ニュース性とは
クライアントのPR業務をやっていて困るのは、クライアントからニュース性があまりないネタをメディアに発表して欲しいと頼まれるときです。ニュース性のないものをメディアに送っても記事にならないし、メディアからの信用もなくしてしまいます。長年PR業務をやっていると、これはニュースになるな、ニュースにならないなという感覚が身についてきますが、今回は具体的にニュース性とはどういうことか考えてみたいと思います。
例のごとくニュース性がどのように定義されているかネット上の百科事典であるウィキペディア(Wikipedia)英語版(2007年4月18日現在)で確認してみたいと思います。
まず、「ニュース性(Newsworthiness )」というところで、以下のような要素が紹介されています。
・影響力:何人の人々が影響を受けたか、もしくは受けそうか?
・時宜:つい最近おきたことか?
・新事実:以前は知られていなかった重大な新しい情報があるか?
・近接性:地理的に近い場所でおきたか?
・娯楽性:楽しいストーリーとなるか?
・異常性:極めて異例な出来事か?
・名声:だれか有名な人が携わっていたか?
また「ニュースの価値(News Value) 」というところでは、上記の要素と重ならない部分で以下のような要素が紹介されています。
・頻度:突然起こる出来事やメディアの報道スケジュールに合致する出来事のほうが、徐々に起こる出来事やメディアにとって不便なときに起こる出来事より、報道されやすい。
・否定性:悪いニュースのほうが、良いニュースより関心をひきやすい。悪いニュースが人の関心をひく理由は、それが人々を驚かせ、論議を生じさせるためである。
・明瞭さ:ある出来事の意味が明瞭であるほうが、様々に解釈できる出来事や複雑な背景を理解しないかぎり解釈ができない出来事より、記事になりやすい。
・個人化:個々人の行動として描かれる出来事のほうが、個人的な要素がない出来事より関心をひきやすい。
・有意味性:オーディエンスが自分と同一視できる話題のほうが記事になりやすい。
・力のある国: グローバルで力のある国に関するストーリーのほうが、影響力が少ない国に関するストーリーより関心をひきやすい。
以上のような要素は全てではないかもしれませんが、ニュースにはどのような要素が必要かというのを理解するためにご参考にしてください。
PR(広報)の定義
PR(広報)の定義について、日本ではまだなかなか理解が進んでいないようです。初対面の人から自分の職業を聞かれて、「PRの仕事をしています」といっても、本来の意味でのPRについて理解してもらうには、その後、大抵長い説明を必要とします。日本においては、どうしてもPR=広告、宣伝ととらえる人が圧倒的に多いと思います。そういった意味で、今回はPRの本来の定義を確認したいと思います。
PRについては、この言葉の発祥である米国でどのように定義されているか確認する必要があります。ネット上の百科事典であるウィキペディア(Wikipedia)の英語版 (2007年4月17日現在)では次のように定義されています。
<以下参考翻訳>
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“PR(パブリックリレーションズ)とは、組織とオーディエンスとの間におけるコミュニケーションをうまくやっていくための、ビジネス的、組織的、慈善的、社会的な機能である。パブリックリレーションズを実践することによって、ある事柄に関する教育、誤解が生じやすい記述の修正、イメージの構築と向上など様々な目的を達成することができる。”
“米国のPRプロフェッショナルであるScott M. CutlipとAllen H. Centerによれば、PRは、相互に満足できる両者間のコミュニケーションに基づき、良い評判と責任ある行動を通じて、人の意見に影響を与えるための計画的な努力である”
“パブリックリレーションズとは、ある組織とその関係者との間でコミュニケーションをうまく行い、ポジティブな評判を構築・維持していくためのアートでありサイエンスである。”
“パブリックリレーションズとは、ターゲットとなるオーディエンス(もしくはパブリック)の認識を、現実と合致したものにしていくプロセスである”
"パブリックリレーションズとは、パブリックとの関係を構築していくことである”
“パブリックリレーションズとは、自分がもっているストーリーを、それを最も必要とするオーディエンスにつなげていくための戦略的なアートであり、サイエンスである。”
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以上のように、日本で一般的に認知されているPRの意味とは大分違うことが理解できると思います。まずPRとは、Public Relationsの略で、文字通りパブリックの人々との関係を構築していくコミュニケーション活動です。また、一方的なコミュニケーションではなく、両者が相互に満足できる二方向のコミュニケーション活動を通じて、ポジティブな評判やイメージを構築していくコミュニケーション活動です。
現在、本来の意味で行われているPR活動といえば、力や権威のあるメディアを対象とするメディアリレーション活動が主流です。企業が自社の製品やサービスなどをメディアにコミュニケーションして、良い記事を書いてもらう活動が大半を占めていると思います。
しかし、いまブログをはじめとするソーシャルメディアが人々の意見に大きく影響を与える力をもつようになり、必然的にPR業界も力のあるブログを対象にしたPR活動を行うようになっています。上記の定義で確認したように、PRは組織とオーディエンスとの間で相互に満足できるコミュニケーションを行っていくことが大前提になりますので、PR業界はブロガーのことをよく知り、一方的なコミュニケーションをしないように注意しなければなりません。
製品・サービスの差別化を明確に
広報活動において、発表する製品・サービスの差別化を明確に伝える必要があります。自分が製品・サービスの導入を判断する担当者でしたら、どのようなことを考慮にいれますでしょうか。もし、自分がその立場でしたら以下のことを考えます。
・製品・サービスの価格は、競合と比較して高いか安いか?
・競合と比較すると価格が高いが、競合にはない機能や付加価値がついているか?
・この製品・サービスは競合のものと比較して、どのような機能やサービスが優れているのか?
・競合のものと比較してどれだけのコスト削減につながるか、もしくはパフォーマンスの向上につながるか?
・競合と比較して価格が確かに安いかもしれないが、信頼できる実績があるのか?
私の推測ですが、担当者が製品・サービスの導入を考えるうえで、大きく分けて、価格、性能、信頼性の3点を考慮すると思われます。その3点を単純明快に伝える広報活動が大切で す。