マッハSS750 レストア日記 ③ | PRAINSのブログ

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車体をバラして各部品を外注に出す所まで順調に思えたマッハちゃんですが、思いもよらないトラブルが待っていました。
 
エンジンの分解に入った所、シリンダーを止めているスタッドボルトが抜けない、、、
スタッドボルトが錆びて容積が増してシリンダー本体に固着してうんともすんとも言わないのだ。
 
これには主治医の早川君も頭を悩ませた。
通常木片をシリンダーにあてて木槌で叩いてショックを与えると外れるのだが想像以上に固着が激しいのだろう、ホントにうんともすんとも言わないのだ、笑
 
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どんどん新兵器も試すのだが一向に外れようとしない、、、
これには本当に手を焼いた。
 
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何とか左シリンダーと真ん中のシリンダーは外れたのだが右のシリンダーが外れない。
エンジンをバラし始めてここまでなんと2ヶ月、、、
 
一向に進まない作業に僕もイラつき始めた、、、
今考えて見ると早川君も一生懸命考えてやってくれていたのもよく分かる。
 
でも納車の期限もある程度の日にちを決めている、こんな事で間にあうのだろうか、、、
周りの友人もあれやこれやアドバイスをくれるのだがあくまで早川君がどうするかと言う事なのだ。
 
彼も技術屋なのでプライドもある、僕も技術屋なのでそこはよく分かる。
 
友人の中にかつてマリーナに勤めていた奴がいる、そいつのアドバイスによれば船のエンジンをオーバーホールする時、船は海水の塩分によってスタッドボルトが錆びて抜けない事がよくあるそうだ。
 
そんな時は鉄工所にエンジンを持ち込んでスタッドボルトに穴を開けて貰って砕いて取るそうだ。
そう言う事もそれとなしにアドバイスしたのだが、、、
 
この時早川君もナーバスになっていたと思う、僕からもプレッシャーを感じていただろうし、周りからもプレッシャーを感じていたと思う。
 
それに彼の仕事はマッハだけじゃなく他の仕事もあるはずだ、彼の頭の中にはスケジュールもあるはずだ、、、
 
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結局最後は鉄工所に持ち込んだ、、、笑
 
(笑)と書いたが早川君にとっては笑い事では無かったと思う、笑
後日早川君から聞いた話では鉄工所に持ち込んで作業するのにもリスクがあるそうだ、悩んだ末の事であったんだと思う。
 
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約2ヶ月の苦闘の末シリンダーが外れたマッハのエンジンである。
やっと、、、ようやく外れてくれた。
 
鉄工所に持って行った選択が正しかったかどうかは分からないが事実外れたと言う事はこれも選択権の一つとして間違いではなかったのだと思う。
 
彼も若い、これも経験と言う事だと思うのだ。
僕も美容師を30年以上やっているが今でも勉強、経験の繰り返しである、プライドを持つ事は僕達技術職にとってとても大事な事だが自分の経験、知識だけにこだわっても駄目なのだ、何でもやってみると言う柔軟な姿勢を忘れてはいけないと僕は常々思っている。
 
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シリンダーのフィン割れもあったのだが早川君の手によってアルゴン溶接して貰って修復した。
他車のフィンを加工して溶接して貰った。
 
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今回はフルレストアなので当然腰下もレストアを行う、コンロッドも新品に交換する。
 
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ミッションもオーバーホール、基本的にマッハのギヤは生産されてないので現状品を使って組み上げる。
後日ミッションはトラブルを起こすのだがその事はまた後日と言う事で、、、
 
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ブラスト処理をして磨きあげられたクランクケース。
こう言うのを見ると僕はワクワクするんですよね~、笑
 
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各所オーバーホールを終えて組み上げられたマッハのエンジン。
空冷2サイクル750ccの暴力的なパワーを生む心臓部だ。
 
今回ピストンの状態が凄く良かったのでピストンに関してはオーバーサイズにはせず純正の物を使いました。
 
これだけ見ても僕はイッテしまいそうです、爆笑
 
思わぬトラブルで大きく時間がかかってしまったマッハのレストアですが、ここからは急ピッチ、どんどん組み上げて行きます。
 
おっと、丁度時間になりました、この続きはまた今度と言う事で、ジャンジャン!!