ナビレラ 5月25日ソワレ。地方公演がないので、ここで見るしかないな、と思い立ったときは空席があったのですが、満員御礼となっていました。

ネットフリックスで、ドラマを毎週楽しみに観ていたのでストーリーはばっちり、わかっている状態で見ました。12話ある話を3時間にまとめるため、設定は簡略化されていたため、肝である、主人公ドクチュルさん(川平さん)の一生懸命仕事をしてきたまじめであたたかな人柄で周囲の家族に大切にされているところ、チェロク(三浦さん)の不器用な生き方をしている才能ある青年、という設定を伝えるための、1幕は、どうしても私は長いな―と思ったが、必要なことなので。

 

 

全体的には、歌を楽しむより芝居とダンスを楽しむミュージカルでした。

全員で歌うシーンは、ミュージカルの醍醐味っていうハーモニーって感じではないけど、一人ひとりのお芝居のシーンは、セリフの間合いが、皆、上手で、唯一ミュージカル感があったのは、元サッカー仲間瀧澤さんと三浦さんのシーンかな…

 

ネタバレを避けるのは難しいため、以下は、写真、キャスト、動画を挟み、その下に記します。

 

イ・チェロク:三浦宏規
シム・ドクチュル:川平慈英

ドクチュルの妻:岡まゆみ
ドクチュルの次男、TVプロデューサー:狩野英孝
ドクチュルの長男、会社員:オレノグラフィティ
チェロクの元サッカー仲間:瀧澤翼
ドクチュルの孫娘:青山なぎさ、井上音生
バレエ団長:舘形比呂一

久保貫太郎
市川絵美

岩﨑巧馬

岡山玲奈

河西茉祐

古賀雄大

政田洋平

舞夏

山田美貴

 

 

70歳のドクチュルさんを川平さんが演ずるって、若すぎないかと思ったけど、違和感なく、すっと入り込めた。最終的にバレエダンスを踊らないといけないわけだし。

ドクチュルさんが、仕事をリタイアし、長年の夢だったバレエダンスを習いたいと家族にいうことから、物語は始まります。コートぬぐと、変態おじさんのように白シャツ、白タイツもっこりで、家族の前に登場すると、いい歳の男性がそんなことをと猛反対される、けど、次男の狩野だけが、面白がって、ちょうどテレビの企画にもいいし、それに、お父さんが今まで家族のために必死に働いて、自分が進路に迷ったときに、自分のやりたいことをさせてくれたと、応援してくれる。

ドクチュルさんは、先生となった、三浦チェロク先生丁寧に接するし、チェロクの生活態度を黒革の手帳にメモして、栄養が足りなさそうだと、自宅に連れ帰り、家族のように温かく、チェロクを迎え家族ぐるみで接する。チェロクもだんだんなじんでくる。ダンスも徐々にドクチュルさんできるようになる。

そんな中、ドクチュルおじいさんのメモ帳ひろったチェロクは、おじいさんが、認知症を抱えていることを知る。ドクチュルは家族にまだそのことを言っていない。そのころ、長男もドクチュルの病のことを知る。バレエをやめさせたいし、同居したい、とか言い始める。

 

というのが1幕。

 

2幕からは、ドクチュルがバレエがやはりやりたい、でも家族も病を知ることになり、ちょうど、足もくじいたり、迷子になったりと症状が出始めるので、いったんやめることになる。

でも、ドクチュルと長く連れ添った奥さんが「バレエをやめてすっかり元気がなくなったから」とチェロクに再度お願いしに行くシーン、泣けた…チェロクの元友達のサッカー仲間やドクチュルが、夢へ向かうこと、目指すことの大切さを語るシーン、バレエはじめて楽しいけれど、あと10年はやくやってたら!と思う、とかいうのとか、人生後半に差し掛かると、まだ、できるかもしれないとドクチュルさんより若い私にはしみるわ…

最後、バレエの発表会の時に、病状が悪化してしまい、振り付けもすっかり忘れてしまったドクチュルさんに、必死で、三浦チェロクが「おれについてきてくれたらいいから」と、そろいの衣装で舞うシーン、美しくてないた。

数年後、チェロクがロシアで活躍して一時帰国のシーン、サッカー仲間もサッカーで生きていて、皆が集まっているガーデンパーティーのシーンも泣けた。

 

ということで2幕はほぼ泣けた。家族一人ひとりは、少し歌うシーンがあったり、ドクチュルに語り掛けるシーンとかがあるんですが、1幕で、ドクチュルが今までどういう風に生きてきたかの設定があるので、より一層、深まる。

狩野英孝ちゃんは、歌も破綻なしで、お芝居も、似合ってる役で明るく、前向き、非常に良かったです。カテコのお辞儀は謙虚だし、やはり、魅せることを職業に選んでいるだけのことはあるなあーと思いました。

 

そして、歌が多いのは三浦くんで。私が初めてみたのは

歌は頑張ってたなあ。ダンスがめちゃ綺麗、という感想だったのですが、年末年始の

しゃべりも達者で、かわいい子だなあ、そして、歌が思った以上に上手で、歌い方が正統派っぽく歌うのね、と。よく考えたらマリウスも役を得ていたわけだし、相当鍛錬されたんだなと思いました。

私は歌もダンスもできませんが、ダンスって、相当センスが必要だと思っていて、上手な人は基本がしっかりしてるので、綺麗に見える。バレエシーンもきれいで、歌もこれだけ歌えるなら、今回のチェロクはあなたのための役でしたね、と思いました。