美容師になる前にやってた土方よりキツイぞ
明日は間違いなく筋肉痛じゃわい・・・ 笑!
そう思ってると石川が声を上げる
「来た~!」
石川の方を見ると竿が綺麗な弧を描いている
船釣りのキャスティングにおいて誰かが魚を掛けたら
他の人は仕掛けを巻き上げておくのがルールだそうだ
自分のタックルを置いて石川の魚とのやり取りを見守る
どんな大物が掛かったのか・・・?!
水面に姿を現したヒラマサは70cmくらいはあろうと思われる
「こりゃデカいんじゃないんか~?!」
「いや~こりゃ大物じゃないですよ、たぶん8kg級くらいじゃと思います
やっぱりヒラマサは最低10kg級はないと・・・」
聞く所によるとヒラマサ(平政)はスズキ目アジ科に分類される海水魚で
アジ科魚類の最大種で成魚は1m前後だが最大で全長250cm・体重96.8kgの記録があるそうだ
石川の個人最大重量記録は18kgだそうで20kgオーバー、30kgオーバーを狙ってるんだそうだ
ヒラマサは「海の弾丸」「海のスプリンター」と言われるほどパワーとスピードを兼ね備えた魚で
パワーではマグロの方が上だがスピードはヒラマサがNO1だそうだ
大型を掛けると力負けしてのされる事もあるそうでリールの足が折れる事もあるそうだ
う~ん 恐るべしヒラマサ! 笑!
そんな猛者と一勝負してみたいと休憩も入れず老体に鞭打って
ルアーを投げては巻き取る動作を繰り返すのだが僕には一向に当たりが来ない
やはり素人ではヒラマサを掛けるのは難しいのか・・・
石川が8kg級を釣った朝マズメ以降 誰にもアタリがない状況が続く
当日は冬の日本海にしては超稀なベタ凪で波けがないのが悪いのか・・・?
まあおかげで船が揺れないから個人的には助かりましたがね~ 笑!
日本海の波の高さやうねりはハンパじゃないですからな~
僕のホームグランドの瀬戸内海なんて日本海に比べたら溜め池ですぞ 笑!
その静寂を破るように若い船長さんが竿を曲げる
「来た~!」
海面に姿を見せたヒラマサを見ると先程の8kg級に比べると格段に小さい
しかもルアーはヒラマサの口ではなく腹に針掛かりしてるではないか 笑!
僕にも経験があるが魚は口意外に針掛かりすると重量以上に引きが強く感じる物なのだ
そりゃそうですよね~ 巻き上げる方向と魚が逃げる方向が逆になりますからな~
魚と綱引きしてるようなもんですからね
しかも潮流の速い所なら尚更強く感じるんですよね
結局船長が釣ったヒラマサは2kg級ほどの重さの通称マメヒラと言われる幼魚だった
その後、石川が船長と同じくらいのマメヒラを釣ったが残りの3人はボウズのままだ
このまま終わると思われたが最後の最後で経験者のミヤニシの後輩君が
これまたマメヒラを執念で釣り上げた
てか、彼は途中で疲れて3~4時間くらい寝てたんですがね~
その間も老体はせっせと頑張っていたのに・・・ 笑!
「小さいけど嬉しい!」
と、後輩君は申しておりましたな~
その気持ちは痛いほどわかりますよ
辺り360度島も磯も殆ど見えない日本海の真っ只中に船が一艘
方向音痴の僕は何処にいるのか、どっちを向いているのかさえわからない 笑!
冬の日本海が夕日で真っ赤に染まる
最後の期待の夕マズメも何もないまま終わりを告げそうだ・・・
時折ヒラマサがジャンプして姿を現すのだがルアーに反応しない
船長も「今日はヒラマサの活性が低いね~ ルアーを追っても喰い付かない・・・」って言ってた
まあこの状況でルアーでのキャスティング初体験の僕にはヒラマサを釣る事は容易ではないだろう
てか、最近はチヌでも顔を見る事さえ容易ではなくなったますからな~
魚運がないのか? 腕が鈍ったのか・・・? 笑!
と、言う事で当日の釣果
石川が8kg級、2kg級の2匹、船長が2kg級を1匹、ミヤニシの後輩君も2kg級を1匹
老体の僕とSNOBの若手君の未経験者コンビはあえなく撃沈! 笑!
「おい石川!いつかリベンジするけん最盛期に連れて来いや!」
「わかりました!じゃあ今度は春に誘います!」
と、言う事で釣果を上げられず くたびれ損した事には違いありませんが
久しぶりに石川と竿が出せたしミヤニシの後輩君やSNOBの若手君とも縁が出来た
ま、何事も経験ですよ
タックルや行き帰りの車の運転など石川も老体の僕に気を使ってくれていた事にも感謝です
「石川君!今度は必ず僕にも釣らせてね! 他の2人も縁があったらまた一緒に釣行しましょう!」
と、言う事で僕の6日間に及ぶ正月休みは終わりを告げたのであった!
結局家に帰ったのは0時を過ぎた午前様だった
おいおい 明日から仕事だぞ 大丈夫か~!
ちなみに石川が釣り上げた2匹のヒラマサは僕がいただいて持ち帰りました
ーう~ん こんな大きな魚を持ち帰ったら大明神様に怒られのは間違いない・・・どうする?
思案の結果魚は後輩の板前に当日帰りに預けて捌いて貰いました
我が家で消費するには量が多かったので捌いてくれた後輩や店のスタッフにもお裾分けしましたね
ここまでやるとさすがの大明神様も文句は言わない 笑!
刺身にヒラマサしゃぶ、フライにアラの煮付け、塩カマ焼き
天然の日本海のヒラマサが美味いのは当たり前!
御馳走様でした! 笑! ジャンジャン!!