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【セルバランス】


 

リチウムバッテリー のチェック作業からの続きです。

 

今回は前回購入した安定化電源が大活躍します。

バッテリーの充電確認だけで安定化電源を買うのは勿体ないのですが、

このセルバランスと後である作業のために必需品だったので購入しました。

安定化電源は絶対必要かと言われると必要ないかもしれませんが、

何かに付けて今回初めての作業ばかりなので

不安で普段使ったこと無い道具にまで手を出しています。

ネットとYou Tubeで使い方をお勉強しながら望みます。

Kungber 安定化電源 DC 0-30V 0-10A

 

まず、セルバランスをとる必要性は・・・・

えー 各自自分なりに調べてみてください(笑)

LiFePO4バッテリーの事ならまずはこの人ですね(^^)

DIY Solar Power with Will Prowse

 

フォーラム情報だとセルバランスは取ったほうが良いだろうと判断して

今回バランス調整を行いますが、もしかしたら必要ないかも。

電気の素人なので必要だと断言できるだけの知識はありません(^_^;)

話に聞いたところ、一年に一度くらいの頻度で

セルバランスを取ると良いらしいって話も聞くけどどうでしょうね。

既製品のバッテリーならセルバランスは取れないので、

そう考えるとセルバランスは取らなくても問題ないのかな?

 

でも折角生セル購入でバッテリーを組むなら、汎用品には出来ない

セルバランスを取ってバッテリーの性能をキッチリ使い切るのは重要

これを面倒くさがっていたら生セル選ぶ意味がなくなります(笑)

 

リチウムユニットはBMSや走行充電器まで含めて、

充電確認と動作確認は全て取れたので、

車載するためにバラバラにする必要がありますが、

その前にセルバランスを取って作業終了となります。

バラす前にバッテリーをある程度BMS経由で充電しておきます。

13.6Vになるまでは7.2Aで充電して36時間かかりました。

初期のバッテリー残量が150Ahだったので充電量は250Ah

250Ah/7.2A=35時間なので計算通りの時間です。

鉛と違って満充電近くになると入りが悪くなるってことも無い

これなら充電完了時間を割り出すのも簡単です。

 

充電が完了した状態をBMSで確認した各セルの電圧状況は

ここにもあるように充電中はそれぞれの電圧には差異があります。

この差異を少なくするのがセルバランスの意味合いでしょう。

7A程度の充電量でも1番のセルだけ電圧が高くなっています。

セルの最大差は0.020Vと小さくはない数値になっています。

もっと高い電流値で充電すると電圧差はもっと大きくなります。

1つのセルが上限電圧に到達した時点で充電が止まるので

全体としてこの差分だけ容量が目減りするって事になります。

この差がでる状態を使わないだろうもっと高い電圧になるように

セル間の調整を行うセルバランスが必要になってきます。

充電中

 

但し、充電を止めるとここまでの電圧の差はなくなります。

各セルの電圧が落ち着いて低くなり電圧差が少なくなります。

充電時の電圧と充電をしていない状態での電圧の違いが、

各セルの個性というか個体差って事になるのかな?

充電停止中



【準備】


 

まずは生セルの8端子全てのバスバーを取り外します。

車載できるようにバスバーはまとめてインシュロックで固定します。

 

直列だった4つ有る生セルを今度は並列に接続し直します。

今まで直列で繋いで12.8V 400Ahだったバッテリーを

並列につなぎ直して3.2V 1,600Ahに変更します。

但し、この並列に繋ぐのがまた面倒くさい(^_^;)

と言うのも、生セルのボルトはM14と太いので

これに合う圧着端子が見つからない・・・

って事でこれも面倒だけどバスバーを製作しましたが、

バスバー製作してから気がついたけど検索したら有りましたね(^_^;)

ニチフ裸圧着端子 R5.5-14

 

車載後もセルバランスが取れるように専用のバスバーを製作します。

これで次回のメンテナンスで車載のままセルバランスが楽に取れるはず。

・・・今後定期的にメンテをやるかどうかは別にして(^_^;)

 

セルバランス用バスバー製作は付属してきた薄いバスバーを利用します。

まずはホームセンターの工作室で孔あけの作業です。

Φ4.2の穴を4箇所開けて百均の金鋸で半分に切断したら完成

バスバーは4枚付属していたのでこれで8枚のバスバーになります。

 

セルバランス用バスバー:8

サイズ:30mm✕55mm✕2mm

孔あけ:Φ4.2✕2 (Φ15は元から開いてます)

 

5SQの電線の先端に圧着端子を取付けて

バスバーを交互に接続していきこれで2セット完成です。

バッテリーとのショートに気をつけて慎重に接続します。

これでセルバランス調整の準備が整いました。

ちょっと配線が長すぎですかね(^_^;)

 


【実施】


 

セルバランスの取り方の詳細はこちらを参照してください

英語での説明ですがGoogle先生に翻訳してもらいながらで大丈夫

Top Balancing "How to"

 

参考にしたトップバランスをとる方法のチュートリアルはこちら

Top Balance Tutorial.pdf 366KB

Top Balancing LiFePo4 Cells using a low cost benchtop power supply.

 

今回のセルバランスはトップバランスで調整します。

キャンピングカーはボトムバランスよりトップバランスで問題なし

カタログにもある通りLFP400のLimited Voltageは3.65Vになります。

全てのセルを上限値手前の3.60Vまで充電して電圧をトップで揃えます。

これが出来れば3.60V✕4=14.40Vまで上げることが出来ます。

ま~ BMSのFull Charge Voltageは3.45Vに設定しているので

それより上で揃っていれば不都合は無いはずです。

 

BMSが付いている状態でセル全体で13.6V付近まで充電したので

各セルの電圧は3.40V近傍まで上がっています。

それぞれのセルの電圧をテスターで確認します。

各セルは3.34Vまで充電出来ているのを確認しました。

ポイントとしてはBMS経由でキッチリ各セルを3.40Vまで上げたほうが良い

3.40Vまではとにかく電流の入りが多いので3.40Vまでがとにかく大変。

セルバランスは地味に時間がかかって大変なので

直列接続の時に上げれるだけ上げたほうが時間がかかりません。

12.8V 400Ahより3.2V 1,600Ahの方が電圧が低いので充電は大変です。

 

電圧確認が取れたら生セルと安定化電源を接続します。

まずはテスター計測3.40V、安定化電源設定3.38Vで0Aになるまで充電します。

安定化電源の表示よりテスター計測値を正しいとしています。

安い安定化電源ですがAmazonの評価にあるようにぼちぼち正確です。

値段の割には安心できる良い商品だと思います。

最初は0.76Aの電流でジワジワと3.40Vまでバランスを取っていきます。

安定化電源の電流値が徐々に下がり0A付近になるまで

0.06V上がるのに155時間位かかりました(^_^;)

とにかく時間はかかりますが電圧も低いことで特別不安もないので、

電源入れてほったらかしで良いので面倒なことは有りませんが、

参考にした情報よりとにかく時間がかかったので不安でした(笑)

セルバランスはBMSを通さないので間違っていないか心配ですね。

 

次にテスター:3.50Vに調整した安定化電源設定3.48Vで

最初は1.31Aの電流値で開始して0Aになるまで充電します。

3.50Vで安定化電源の電流値が0A付近になるまで

0.10V上がるのに32時間位かかったでしょうか。

 

最終調整はテスター:3.60Vに調整した安定化電源設定3.58Vで

最初は1.34Aの電流値で開始して0Aになるまで充電します。

3.60Vで安定化電源の電流値が0A付近になるまで

0.10V上がるのに今度は4時間と極端に短い時間でした。

 

次回セルバランスを取る機会があるなら最初から

セルのLimited Voltageの3.65Vまで一気にかけて

セルバランスを取る方法でやってみたいですね。

次回はビビらずに大胆な方法でも出来る気がします(笑)

でも刻んで上げていくことでセルの電圧特性がよく分かりました。

これは非常に良い経験をしたと思います。

時間はかかるけど刻んで上げる方がオススメです。

 

定電圧でジワジワ充電してトータル190時間程度、

日数にして8日間以上セルバランスにかかりました(^_^;)

最初に全てのセルを3.40V以上あげとけばこんなに苦労しません。

とにかく時間がかかりましたがセルバランスの調整は完成です。

セルバランスは手間がかかるのでほんと採算度外視の

個人だから出来るバッテリーの仕上げ作業になります。

この小さな気遣いの積み重ねが既製品と違って重要になるのかな。

こんな地道な作業がプライベートならプライスレス(^^)

 

これで3.60V✕4=14.40Vまで充電が可能になりました。

まっ そこまでギリギリに充電はしませんけどね。

今のBMS設定では3.45V✕4=13.80Vが充電の上限です。

セルバランスの作業内容をまとめると以下になります。

電圧 3.34V→3.40V、電流 0.76A→0A : 約155時間

電圧 3.40V→3.50V、電流 1.31A→0A : 約32時間

電圧 3.50V→3.60V、電流 1.34A→0A : 4時間

 

これから考察できることは3.40Vを超えると急激に充電可能な量が減ってきて、

3.50Vから先は電圧の上がりから充電可能な量は極端に減少するので

Full Charge Voltageは3.45Vとして設定して良さそうです。

無理して3.50V以上を狙って充電する必要が無いことがよく分かり、

Sinopoly SP-LFP400Aのカタログの特性がよく実感できました。

 

あとはLiFePO4の特性なのか充電を終わって暫く経つと電圧が若干下がります。

例えば3.50V到達時点で充電を終了しても時間の経過とともに電圧が下がり、

0.05V程度電圧が下がった3.45Vで落ち着く傾向にあるようです。

そんな理由でFull Charge Voltageを3.45Vとしたのは3.45Vまで充電して

しばらく経って落ち着いても3.40Vはキープしているのが望ましいと考えました。

電圧が落ちても3.40Vにした理由はこちらのページにも掲載している

13.6V(セル単体:3.4V)で満充電相当だという事ですね。

 

LiFePO4の充電状態を表すこの電圧チャートが良い目安って考えです。

目指す最低の電圧で実容量100%を維持したいと考えた結果です。

これもリチウムの満充電保管は推奨しないの回避と考えています。

ま~ 満充電で保管しても気になるほどの劣化はしないけど

やはり念の為に一応気にしての電圧設定です。

 

厳密に言うとセルのLimited Voltageは3.65Vなので3.65V✕4=14.6Vが

本来の満充電に相当するけど、3.40V✕4=13.6Vでも十分満充電と

考えても良いと言えるのが今回のセルバランスで分かりました。

やはり実体験で理解できると設定値にも自信が持てますね。

生セルに取り組んだ最初の頃は満充電は14.4V設定が良くて、

13.6V設定なんて低すぎ~と知識なく感じていました(笑)

リチウム換装後、今度は下限側の目安を見つけたいと思います。

 

 


【まとめ】


 

これで一通りオフラインでの調整は無事に終了です。

本当ならオフラインでの放電テストもしたかったけど。

オフラインでの放電テストはインバーターが必要なので

コスト面を考えると無駄になるのでやはり難しい

 

次はいよいよリチウムバッテリーユニットを車載します。

楽しかった工作の時間はこれで終了です。

全てが新しい事だし、身近に詳しい知り合いも居ないので

個人で地道にネットで色々情報を探りながらの作業でした。

かなり不安で全てが手探り状態でしたが、

生セルとは言え早い話が電気の素人でもなんとかなります(笑)

これも先達の貴重な情報のおかげだと思います。

自分も先達に敬意を表して自分の情報を公開しています。

次に続く人がよりパワーアップしてチャレンジしてくれると嬉しいです。

 

リチウムバッテリーを車体に組込む前に。

電装庫に排熱処理用の排気口を加工します。


 

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