人さまの布団など眺めている場合ではない。
この日の主目的である。古書店「青いカバ」に立ち寄った。
相変わらず質の高い品揃えだが、珍しく収穫なし。
並びの東洋文庫はスルーして、巣鴨駅方向へ延びる道に入った。
ポストモダンの匂いがする、よく目立つ建物だけど、いくら調べても設計も施工も不明だ。
仁科記念財団というのは、もともとこの地にあった理化学研究所(理研)の一部をそのまま使った施設だそうだ。
頭のボンヤリしている私は、それでようやく分かってきた。文京グリーンコートの広大な敷地は、移転後の理研の跡地だったのだ。
下の写真のキャプションによれば、仁科記念財団は37号館。
大正時代から続いた建築群は、ほぼ取り壊されたということだろう。
ところで、仁科記念財団の仁科とは、日本を代表する原子物理学者のひとり仁科芳雄のことだ。
戦時中は、原爆開発のトップだった人。
ほんの数日前にNHKのドキュメンタリー番組で、ライバル、オッペンハイマーが放送された中で仁科も紹介されていたから、あまりの偶然に驚愕した。
関係はないだろうが、財団の近くには質素な教会のような建物があった。
ポドヴォリエとは、ロシア正教会の下部組織だそうで、日本にはもう一か所、目黒にあるだけだそうだ。
今回、以上。