- マイク デイヴィス, Mike Davis, 柴田 裕之, 斉藤 隆央
- 感染爆発―鳥インフルエンザの脅威
鳥インフルエンザの脅威については、マスコミの報道が下火になると、つい忘れてしまいます。
本書では、その切迫した危機を描いています。
インフルエンザが進化して毒性を強め、世界的に伝播しやすくなった3つの原因を要約すると、
1.「家畜革命」による工場式の大規模家禽・家畜飼養の導入
2.膨大な数の人や物のグローバルな高速移動や接触の実現
3.巨大な都市やスラムの出現
であり、いったん、強い毒性を持ったウィルスがヒト感染するようになれば「パンデミック」となることが説得力を持って描かれています。
鳥インフルエンザの致死率から推定すると、最大で10億人の死者が出る可能性があるこの脅威に対する先進国(特に米国)の対応はお寒い限りです。
(もちろん、発展途上国は先進国の支援がなければ、更に悲惨な状況となります)
炭素菌などの生物テロには対策費を計上しつつ、インフルエンザへの対策費は削っている米国政府に対して著者は強く抗議をしています。
関係者の「サダム・フセインがインフルエンザの黒幕だったらよかったのに」というジョークは米国の状況を良く表しています。








