こんにちは。

トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

 

 

「トレッドミルでの距離走は柔らかいベルトの上を走るのでけがの軽減につながるという話も聞きますが、トレッドミルでもケガは起こり得ますか?」

 

まず結論から言えば、どんなシーンでもランニングのけがは起こり得ます。

 

僕自身のランニング体力の基礎のほとんどは昔トレッドミルで築いたものです。屋外を走ることが好きだったわけではなく、ジムで身体を動かすことが好きだったんですね。週5日以上、1日30分から60分、4年以上スポーツジムに通いトレッドミルを走り続けた経験にコーチとしての経験も交えて語ります。

 

ランニングマシーン(=トレッドミル)。

 

トレッドミルは主に屋外でのランニングがしがたい場面(気温の高い夏場や外に出かけるのが億劫になりがちな冬場、雨の日など)に環境問わず利用できるのが便利で、トレーニング手段の一つとして利用されていたランナーも多いと思います。

 

それがまさかパンデミックで、スポーツジムが閉鎖となって利用できないという事態をだれが予想できたでしょう。

 

今日はトレーニングジムが開放され、再び安心して利用できるようになったときのためのトレッドミルの利用アドバイスです。

 

こんな記事がありましたのでご紹介します。

 

【参考記事】Do Treadmills Cause Injury?

(トレッドミルを走ることにけがのリスクはあるか?)

 

記事まとめ

トレッドミルを走るときに、頭を左に傾けると、右にバランスが崩れやすい。右に傾けると、左のバランスが崩れやすい。それが原因で毎年トレッドミルから落ちて背中を強打したり骨折したりして、通院される人がいる。

 

僕はコーチという職業柄、何百人以上のランナーさんのフォーム映像を撮影します。

 

正面から撮影する場合に、「僕に向かってまっすぐに走ってきてください。」と指示しますが、ほとんどのランナーさんが左や右へ、極端に言えば蛇行に近くふらふらと走る人が予想以上に多いです。(ご本人はまっすぐに走っているつもり)

 

「それじゃあ、なぜ普段走っているときに斜め方向に走ったり路肩につっこんだりしないんですか?」という疑問が浮かびますが、それは人間には両目がありますのでそのぶれ幅を無意識に修正しながら走っているからです。

 

トレッドミルの上ではベルト一本分の狭い幅しかなく、その上で走り続ける必要があります。普段左や右へ走っている人ほど走りにくいと感じ(まるで平均台を走るように感じる人もいます!)、その走りにくさを修正する過程でバランスを崩し、けがをする可能性はあります。

 

自分自身のランニングバランスを簡単にチェックする方法があります。

 

・目をつぶりその場で足踏みジョグ30秒

 

これだけ、です。非常に危険ですので屋外で、かつ前後左右、人や車の往来がないところで行ってください。人によってはたった30秒でとんでもないところへ行ってしまう人もいます。

 

どちらも普段からランニングバランスの悪い人ははちゃめちゃに動き、特に重心位置が後ろにある人は後退していきます。ひどい人になると身体が一回転し、目を開けたときの景色がまったく違うという人もいます。そうした人は普段から、トレッドミルを走るときにもけがに注意です。

 

2016年の研究(18人と小規模調査)では、トレッドミルと屋外ランニングのアキレス腱への負荷を測定し比較した場合に、トレッドミルではアキレス腱障害のリスクが高まる可能性があることがわかった。ー

【研究】Patellofemoral Joint and Achilles Tendon Loads During Overground and Treadmill Running July 31, 2016

 

経験上、トレッドミルの特性なのかアキレス腱や大腿二頭筋(ハムストリング・太ももの後ろ)この2つの筋肉部位を故障する人が多いように見えます。逆にトレッドミルを走りすぎて「ひざや腰が痛くなった」なんていう話はほとんど聞きません。

 

それは脚が地面に接地した瞬間にベルトが後方へと流れるので、ひざがロックされず、日ごろかかとブレーキ要素の強いランナーでも膝への負担が少ないからだと考えています。ベルトのうえが路面に比べて柔らかいことももちろん要因としてあると思います。

 

ふくらはぎを痛めるのは、トレッドミルではベルトの上でぴょんぴょんと跳び跳ねるような走りでも走れてしまうので(ランニング動作をしなくても走れてしまうので)、蹴るような走りになりがちなことが考えられます。しかし、「ふくらはぎで蹴る」というのはトレッドミルに限らず、普段の屋外ランでも間違ったフォームですので「あなたの走りは改善する必要がありますよ」「マラソンレースでも疲れやすい走りですよ」とマシーンが教えてくれているのです。

 

私たちはトレッドミルのスピードを決め、利用時間が30分、60分あるとわかったら、疲れるまで走り、たとえフォームが崩れたり無理をしたりしていもスピードを下げない。

 

トレッドミルを走る際には、ウォームアップなしにいきなりスピードを上げがちです。(ウォーミングアップ不足)

 

屋外でのランニングであればウォームアップをしたり、調子を見ながら少しづつペースを上げていく人がほとんどだと思いますが、ジムでは筋力トレーニングのあとに(あるいは前に)、トレッドミル走り始めたらすぐに自分がその時間走り続けられるスピードまで強度を上げる人が多いように見えます。それがけがの可能性を増加させると考えます。

 

僕はまずはじめはウォーキング、その後10分間程度はジョグしてからスタートします。^^

 

まとめ

 

トレッドミルでは、
・バランスを崩しやすく、転倒に注意する必要があるよ。
・転倒しないためにはまずは頭をまっすぐに保つことを心がける必要があるよ。
・アキレス腱や大腿二頭筋(ハムストリング・太ももの後ろ)を痛めやすい傾向にあるよ。
・ウォームアップせずにいきなりスピードを上げたりすると、それはトレッドミルでもけがをする可能性はあるよ。
・足に違和感があってもつい無理をして走り続けがちで、それがけがを招く要因で注意する必要があるよ。

 

ほか、

・屋外では空気抵抗がありますが、トレッドミルではそれがない。また屋外ランニングより楽に走れてしまうため、自分のスピードに負荷をかけがち(実力を過剰評価し走りがち)。

もあります。
 

「屋外で走るよりも脚、膝への負担が少ない。」ということはメリットとも言えますが、「マラソンを走る実践的な脚づくりにつながりにくい。」というデメリットとも言えます。

 

トレッドミルでランニングは、刺激の入る筋肉も異なり、屋外でのランニングを完全にはまかなえないと考えた方がよいです。

 

トレッドミルで走りこんだ気分になって、屋外でのランニングもしっかりと行っておかないと、目標マラソンレース本番で、後半に筋肉の疲労に苦しめられたり脚が痛くなったりする可能性が高くなりますよ、というのが僕からのアドバイスです。

 

トレッドミルではけが少なく心肺機能は強化できるので初心者から上級者まで、僕は幅広いランナーにおすすめしています。練習に上手く活かすためにはその特性やけがの発生の注意点についても学んでおくことが重要です。

Never Stop Running.

 

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