前回の、「~だいたい、90秒間程度のタイムで80%VO2max~90%VO2maxの運動強度であると推定することにします。」 という部分からの続き。


 この運動強度では、解糖系のエネルギー供給と、おそらくは乳酸からアセチルCoAを経てATP産生に至る酸化系のエネルギー供給が行われていると考えられ、この場合のエネルギーはほぼ体内貯蔵のグリコーゲンと直前までに摂取して吸収されたグルコースがその元になります。よって、競技そのものだけを考えるとすれば重要な栄養補給源は炭水化物や糖であると考えて良い思われますが、もう一つ重要視されなければならない要素として、この競技が厳寒の中で行われるという部分であります。
 大会ともなれば、朝早くからアップが始まり、コースインスペクション、場合によってはアップ用バーンでの練習を経て競技に至ります。この間は3時間から半日くらい(丸1日はかからないはず)が一般的ですが、極度に低い気温の中で体温を維持するために消費されるエネルギーを糖に求めるのではなく、できれば脂肪酸からやはりこれもアセチルCoAを経てATPを産生する酸化系に求めたいとするならば、ある程度の脂肪摂取とその効率的利用も考えなければなりません。脂肪酸が細胞内に取り込まれるためにはLカルニチンが必須であり、その摂取のためには通常の食事と、Lカルニチン製剤等の利用も視野に入れる必要があると思われます。
 さらに、先に述べたように体重の数倍の負荷が脚部に50回程度かかるということから、関連の筋群(特には大腿四頭筋等)では競技中からカタボリックが始まっていると考えられるため、その消耗分を補う程度以上のタンパク質(或いはアミノ酸)摂取は必須であると考えられます。

 トレーニングの中身については、最大筋力の向上はもちろんのこと、それを1分から2分継続するための全身持久力は必須であり、それらをバランスよく鍛えるような種目選定を考える必要があると思います。具体的には高負荷低回数ウエイトトレーニングと、中負荷高回数ウエイトトレーニングを日を変えて組み合わせ最大筋力を向上させ、インターバル走や自重筋トレのインターバルトレーニングで全身持久力を鍛えます。
 また、練習時には半日から丸1日ゲレンデに立つわけでありますから、そういった長時間の練習に耐える持久力も必要であり、具体的には...2分運動(80%VO2max~90%VO2max)して10分かけてリフトで上に戻って(リフトに乗っている最中は休息している)、そしてまた2分程度運動してを繰り返すようなレペティショントレーニングも必要だと思いますし、週に数回は10km走などの長距離走トレーニングを入れてみると良いでしょう。
 両方のトレーニング(筋トレと持久力トレ)をさらに融合させるために、半日程度以上の長時間をかけてサッカーやバスケットボール、バレーボールなどのゲームを、休憩を挟んで数ゲーム行うようなトレーニングも良いです。これは、筋トレによって獲得した筋力を自分の意思の元でしっかりと操作するトレーニングと合せて、半日以上集中力を維持してトレーニングを継続するため(オンシーズン中の練習を意識して)という意味も持ちます。

 そのトレーニング期間の栄養補給については、第一優先としては最大筋力の向上を考えますから、やはり良質のタンパク質摂取と総摂取カロリーにポイントを置きます。通常は 「除脂肪体重1kgに対して2g程度以上のタンパク質摂取」 が基準であり、総カロリーを気にするのは、消費カロリーに対して摂取カロリーが下回ってしまうと、カタボリック(タンパク質異化作用)が始まる可能性があるからです。どんなに一生懸命トレーニングをしても、その後の栄養摂取が不足すると、むしろトレーニング前より筋量が減少してしまいますし、文字通りそれは“徒労”に終わってしまうことを意味しますので、総摂取カロリーにも十分に注意を払う必要があります。
 あとはその他の食品群をバランスよく摂取することを心がければ良いと思いますが、油脂類の摂取は過剰にならないように(全く摂取しないのもダメですが)気をつけるべきだと思います。

 以上、まとめるとするならば、競技に必要な栄養摂取+トレーニング継続に必要な栄養摂取、同じく競技のためのトレーニングとオンシーズントレーニング継続のためのオフシーズントレーニングとそのための栄養摂取、という考え方をポイントにするのが良いのではないかなあ...となるのではないしょうか。

 ここまで書いて...最初にこの種目を持ってきたのを後悔しています。完璧にミスですね...そもそもオンシーズンとオフシーズンでここまできっぱりとやることが別れているってのを忘れてました。なんか...思った以上に考察がちょっと(だいぶか?)雑になってしまいましたね(汗
 でもまあ、次の項目(種目)では気をつけたいと思います。これで(とりあえず)アルペンスキー・大回転競技における栄養摂取方法とトレーニングのポイントの部分を終わります。

 ...次の種目は...もっと単純なヤツにするかな...面倒じゃないヤツ...続きます。
 さて、これから始める一連の記事についてですが、とりあえずスポーツの種目ごとに、①運動の種類や特徴を巷の文献などを参考にして捉え、②そのエネルギー供給系の種類とそのための栄養補給方法について考えつつ、③さらにはその種目で勝つ(或いは記録を伸ばす)にはどういうトレーニングが必要なのかを突き詰めるという3段構えで進めてみたいと思います。
 さらに、上記②の栄養補給方法についてはいわゆる競技そのものに関する内容を述べることとし、いわゆる“トレーニング期間”の栄養補給方法については、③のトレーニングの部分において追記することにします。

 ただし、ここで言うトレーニングとは原則としてフィジカルトレーニングを指すことにします。スキルトレーニングにもフィジカルトレーニングの要素が無くは無いのですが、あまり話を複雑にしたくないので勝手にそうすることにします。ゴメンナサイ。

 また、ところどころで専門用語の類が出てきますが、それはできる限り読み手の方で検索して調べて下さるとありがたいです。でないと、用語の説明だけで膨大な文章になってしまいますので...本当に申し訳ないですが。
 そして...意図的に 「無酸素系」 や、「無酸素運動」 或いは 「有酸素~」 というワードは使わないことにします(参考文献に関わる場合を除く)。これは後で適当なタイミングで理由を述べることにします。

 以上、ごちゃごちゃと述べておりますが、基本的には 「昔若い頃に他人よりちょっとだけ多くカラダを動かした経験のあるオッサンが、昔取った杵柄よろしく自分の経験をベースに長女を実験体にして、それを数年後に次女にフィードバックするお話」 なので、面倒なツッコミは受け付けません。“優しいアドバイスのみ”ありがたく頂戴いたします。


1.アルペンスキー・大回転競技

 まずは最初、とりあえず自分の専門の、「アルペンスキー・大回転競技」 を取り上げます。理由は、今まで自分がやってきて何がどのように必要なのかある程度詳しく話せる種目だし、そういった意味からもある程度運動の単純化が容易だと思うからです。でも、ここで手法をしっかりと確立しないと、後に続く種目がグダグダになってしまうから要注意ではありますが...まあ、最初は練習だと思って(汗)お付き合い下さい...

 最初にこの種目の紹介。ご存知の方もいるとは思いますが、実際どんな種目かと言うと...以下のURLを参照下さい。百聞は一見に如かず、ですね。

 http://www.youtube.com/watch?v=y45xAoU6CKg&feature=fvwrel

 コース標高差は300~450m、旗門数は標高差の11~15%程度、例えば標高差が400mで標高差の13%の旗門数だとすると52旗門となる、が、これだと...たぶん1分は超えるなあ...

 さてと、この競技の運動強度や特性を研究した文献や論文はないかな~なんて思いながら探してみると、ありました。

『Jrアルペンスキー選手の有酸素性能力および無酸素性作業閾値(AT):(第2報)-特に競技特性とATについて-』 という論文、執筆者は塩野谷明さんという方...長岡技術科学大学の准教授さんのようです。ここではこの論文の中身について事細かに検証はせずに、結果だけをお借りいたします。スミマセン...

 これによると、大回転競技の運動特性としては、エネルギー供給系で考えると、解糖系と酸化系がほぼ50%づつとあり、これは男女共に大きく変わらないようです。

 さらに探してみると...『アルペンスキー競技の運動強度-準エリート選手の運動強度レベル-』 という中京大学の先生の論文から、

 「~滑走中のVO2peakはゴール付近で出現した。男子のGSL及びSLはそれぞれ78%VO2max、89%VO2maxの高い強度を示し、女子はそれぞれ78%VO2max、75%VO2maxの強度であった。従来、心拍数より推定した男子エリート選手のGSLにおける酸素摂取水準は95%VO2maxに達すると報告されている。運動中に摂取された酸素は有酸素系エネルギー供給に結びつくと考えられており、...」

 とあるので、だいたい、90秒間程度のタイムで80%VO2max~90%VO2maxの運動強度であると推定することにします。

 と、文字だけの文章だと長いのはちょっとアレなので、続く...
 12月半ば(末かもしれないが)から始まるスキーシーズンに向けて、4月~6月は体脂肪と体重をどっさり落とす期間、7月~9月と10月~12月は筋量と体重を増やしながら同時に動ける体を作る期間として、まずは最初の期間が終了したわけですが...

最終の数値は、

体重:67.45kg
体脂肪率:9.9%
筋肉量:57.6kg
推定骨量:3.2kg

 と、こんな感じ。目標は達成ですヽ(゚◇゚ )ノ

 そして昨日は長女の県通信陸上大会で、彼女は1年女子1500mに出場。土曜日の予選はまずまずの調子で通過し、昨日の決勝でなんとか東北大会出場枠(4位以内)に滑り込みたいところですが...結果は7位(´_`。)

 レース中の挙動もおかしかったように思いますが、単純に今現在での力の差だろうな...と思います。

 今回は、今現在の自分の力を出し切ったという点で褒めることにして、親の自分の目標達成と、次女の誕生日と合せて、ガッツリ晩飯を食べることにしました。でも、もちろん競技場から帰ってきてから外出するまでにしっかりと上半身ウエイトトレーニングは行いますが。

 ...6月30日までは1日の総摂取カロリーと夕食の摂取カロリーの上限、そして摂取タンパク量という3ポイントを厳しく決めていましたので、ホント、最後の2週間ぐらいはきつかったですが、なんというか、なーんにも気にしないで食べたいくらい飯を食う!ということの、どんなに素晴らしいことか!

 そうは言ってもこれからもある程度はカロリーを制限しますので(消費量を少し上回る量までOK)、無制限で食べまくるわけではありませんが...でもまあ、今までみたいにギチッと管理することがないと思うだけで、かなり気が楽です。

 これからまた自分の目標を設定して(まだ設定していませんでした(;^_^A )、そして子供たち。

 勝敗は時の運もあるのでそれは仕方がない。大事なのは、次に同じミスを繰り返さないことと、次に勝つために具体的に何を考えてどのように具体的に行動するか、です。気持ちだけで「頑張る!」 なんて言ってみても、それはその場しのぎの誤魔化しに過ぎません。「勝って驕らず、負けてくさらず」 とも申します。例え負けたとしても、それをしっかりと人生の糧にすることが何よりも大事ですし、自分自身もそうありたいと思うわけです。

 あとは...そうだな、「可能性を自分で決めつけるなよ」 と言っておきますか。